Muiser, S., Imkamp, K., Seigers, D., Halbersma, N.J., Vonk, J.M., Luijk, B.H.D., Braunstahl, G.-J., van den Berg, J.-W., Kroesen, B.-J., Kocks, J.W.H., Heijink, I.H., Reddel, H.K., Kerstjens, H.A.M., van den Berge, M., 2023. Budesonide/formoterol maintenance and reliever therapy versus fluticasone/salmeterol fixed-dose treatment in patients with COPD. Thorax thorax-2022-219620. https://doi.org/10.1136/thorax-2022-219620

【背景】 吸入ステロイド（ICS）/ホルモテロールによる維持療法と緩和療法（MART）は、喘息の増悪を効果的に抑えることができる。慢性閉塞性肺疾患（COPD）において、フルチカゾン/サルメテロールの合剤と比較し、その有効性を検討することを目的とした。
【方法】 過去2年間に増悪が1回以上あったCOPD患者を、1年間、非盲検MART療法（スピロマックス ブデソニド/ホルモテロール 160/4.5 μg 2吸入 1日2回+prn）または固定量療法（ディスカス フルチカゾン プロピオン酸/サルメロール配合剤 FSC 500/50 μg 1吸入 1日2回+サルブタモール 100 μg prn）に無作為に割り付けた。主要評価項目は、プレドニゾロンおよび/または抗生物質の経口投与により定義された中等度/重度の増悪率とした。
【結果】 合計195名の患者が無作為に割り付けられた（MART Bud/Form n=103、FSC固定用量 n=92）。増悪率はMART療法とFSC療法で有意差は認められなかった（それぞれ1.32 vs 1.32 /年、率比1.05（95％CI 0.79 to 1.39）、p=0.741）。肺機能パラメータや健康状態には差が認められなかった。ICSの総投与量は、FSC療法よりもMART療法の方が有意に少なかった（ブデソニド換算でそれぞれ928μg/日対1747μg/日、p＜0.05）。また、同様の割合の患者が有害事象を報告し（MART Bud/Form: 73% vs FSC固定用量: 68%、p=0.408）、肺炎（MART: 5% vs FSC: 1%, p=0.216）であった。
【結論】 COPDにおけるMARTの最初の試験で、ブデソニド/ホルモテロールMARTは、中等症から重症のCOPD患者において、フルチカゾン/サルメテロール固定用量療法と同様の効果を、より少ないICS1日投与量で得られる可能性があることがわかった。長期安全性については、さらなるエビデンスが必要である。

PERPLEXITY
Maintenance and Reliever Therapy (MART) with inhaled corticosteroid (ICS)/formoterol is a frequently used treatment strategy in asthma which effectively reduces asthma exacerbations at a lower cumulative ICS dose[1]. It involves using one inhaler as both a preventer and a reliever, with additional inhalations as required[2][3]. Real-world evidence suggests that MART using ICS-LABA is effective in controlling symptoms and reducing exacerbations[4].