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【補瀉の手法】(4)呼吸

 刺鍼と抜鍼を病人の呼吸に合わせることで、補瀉の手技を区別します。

1,補

 補うときは、患者さんが息を吐くときに合わせて刺鍼します。気が至ったら、息を吸うときに合わせて抜鍼します。

 大切なのは抜鍼時で、せっかく補った気を漏らすといけません。ですから体内に気を留める意味もこめて、患者さんが息を吸うときに合わせて鍼を抜きます。中に引く力が強いときに鍼を抜くということです。

 気を充満させ漏らさない手技ですから、陰陽問わず肝虚証や腎虚証などのモノの虚を補うときにむいています。

2,瀉

 瀉すときは、患者さんが息を吸うときに合わせて刺鍼します。気が至ったら、息を吐くときに合わせて抜鍼します。
 これも大切なのは抜鍼時で、余分な気を漏らさないといけません。ですから体外に気を出す意味もこめて、患者さんが息を吐くときに合わせて鍼を抜きます。外に追い出す力が強いときに鍼を抜くということです。

 余分な気を漏らすのに適した手技ですから、陽経の実や邪実を瀉すときにむいています。


(おまけ)

 余談になりますが、痛くない鍼をうちたい人は、患者さんの呼吸に合わせるといいです。背部置鍼をするとよくわかりますが、患者さんが息を吸うと背中が盛り上がり、息を吐くと背中が平坦になります。鍼を痛くなく刺すには、息を吐いて平坦になったところを狙います。鍼をうとうとする下向きの力と、息を吸って盛り上がってくる上向きの力がかち合うと痛い鍼になる可能性が高くなります。

 もう20数年前になりますが、弟子入り時代に池田先生の娘さんに鍼をする機会がありました。小さい頃から鍼を受けている彼女は、背部置鍼の時には鍼をうつのに合わせて、みずから自然に息を吐いていました。患者の側が経験上身体で覚えて、術者に合わせてくれてたんですね。

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にしずか Labo

『図解よくわかる経絡治療講義』の著者、大上勝行による電子研究所。電子書籍・ビデオ配信などにより、鍼灸・古典医学・経絡治療・東洋医学の情報配信を行います。
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