観察研究結果なのであくまで仮説ということで・・・2型糖尿病患者において認知症リスク低下させるSGLT2i
Wu CY, Iskander C, Wang C, Xiong LY, Shah BR, Edwards JD, et al. Association of Sodium–Glucose Cotransporter 2 Inhibitors With Time to Dementia: A Population-Based Cohort Study. Diabetes Care. 2023 Feb 1;46(2):297–304.
【目的】 2型糖尿病(T2D)は認知症リスクを増加させるが、そのリスクを軽減するための介入を推奨する明確なエビデンスはまだない。この人口ベースのレトロスペクティブコホート研究は、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害剤と比較して、ナトリウムグルコースコトランスポーター2(SGLT2)阻害剤の新規使用が認知症リスクの低下と関連しているかどうかを確認することを目的とした。 【研究デザインおよび方法】2016年7月1日から2021年3月31日までにSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬の新規使用者 となった66歳以上のオンタリオ州住民がコホート に参加した。認知症の発症は、アルツハイマー病および関連する認知症の検証済みアルゴリズムを用いて同定した。傾向スコアで重み付けしたCox比例ハザードモデルを用いて、認知症発症までの時間に関する調整ハザード比(aHR)およびCIを求めた。逆因果と疾患潜伏に対処するため、観察期間はコホート参加から1年のタイムラグで開始した。一次解析はintention-to-treat(意図的治療)暴露の定義に従って行われ、二次解析はas-treated(治療通り)解析が行われた。 【結果】 106,903人のうち、SGLT2阻害剤はDPP-4阻害剤と比較して、コホート開始からの平均追跡期間2.80年 において認知症のリスクが低い(14.2/1,000人年;aHR 0.80[95% CI 0.71-0.89])ことが示された。 異なるSGLT2阻害剤で層別化すると、ダパグリフロジンが最も低いリスクを示し(aHR 0.67[95% CI 0.53-0.84])、次にエンパグリフロジン(aHR 0.78[95% CI 0.69-0.89])、一方カナグリフロジンには関連が認められなかった(aHR0.96[95% CI 0.80-1.16])。 As-treated解析ではintention-to-treat解析よりも大きな関連が認められた(aHR 0.66[95%CI 0.57-0.76])。 【結論】 SGLT2阻害剤は、T2Dの高齢者における認知症リスクの低下と関連性を示した。無作為化比較試験が必要 である。Translated with DeepL