見出し画像

【補瀉の手法】(1)大小

  虚実の状態や程度に合わせて、鍼の長さ、太さ、材質を変更して用います。うちの治療院でも、長さでは1寸、1寸3分、1寸6分、2寸、太さでは00番(かすみ)から0、2、4、5番、材質はステンレス、銀、金を使い分けています。

①長さ

 長さについては、「深浅」の項で改めて述べます。

②太さ

 太さは細いものはより柔らかく繊細な手技が、太くなるにつれ気血を動かす力は強くなります。ですから虚や急性疾患には細い鍼が、実や慢性疾患には太い鍼の方が向いているということになります。

 ただし、全体の元気、熱証寒証の程度、局所の虚実などを総合的に判断して、使用する鍼を決めます。ファーストチョイスとしては、細いものから行く方がいいでしょう。当院では、本治法には寸3かすみ(長柄鍼)、背部置鍼は寸3・0番、腰部等硬結の硬いところは程度によって1寸から2寸、2番から5番を使い分け、灸頭鍼もやります。

③材質

 材質にもいろいろありますが、ステンレス→銀→金と材質が柔らかくなるにしたがって、陽気を補う力が増していきます。ただし金や銀は取り扱いが難しく、より高い技術が必要です。

 かつては金鍼は補法で銀鍼は瀉法というように使い分けていた時代もありましたが、現在では銀鍼も補法に使っているようです。これは全体の手技の中での、相対的なものとしてとらえればいいと思います。金と銀を使い分けたときは、金が補で銀が瀉、銀とステンレスを使い分けたときは、銀が補でステンレスが瀉、といった具合に。

 当院では普段は取り回しのいいステンレスを用い、虚の程度のひどい人には銀2番や金10番(鍉鍼として)を用いています。ただし上述したように、高い技術も必要であり、しかも虚弱な人が対象となるので、きちんと補いきれないと、治すどころか愁訴を増やすことにもなりかねません。

 私は、小児はりにも金の鍉鍼を用いています。小児はりは肌を面で刺激するので、特に当たりの柔らかさが大事です。プラスチック製のディスポーザブルもありますが、それよりはステンレス、銀、金の方が柔らかい刺激を与えることができます。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

こんにちは、「にしずか Labo」です。 私たちは電子コンテンツを活用し、出版社や部数にとらわれることなく少人数を対象にした情報発信や、販売部数の読めない若手・新人などの発掘・育成、経絡治療の普及・伝承に努めてまいります。 ご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

スキありがとうございます!
1

にしずか Labo

『図解よくわかる経絡治療講義』の著者、大上勝行による電子研究所。電子書籍・ビデオ配信などにより、鍼灸・古典医学・経絡治療・東洋医学の情報配信を行います。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。