映画『ボーはおそれている』のおすすめ感想文 2024/02/26開始、2024/03/03更新

『ボーはおそれている』は日本文化で育った我々が丸腰で観ると「ただただ支離滅裂な難解不快大喜利」に見えるんだけどアリ・アスター監督本人の「ユダヤ人にとってのロード・オブ・ザ・リング」という切れ味鋭いキャッチコピーがぶっとい補助線になると思います。

大島育宙(オオシマヤスオキ)XXCLUB/無限まやかし/炎上喫煙所/夜ふかしの読み明かし
@zyasuoki

「ユダヤ人にとってのロード・オブ・ザ・リング」の意味が全然分からないが、気にかけておきたい。

2024/02/26追加


ぬうどる 映画解説
@radiobed1132
ボーはおそれれているのトニがペンキをぶちまけるシーンの意味が分かりました
デヴィッド・リンチ監督の「マルホランドドライブ」のオマージュです
#ボーはおそれている

2024/02/26追加 読み物として面白い。勢いがある。

全て現実だと思っていたが、全て妄想と考えると、それはそれで面白い。公式ネタバレサイトについての言及があるので、注意が必要だ。

2024/03/02追加

ヨブ記を読んでみよう。


2024/03/03、ヨブ記について調べてみた。


2024/03/03追加

神は男性として描かれてきたが、女性として描いていたことが面白い、という趣旨の記述に興味を持った。

2024/03/03追加

このレビューはとても興味深い。

ヤンデル
ボーはおそれているのヤンデルのレビュー・感想・評価
2024/02/28 12:41
ボーはおそれている(2023年製作の映画)

ユダヤ教とキリスト教の違いを知らないと、気づくことができない。

・アリ・アスター監督はユダヤの出身であり、この物語は旧約聖書ヨブ記に大きく影響されている。
・ヨブ記では、ユダヤの神を信じてヨブは豊かに暮らしていたが、神とサタンの「この男は豊かだから神を信じているのではないか」という賭けをするために、神はヨブから全てを奪ってしまう。理不尽に感じたヨブは神に問いかけるが、周囲からは「お前が何か悪いことをしたに違いない」「神は人が計り知れないような大きな次元で世界を支配している」と言われてしまう。
・この物語のボーも様々な不幸に遭うが、外科医の家の監視映像から、未来のことまで全ては仕組まれていることがわかる。また、母親の会社はボーの身の回りの関係企業を経営しており、ボーの生活の全てを支配している。また、相談していたカウンセラーまで相談を母親にリークしていたことがわかる。
・ボーは何も悪いことはしていないが、実はユダヤ教の戒律を犯している。
・ユダヤ教では、親が死ぬと一週間風呂に入ってはいけないが、ボーは入ってしまう。
・ユダヤ教では「偶像崇拝している人の家に泊まってはいけない」が、ボーはK-POPアイドルのポスターが飾られた部屋に泊まってしまう。
・外科医の家で食事前にキリスト教の祈りをするが、ボーも一緒になって祈りをやってしまう。
・ボーは聖母子像を持っているが、マリアは母親であり、ユダヤ人である。つまり、ボーはキリストも象徴している。ボーが脇腹や手のひらを刺されるのはキリストと重ね合わされているため。
・ユダヤの視点から見るとキリストは旧約聖書から新約聖書、つまりこれまでの戒律を否定して神と新しい契約をする者であるが、同時にユダヤの裏切り者、カルト教の教祖と見ることもできる。
・屋根裏の父親が巨大な男根に変身しているのは、ユダヤは母系社会であり、男性は「種」として扱われていることの象徴と考えられる。
・また、この変身はフィリップ・ロスの「The Breast」で男がある朝急に巨大な女性の乳房になってしまうという話から影響を受けている。また、この作品は同じユダヤ人のフランツ・カフカ「変身」を元にしたもの。
・最後の裁判のシーンは同じくカフカの「審判」の影響、あるいはアルバート・ブルックスの映画「あなたの仕事にご用心!」の影響を受けている。どちらも主人公が突然理不尽な裁判を受けさせられる物語。また、ユダヤ人は死後に「最後の審判」があると信じられていることも影響している。

ヤンデル ボーはおそれているのヤンデルのレビュー・感想・評価

2024/03/03追加

ユダヤ教について知っていると、より楽しめる。

2024/03/03追加

エヴァンゲリオンやオズの魔法使いと絡めて考察されていて、面白い。

以上


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