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同じ言葉でも受け取り方は十人十色

先日、仕事を退職したという方(仮にAさんとします)とお話をする機会がありました。
その方が話していたのが、「一生懸命取り組んでいたのに評価されなかった」ということでした。
この「一生懸命取り組んでいたのに」という部分に、企業での人事管理の難しさが潜んでいると感じることが多くあります。

Aさんは、とても真摯に、そして切なそうな表情で「一生懸命取り組んでいたのに・・・」と話してくれました。
きっと、Aさんなりに、Aさんの最大限のところでの『一生懸命』仕事に取り組んでいたのでしょう。
しかし、Aさんのいた会社がAさんに求めていた『一生懸命』には届かなかったのだと想像されます。

『一生懸命』という同じ言葉でも、発信する人によって求めるレベルが変わります。
他方、受け取る人によって実現できるレベルが違います。
例えば、入社1カ月の新卒社員のXさんと、入社20年のベテラン先輩社員Yさん。Yさんが、Xさんに対して「もっと一生懸命やって」というときに想定しているレベルは、20年という業務経験を積んだXさんの感覚で言う『一生懸命』になってしまっている、という場面を今まで多く見てきました。
このような場合の多くで、Xさんは入社1か月の新入社員として既に『一生懸命』頑張っています。
それなのに、さらに「もっと一生懸命やって」と言われる。
Xさんは、「一生懸命取り組んでいたのに・・・」とつらい気持ちになってしまいますよね。
そして、このような状況が毎日毎日続いたとしたら・・・

その人に合った『一生懸命』を求める。そして、その人なりの『一生懸命』が達成できれば、たとえ他の人のレベルに届かなかったとしてもきちんと評価してあげる。
その人なりの『一生懸命』をきちんと評価してあげることで、その人のモチベーションも上げることができます。
同じ言葉でも受け取り方は十人十色ということを、私も常に念頭に置くようにしています。

のじり

プロタゴワークス   https://www.protagoworks.com/

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