肺機能検査困難なCOVID-19パンデミック下、COPD CAPTUREツールの感度が約50%低下

COPDパンデミック下でのアンケート・スクリーニングツールの精度の検討

Yawn, Barbara P, Barry Make, David Mannino, Camden Lopez, Susan Murray, Byron Thomashow, Randall Brown, ほか. 「Impact of the SARS-CoV-2 Pandemic on Outcomes of CAPTURE; a Primary Care COPD Screening Study」. Annals of the American Thoracic Society, 2023年10月16日, 10.1513/AnnalsATS.202305-478RL . .

この文章は、COVID-19パンデミックが医療システムと臨床試験の実施に与えた影響、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の未診断症例の同定を目的としたCAPTURE研究の成果について報告しています。

主なポイントは以下の通りです:

1. **パンデミックの影響**: COVID-19の影響で、呼吸器関連の臨床研究は、対面での参加登録や診察、スパイロメトリーなどの潜在的にエアロゾルを生成する検査に課題が生じました。

2. **CAPTURE研究の比較分析**: パンデミック前(プレ期間)と研究再開後(ポスト期間)のCAPTURE研究の主要成果を比較しました。この研究は、プライマリケアでのCOPDの未診断症例を特定することを目的としています。

3. **参加者と方法**: 45歳から80歳までのCOPD未診断の成人が、アメリカ各地のプライマリケア施設から参加しました。パンデミックに関連した変更として、COVID-19の可能性がある症状を報告した患者は対面診察に必要な登録ができなくなりました。

4. **主要成果の変化**: プレ期間とポスト期間で、CAPTUREツールの感度が約50%低下し(54.1%から28.0%)、特異度はわずかに増加しました(86.3%から92.9%)。これは、参加者の特性とCAPTUREツールへの回答の変化によるものでした。

5. **参加者の特性の変化**: ポスト期間の参加者は、白人で非喫煙者が多く、BMIが低く、教育レベルが高く、私立保険を持つ人が多かったです。また、呼吸器症状の負担が減少しました。

6. **CAPTUREツールの将来的な適用**: 研究者は、将来のCAPTUREツールの適用がプレ期間の結果(感度54%、特異度86%)に近いものになると考えています。

この研究は、呼吸器疾患のパンデミック中に呼吸器症状と増悪歴を評価するツールを使用する際の課題を浮き彫りにし、COVID-19が臨床研究の成果に与える影響を示しています。

The CaPTUre™ (COPD assessment in primary care to identify undiagnosed... | Download Scientific Diagram (researchgate.net)



CAPTUREアンケート

Q1. あなたは、汚れたり汚染された空気、煙、受動喫煙、またはほこりのある場所で生活したり働いたりしたことがありますか?

Q2. 季節、天候、または空気の質によって、あなたの呼吸は変わりますか?

Q3. 重い荷物を運ぶ、土や雪をシャベルで掘る、ジョギングする、テニスをする、泳ぐなどの活動をする際、あなたの呼吸はそれを困難にしますか?

Q4. 同年代の他の人と比べて、あなたは疲れやすいですか?

Q5. 過去12ヶ月間に、風邪、気管支炎、肺炎のために仕事、学校、または他の活動を休んだ回数は何回ですか?


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