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ギターを持った日

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むかーし、むかし。深い深い深海に、ひっそりと生を受けた、Yas: うつぼでございます。深海から、こんばんは。

今日は、良い動画を見ました。見るつもりはあまり無かったんですが久しぶりにとても感動したので、その気持ちが醒めないうちに自分語りでもと思い立ち筆を取りました。

ちなみに、その動画はギターを持ったきっかけと不思議な縁のお話でした。僕の話なんざ、何ら需要がないとは思うのですが、歳を重ねるごとに初期衝動が薄れていくのを感じているので、定期的に振り返る意味も込めて書いておきます。何らインフォーマティブな話ではありませんので悪しからず。

ギターを始める動機は人それぞれだと思います。ギターを弾けば異性に好意を持たれるかもしれない……そういう勘違いで始める人も多いのだそうです。

僕は、そういうカタチで始めたわけではありません。時は、1997年。当時、月曜日になるとジャンプやマガジンが教室を飛び回るような時代。僕は、高校生でした。ノストラダムスの大予言が世の中を賑わせ始めていたような気もします。「大赤斑級がぁ!」とかいう漫画を読んだ記憶があったり、なかったり……。

何気なくクラスの中で浮いている。いや、何かを達観しているような子がいました。彼とは何故か気が合いました。僕も僕でこの何とも言えないヲタクな気質もあって、変に物知りな彼に色々と聞いたり、教えたりしてもらううちに仲良くなったのを覚えています。

他のクラスメイトは馬鹿にした感じで付き合ってたのですが、僕はそんな事全然思わなかったんですよね……。こういう出会い、実は結構あります。センスが合うというか、モノの見方が近いというかなんかそんなのなんでしょう。よく分からんけどね。

初めはよく一緒にゲーセンに行ってたりしました。バーチャファイターとか流行っていたし、好きだったので良く対戦してたのを思い出します。とても、合理的に物を考えるので、どうしても美しさとか、流麗さとか格ゲーにそんなの必要なの?って点で変なこだわりを発揮する僕は、やられてばっかりでした。良い思い出だ……。あ、ギターでしたね!?戻りましょう。

ある時、彼が「何の音楽聞くん?」と聞いてきました。僕は洋楽が好きでした。洋楽って言ってもBonjoviとかを背伸びして聴いていたので、よく分かっていなくて、個人的に勝手にハワイアンだと思い込んでいた、the venturesとか、おかんが大好きだったthe beatlesばっかり聴いていたのです。というか、おかんが聴いてた曲が好きでした。オールディーズって言われるやつですね。

もちろん、周りは誰も知らないし、分かってくれないので無理してBonjoviとか聴いていたんですが、Bonjoviはあんまり好きじゃなかったな……。でも、彼なら分かってくれそうな気がしたので、思い切って言ってみることにしたんです。

「ん?the beatlesとか好きやな、ミスドでかかってる感じの古いのん好きかも。」

と答えました。家の本棚には、それこそLive at the BBCみたいな、結構マニアックなものまで買い揃えていたので、the beatlesは大好きでした。Free as a birdが出たのもこれぐらいかな?うる覚えだけど……。それもあって、中古CD屋さんを巡るのが隠れた趣味だったりもしたぐらいです。

ブックオフやハードオフなんでものが幅を利かす随分と前の話なので、街中に普通にレコード屋としてそういう店が沢山あったころです。当然、Amazonもありません。流行りの邦楽はあまり興味は無かったです。が、高校生の嗜みとして聞かなければならなかったので(カラオケ全盛だったしね)、ラジオで何となく覚える。みたいな感じでした。マジでどうでも良かった。B’zの「愛のままに」とか流れてたの覚えてます。

