衣食住と人の業

よきものは誰かと共有したくなる性質のにんげんなので、よきものができあがってゆく現場に居合わせるとやはり、これを広く人に知ってもらいたくなるし、そのたびに自分のTwitterアカウントがもうないことを少しだけ悔やむ。

牡丹茶房の『衣人館/食物園』両方の通し稽古を見せてもらって、これは「美しく枝葉繁る果樹の先端で熟れた絶望についての話」と「醜さを煮詰めた鍋の底に溶け残った希望についての話」の二本立てなのだな、と思うに至りました。


「美しく枝葉繁る果樹の先端で熟れた絶望についての話」衣人館

「醜さを煮詰めた鍋の底に溶け残った希望についての話」食物園


仕事として小道具を請け負っている以上、相手によって手を抜いたりするのは基本あっちゃいけないことなのだけど、とはいえ私とて良くも悪くもにんげんなので、この人たちのために、この作品のためにやるべきことをやらねばならぬ。という強い気持ちがなければ続かなくなる時もあって。自らのモチベーションを維持するために、かつモチベーションに鞭打つためにも「稽古場に通う」ことが自分にとっては必要なのです。

そして今回も例にもれず、通し稽古を見て「この人たちのために、この作品のためにやるべきことをやらねばならぬ」という気持ちを新たにすることができたので良かった。やるべきことをやります。小道具的な見せ場としては『衣人館』がメインですが『食物園』でも一仕事しているし、できることなら両方見てもらいたい(それぞれに独立した作品なので片方だけじゃ楽しめないなどということはありませんが)。

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