見出し画像

補瀉の手技

 臨床では、患者さんや病症の虚実寒熱表裏の状態に応じて、大小迎随深浅呼吸出内開闔などの手技を取捨選択し組み合わせ、治癒に導きます。

 経絡治療では「虚実を明らかにして、補瀉という手技を用いて、治療に導く」のですが、一言で虚実といっても、その種類・状態は様々です。精気の虚・病理の虚実・病症の虚実があり、部位も表裏・内外・経絡・臓腑があり、病理的にも気虚・血虚・気滞・瘀血・精の枯渇など。そしてその程度も様々です。100%虚、0%実というのも少ないのです。

 経絡治療の学習のポイントとして、初心者はまず四虚証に分類して、六十九難式に選穴して、置鍼という簡便な方法をことが学ぶことが多いです。これは主に臓腑の虚実のみに焦点を当てたシンプルな治療です。もちろん臓が人体の五行分類の主ですから、本質的な治療になるのですが、それだけでは症状が改善しにくいのも現実です。「経絡治療にいくと、身体は軽くなるけど、五十肩はなかなか治らない」などと言われるのもこの辺です。ですから本質的なところだけでなく、枝葉の部分もしっかりと診て対応する必要があります。

 これは脈診でいうと、六部定位脈診で臓腑の虚実をみるだけではなく、祖脈・脈状をみて表裏・寒熱・病理などもみましょうということです。そうすることで、本質的なところだけでなく、身体を立体的にみることができ、様々な病証にも対応できるようになります。

 立体的にみることができるようになったら、置鍼だけで選穴の補瀉に頼るだけでは対応しきれません。ここで大小・迎随・深浅・呼吸・出内・開闔などの手技の選択・組み合わせが生きてくるのです。

 われわれ治療者は患者さんの状態に、治療をうまくマッチングさせて、そのアンバランスを是正しようとします。手技の選択はそのひとつであり、よりよい治療を模索していく上で、重要な要素です。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

こんにちは、「にしずか Labo」です。 私たちは電子コンテンツを活用し、出版社や部数にとらわれることなく少人数を対象にした情報発信や、販売部数の読めない若手・新人などの発掘・育成、経絡治療の普及・伝承に努めてまいります。 ご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

やったー!

にしずか Labo

『図解よくわかる経絡治療講義』の著者、大上勝行による電子研究所。電子書籍・ビデオ配信などにより、鍼灸・古典医学・経絡治療・東洋医学の情報配信を行います。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。