で、彼はこう返すわけです。

「あ、そうなんや。ほな、これ聴いてみーな。俺、好きやねん。」

彼のセンスは信じていたので、何の疑いもなく、「有難う」と返事をして家に持って帰りました。

プールの中で、赤ちゃんが1ドル札に食いつくかのように泳いでいる。あの、あまりにも有名なジャケット: NIRVANAの「Never Mind」でした。

どんな音楽なんだろう?
全然、想像も出来なかったし。
実は、それほど期待もしていませんでした。

だって、僕にとってのヒーローは普通に、the Beatlesだったし、その時(後かもしれない)にブイブイ言わせてたOasisもなんか違うと思っていたからです。

「まぁ、聴いてみるか、折角だし。」

そう思い立ち、トレイにCDを置き。トレイを閉めて、再生ボタンを押します。その刹那……。

あのあまりにも有名なリフが流れてきます。
Smells Like Teen Spritです。

もう、何て言ったら良いんだろう……。

正に電流が流れました。
雷に撃たれました。
そんな表現じゃ言葉が足りないぐらいに、ドキドキして心臓が爆発するんじゃないかぐらいの衝撃でした。

今のように、英語も理解していなければ、英語の耳も持っていなかったので、何言ってるか1ミリも分かりませんでした。けど、そんな事はどうでも良いぐらい衝撃でした。

「なんてカッコいいんだろう……。」

思わず、次の日に駅前のCD屋さんで、カセットテープを買いに行きました。「これは何がなんでも聴き倒したい!」そう思ったからです。

そして、同時に確信みたいなものが僕にありました。ギター弾きたい!と。

CDを貸してくれた彼が、実はギターを弾くのは話半分で知っていました。彼の家に無理やり押しかけて、聞かせて聞かせて!と言ったのを覚えています。小さなフェルナンデスのアンプに繋いで、Smells Like Teen Spritを弾いてくれました。

もう、これで完全に決まりました。ギターを弾こうと。

気のいい彼は、「使ってないギターあるから、あげるわ」とまさかのギターをプレゼントしてくれました。今考えると、ギター入門セットみたいなやつでついてくる、ギター、アンプ、ストラップ、ピックのセットみたいなものです。昔、雑誌の裏によく載ってたよね。あれです。グラスルーツの紫色のレスポールモデルだったと思います。

意気揚々とそのギターを持って帰り。後生大事に手入れをし、Smells Like Teen Spritをせっせとコピーする毎日が始まりました。その当時は、スマホもYouTubeもない時代です。タブ譜?らしきものをルーズリーフに殴り書いてもらったのが唯一の頼りでした。来る日も来る日もSmells Like Teen Spritのイントロを弾いていました。タブ譜らしきものを書き足してもらい。コーラス、ソロと進めていきました。

チューナの存在も、エフェクターの存在や、音楽理論やら何やらは何も分かっていませんでした。

でも、とても楽しかったのだけは覚えています。ギターを握るキッカケがモテたい!とかそういう理由だと僕の場合は、秒で諦めていただろうから……。

それを1000%上回るモノに巡り会えたのは本当に幸運だったなと今でも思います。

16の時からギターを弾き出して、はや30年弱。時には遠かったりしながらも、未だに細々と弾き続けています。

最近は、度数やら、コードトーンやら、何やらかんやら理論の部分にまでやっと目が行くようになりました。音楽を理屈で理解している時点で、音楽じゃねーとか思ってたんですが、音楽する為には必要なんだって、今更、気付いたので。師匠に助けてもらいながらコツコツやってます。

Smells like teen spritも今もたまに弾きます。でも、やっぱりBeatlesが好きなのは裏切れなかったみたいで、そこからルーツに行き、ブルースを学び、ブルースに恋をして、今は、ジャズの扉の前に立っています。爆音でカートの真似っ子をしていた16才の少年はカタチこそ変わってきましたが、やっぱり今もギターを掻き鳴らしています。

ギターは本当に不思議な楽器です。言うなれば、日替わりのスクリーンセーバ眺めている気分です。毎日見える景色が違うし、靄がかかっていたモノが振り払われると更に遠くの地平が見えるようになる。

終わりのない旅みたいで、死ぬまで飽きることはなさそうです。

弾けるうちは弾こうと思っています。作れるうちに色んな曲を作ろうとも思っています。ジャンルに囚われず色んな曲に挑戦したいなとも思っています。

ギターは良いぞー🎸
こんなに楽しいモノに巡り合わせてくれた彼には未だに感謝が止まらない。

有難うを言いたいんだけど、疎遠になって久しいので初期衝動と感謝を封じ込めたくて駄文を認めました。

読んでくれて、本当に有難う!

音楽やってます!
これからも、音楽やります!!

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