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ブラウティア菌と血糖値上昇について・・・

昨日のコラムで、「腸内細菌の世界へようこそ!」の動画配信の経過報告をさせていただきました。この中で、ブラウティア菌が第一話の主役と申しておりましたが、このブラウティア菌について、今日は少し触れていきたいと思います。

このブラウティア菌ですが、一言で言って人間様にはとてもいい菌となります。いわゆる善玉器に属するものです。

ブラウティア菌は麴菌に含まれるグリコシルセラミドの摂取で増えます。偏性嫌気性菌で酸素があると生きていけない菌で、酸素の存在しない大腸に棲息しています。

殻をかぶって生きていくための環境が整ったら出現する、芽胞は形成しません。

酪酸や酢酸など短鎖脂肪酸を産生し、免疫力を上げる菌だと言われています。

ここまで見ると、人にとってはとてもいい菌ですね!

ただ、一方で、海外の症例ですが、ブラウティア菌の占有割合が高い人が多発性硬化症を発症していたり、日本でもインシュリン抵抗性の比率が高いグループに占有割合が多い傾向があることも、直接的な関係性は不明ですが、論文としては上がっています。

このインシュリン抵抗性については、血糖値上昇を抑えられず、糖尿病になりやすいと言うことが言えます。

私たちの腸内細菌検査結果で、ブラウティア菌が16%を超えている方がいらっしゃいますが、やはり血縁の身内の方は糖尿病を発症されている方が多いとのお話しを伺っています。また、この方も尿路結石が出た経験があり、尿管結石は糖尿病との関連性が指摘されている症状です。

ブラウティア菌が多いということは、決して悪いことではありません。むしろ麹を積極的に摂取し、ブラウティア菌に餌をやることは必要です。

しかし、現状、ブラウティア菌が多いという検査結果で、血糖値が上がりやすく、糖尿病予備軍の可能性を秘めているという見方も出来なくはないです。これは、ブラウティア菌が多いという結果ですが、もしかすると、血糖値上昇を抑えるためにブラウティア菌が結果的に増やす働きをした、という解釈もできます。

ブラウティア菌がインシュリンを分泌調整し、血糖値上昇を抑える働きをしているともとれるということです。

いずれにしても、自分自身の腸内細菌構成比をしっかり把握し、自分に、そして共存している腸内細菌にとって最適な食事をしていくことが、健康を維持する上で重要なことなのではと思います。

*画像は麹をたっぷり含んでいる、味噌と醤油です