日記20231230 目黒線ノスタルジック

 高校の元同級生5人で、カラオケに行ってきた。集合場所は高校の最寄駅で、その近くの商店街の奥にあるカラオケに行った。年末なので予約していてよかった。

 楽器も弾いてみようやと事前に話していたので、一人はギターを、私はベースを持ってきた。ちなみに私はミニアンプとシールドとヘッドホンアンプとスピーカーとコンプレッサーと……などなど大量の機材と、別の友人に叩いてもらうためのミニダラブッカ(アラブの打楽器)を持って行っていたので、今回のメンバーで一番荷物が重かった。マジで重かった。
  ベース用の機材はギターにも問題なく使えるが、ギター用の機材をベースに使うのは良くない。音が出ないわけじゃないが、機材が負荷に耐えきれず壊れるリスクがある。なので、ベース用の機材を持って行けば汎用性が高くて便利なのは間違いないが、流石に荷物が重くなり過ぎた。今後こういう機会があるなら、もうちょっと軍縮しようと思う。

 楽器を弾かない人が多少アウェイになったのは申し訳ないが、結構楽しかった。弾けない人も軽く試す程度には弾いていた。誰かが歌っている間にU-Fletを開いて、伴奏に合わせてギターやベースを入れてみるのも楽しかった。まだそこまで上手くないので曲のスピードには到底ついていけず、飛び飛びのルート弾きになってしまったが、それでも、自分の出した音が曲に合っているとわかるだけで十分だった。ダラブッカは普段使わないので実践投入したのは初めてだったけど、音色にしっかり変化がつくのが良いと思った。個人的にはカホンよりも好きかもしれない。
 バンドあるあるでよく聞く、「ギタリストはベースもある程度弾ける(何ならベース担当よりベースが上手い)」というのは本当だった。ピック弾きの不可幸力をドヤ顔で披露してくれた。悔しいっちゃ悔しいけど、本当にそんなもんなんだなと思って聴いていた。

 ギターを弾けるヤツ(友人というか同期というか、何と呼べばいいかわからん)と私の曲のレパートリーが合わないのでセッションは難しいだろうと思っていたけど、丸の内サディスティックだけはやってみることになった。あれはコード進行が有名だからだ。私が歌えるようにキーは3つ下げて、なんとなく合わせてみた。ベースはセブンスコードが弾きやすくて楽だな~とか色々思いながら。弾きながら歌い始めた瞬間から何もかもが乱れてしまって、やはりマルチタスクには限界があるんだなと思った。

 そこで面白いことがあった。ギターを持ってきた同期は、普段はかなり速いテンポで練習しているらしい。BPM200超とか。速い曲が好きなのか、それに相応しいレベルまで来ているのか知らんけど。私の推測では多分両方だと思う。なので、丸の内サディスティックのテンポはBPM100なのだけど、とにかく走ってしまって大変だった。本人曰く「普段からこうじゃない、曲を作るときとかはちゃんとテンポ守ってる」そうなので、テンションが上がってそうなったのかもしれない。
 ダラブッカを任せた同期は、打楽器をやっているわけではないけど、決まったルールやテンポには従う人なので、スマホのメトロノームにきっちり従って叩いてくれる。私も一応それに従う気はあるのだけど、ギターとも合わせなければいけないし、弾きながら歌うのが難しくて段々グチャグチャになってくる。ギターのヤツはなんか楽しくなってるらしく、どんどん走っていく。セッションとしてはなかなか酷いが、結構面白かった。

 その後「ベーシスト あるある」で調べると、「弦が高い」みたいな誰もがわかるものに加えて、「ギターが何をやっていても割と気にならない」みたいなことが書いてあって、ちょっと笑ってしまった。確かに気にならなかった。目立ってても目立ってなくても、上手くても失敗しても、アレンジしてもしなくても。自分は自分の役割があるし…みたいな感じ。

 余談だけど、「ベース」という名前が紛らわしすぎる。野球のベースの話になったり、ベースメイクの話になったり、「基盤・基礎」の意味だったり。なので、検索ワードには毎回苦戦している。自分のことをベーシストとは微塵も思っていないが、「ベーシスト」と検索しないと出てこないことがたくさんある。

 さらに後日、サークルとかで音楽をやってる大学の友人兼後輩(数学年差があるので先輩/後輩感が抜けない友人)にその話をしたらゲラゲラ笑っていた。「そんなに露骨に性格の違いが出ることがあるのか」「打楽器の人がちゃんとテンポキープしてるのがえらすぎる」「ギターが真面目でリズム隊が狂うよりは、リズム隊が真面目でギターが暴れる方が遥かにマシだ」「確かにギターは何やってても気にならない」など。うちのギターニキが若干不憫になるくらい。
 その友人はベースも弾くらしいので、色々と共感してくれることが多かったらしい。「確かにギタリストの方がベースが上手いこともあるが、ギタリストがベーシストの役割を全うすることは性格的に難しい」「あいつらベースのことも4弦ギターだと思ってやがる」など。ギタリストが聞いたら怒りそうなことも沢山言っていた。





 ギターに比べてベースは○○だ、という話はよく聞くけど、いざ自分がベースが好きだと気付くと、そういうことは割とどうでもよくなる。ギターが嫌いになったわけではない。自分との相性が分かっただけだ。
 ベースは地味だとか、地味だと思われて悔しいとか、そういう話もわかるけど気にならない。ギターが派手すぎるだけだ。世の中には過激な人もいて、ベースは聞こえないからいなくてもいいとか言っている人もいるらしいが、「自分に知識がなくて認識できないだけなのに、どうしてそんなに偉そうに…」と思って、放っておいている。
 ベースに慣れてからギターを触ると、その繊細さに驚く。細くて今にも切れそうな弦が6本も張ってあって、どこを触っても音が出る(エレキは特に)。これでスラップする人の気が知れない。1、2弦なんて指が切れそうで怖い。なんで2弦と3弦の間だけ4度間隔じゃないんだ。ピックでジャーンって弾いたらうるさいでしょう。
 ベースに戻ったときの安心感がすごい。弦が太くて、表面の丸さが指に伝わってくる。ギラギラした高音は出ないのでうるさくない。弦がずっと同じ度数で張ってあるのでスケールが弾きやすい。ハイフレットでコードを弾くとエロい。フレットの間隔が大きくて指がなかなか開かないこと以外には特に不満がない。
 ちなみに同期のギターニキは、ベースをしばらく弾いたあと、「指が痛い、特にスライドが痛すぎる」と言っていた。本当に、似ているだけで違う楽器なんだなと思った。楽器にはそれぞれの役割があって、個人には向き不向きがあるというだけだ。


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