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【補瀉の手法】(3)深浅

1,病位

 身体の表は陽に属し、裏は陰に属します。

 鍼を浅く刺すということは陽部(表・外)に作用させるということで、深く刺すということは陰部(裏・内)に作用させるということになります。

 表に病変があるときは、頭痛・項背痛・腰痛・発熱・悪寒などの症状が、裏に病変があるときは、内熱・動悸・便秘などの症状があります。
 また同じ表証でも、太陽経に病変があるときは、頭痛・発熱・悪寒などの症状があり、少し奥まった少陽経に病変があるときには、胸脇苦満・嘔気・往来寒熱などの症状があるというふうに、病の深浅によって病症が変わってきます。
 基本的に鍼をさすときは、病の深浅に応じて刺鍼の深浅も決めます。

2,病理 

 身体全体の陰陽虚実の状態に応じて、本治法における手技が変わります。

①陰虚

 陰虚証のときに脈は、軽按では指に強く当たりますが、血や津液がない、つまり中身がないので、重按では弱くあたります。このようなときには、陰をしっかり充実させなければいけないので、鍼はやや深く刺し、まず陰の部をしっかりと補います。

②陽実

 陽実証のときは、脈は浮実で表に病変があるので、浅く刺して泄らします。

③陰実

 陰実証のときは、脈は沈実で裏に陽気が滞っているので、深く刺して滞りを散らします。瀉法の中でも輸瀉という手技を使います。

④陽虚

 陽虚証のときは、脈は沈弱虚で陽気が少ない状態です。法則どおりいくなら、鍼を深く刺して補う、ということになるのですが、陽虚証のときは裏だけではなく、表も陽気がなく、寒症状が出ています。
 このような状態で鍼を深く刺すのは、表の少ない陽気を飛ばしてしまう可能性があるので、お薦めできません。

 陽虚証のときは、まず浅く刺して表の陽気を補います。接触鍼・鍉鍼など刺さない鍼も用います。


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『図解よくわかる経絡治療講義』の著者、大上勝行による電子研究所。電子書籍・ビデオ配信などにより、鍼灸・古典医学・経絡治療・東洋医学の情報配信を行います。
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