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いかれたQWERTY

本来なら今頃はこっちじゃなくカミグセのアカウントでインタビュー記事の原稿をバリバリ書き起こしているはずだった。でもできなくなってしまった。いや、できることはできるのだが、めちゃくちゃ時間がかかる。なぜならキーボードが大変なことになってしまったからだ。

「どうしてもタイプできない言葉がある」みたいなことなら、ちょっとだけ『残像に口紅を』っぽくて格好いいのに、いまのところ文字入力には一切の支障がない。いや、正確には若干の支障はある。とはいえ、以前に使っていたノートPCはキーボードが一切の入力を受け付けなくなり、それで今のデスクトップPCに買い替えた(現在支障が出ている当該キーボードはその時に応急処置として買ってきたものを流用している)という経緯があるだけに、文字が打てるだけありがたいと思え、って自分に言い聞かせている。

現状はこうなっている。

ネットの海から拝借してきたフリー素材なので、実際のものとは多少キー配置が異なるものの、おおむねこのようになっている。言わずもがな、バツのつけられたキーが思い通りの動作をしない。

約1時間にわたる検証の結果、だいたい以下のようになっていることが判明した(というか、書いている今もなお次々と不具合が増えている。もう画像を直す気力はない)。

右SHIFT:End+Enter
左SHIFT:左移動+SHIFT
Space:音量ダウンして変換/スペース
↑キー:音量ダウンして上移動
→キー:音量ミュートON/OFFして右移動(さっき試したら治った)
↓キー・←キー:音量ミュートON/OFFして左斜め下へ移動(←+↓+SHIFT?)
Fnキー:Delete
Deleteキー:Home+Delete
NumLk:NumLkして音量アップ
NumLkオンでテンキーの「+」:押すだけで「+7」と入力される
NumLkオンでテンキーの「7」:押すだけで「+7」と入力される
NumLkオンでテンキーの「4」:左移動
NumLkオンでテンキーの「1」:End+Enter
テンキーじゃないほうの「2」「3」「4」「7」「8」「9」「0」:無反応

つまり何が起きているかというと、NumLkを連打すると音量が上がり、ひらがなを漢字にするたび音量が下がるのだ。どんなバタフライエフェクトだよ。新種の蝶かよ。秩序を返せ。

ctrlが効くのは不幸中の幸いだが、油断してはいけない。常用している右シフトキーが見当違いの挙動を起こすので、アルファベットの大文字を打つにも一苦労だし、頻用している丸かっこ( )など、このサイトから毎回コピーアンドペーストで打ち込まなければいけない。あと気づいたけど数字の4を一発で入力する手立てがなく、毎回「よん」を変換して手に入れなければいけない。という文章を綴るだけでも大変で、ここまで書くのに60分かかっている。ほかにも細かい不都合はいくらでもあるが、最大の問題はそこではない。

いま僕は何をすべきだったか。

インタビュー記事の文字起こしだ。

キーボード入力なんて指先が記憶しているものだから、いつもの癖で漢字変換の候補を送るためにスペースキーを連打してしまう。すると何が起きるか。もういちど上の表で確かめてほしいのだが、スペースキーを1回叩くとボリュームが2ずつ下がるのだ。どんなバタフライエフェクトだよ。新種の蝶かよ。秩序を返せ。(コピーアンドペースト)音量が小さくてはインタビューの音声が聞き取れないので、NumLkを連打して元に戻す(なんでやねん)(コピーアンドペースト)(丸かっこは毎回コピーアンドペースト)。音量は戻るが、NumLkを押した回数が奇数だった場合、テンキーが効かなくなっている。テンキーが効かないと「2」「3」「7」「8」「9」「0」を入力できないので困る。で、ちょっと入力間違えたなと思ってカーソルを左へ移動させると音声はミュートになり、無音の世界が訪れる。ばっきゃろう。無理だろもう。難易度が高すぎる。

でも考える。キーボード全体を俯瞰して見たところ、外周に近い場所に配置されたキーばかりが不具合を起こしている。これは偶然ではないのではないか。内側で、その、電気信号のやりとり的なことをしている箇所で、接触不良のようなことが起こっていて、それでこんな2つも3つもキーを同時押ししたような現象につながっているんじゃないのか。だとすれば、することは1つ、いや2つだ。とりあえずは明日キーボードを探しに行く。原稿はポメラで書く。ドトールかどこかで腰を据えて、短いスパンでの頭出しができない旧型mp3プレイヤーで行きつ戻りつ音声をひたすら聞き返す。それしかない。そうしよう。

(でも、素人考えでキーボード側の不具合だと決めつけてるけど、これが万一パソコン側の問題だった場合、買ってきた新しいキーボード代は無駄になる…? じゃあ安物のキーボードで試す? でも安物だった場合キーボード側の問題が再発生する可能性ない…?)みたいな自問自答は依然として続いている。

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