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初海外旅行で一人で台湾に行ったら色々濃すぎた話。第4話

13、台中へ!

2月9日、早朝。

9時半頃起床。ホテルのチェックアウトは12時までなので忘れ物がないか確認する。今日は台日交流barでおすすめされた「台中」に行くことにした。台中に行くには新幹線、バス、台湾鉄道の3つから選べるのだが、今回は台湾鉄道を選んだ。台湾鉄道で行くとだいたい2時間半ほど掛かる。ネットで調べたらこの中では一番楽そうだと思ったので選んだ。身支度を済ませ、ホテルをチェックアウトして台北駅に向かう。色々あったが今思えば面白い経験が出来たので良しとする。途中でファミリーマートに寄ってサンドイッチを買って駅で食べた。台北駅に着いたら台中まで行くチケットを買わなければならない。ネットで見た機械を見つけ、指示に従ってチケットを購入する。値段は375元(1500円)。鉄道にしてはかなり安い。


チケットを買ったが満席で席を取ることが出来なかった。2時間半も立つことになるなんて、憂鬱だなと思っていたが致し方あるまい。改札口まで行き、チケットを通したが場所が分からない。駅員のおばさんが居たのでチケットを見せてI want to go to the 台中 station!と言ったらジェスチャーで向こうだと言われたので指し示された方へ向かった。改札を抜けた後もそのまままっすぐよ!と丁寧に教えてくれた。電子掲示板を見て自分の乗る鉄道番号を照らし合わせて待っていると鉄道が来たので乗車する。

この台湾鉄道の車内が面白い。席に座れなくても、みんなその辺の床に座ってのんびりしている。バッグを枕にして寝てる人もいた。日本だと考えられないが、ほのぼのした雰囲気が漂っていたので楽しかった。カートを引いておじさんがお菓子や弁当、水などを販売しにくる。台湾のMRT内では飲食物を飲んだり食べたりするのは罰金対象らしかったが、台湾鉄道は別に構わないらしい。MRTに乗る人は気をつけよう。

2時間半ほどで台中駅まで到着した。かなり大きな駅だった。駅前の広場には車椅子に乗ったお婆さんがマイクを持って歌っていたり、同じように車椅子に乗って通行人にお菓子を販売しているお爺さんがいた。若い女の子達が小銭をお婆さんの持っていた箱に入れていた。彼らなりの稼ぎ方なのだろう。

台湾に来てから、こういう人が集まる場所にはホームレスが多い。空になった器を前にしてひたすら待ち続けている。靴を買う金が無いためか足の裏を真っ黒にさせて寝ている人が多かった。東京にいた頃は、駅の近くにホームレスが居ても気にかかることなど無かったが、異国にいると何故か彼らの存在がよく目に付いた。どんな事情があってホームレスになったのか。家族はいるのだろうか。彼らは何処へ行くのか。私は彼らに何かしてやることは出来ない。いくら大金を彼らに与え、支援しても救うことには繋がらないと思う。人を哀れむ行為が正しいかは分からないが余った小銭を握りしめ、全身真っ黒になったホームレスのおじさんに渡した。谢谢と小さく言ったその掠れた声が今でも忘れられない。

観光するために荷物が邪魔なのでロッカーに向かうが全部使われていた。日本のロッカーとは違いかなりハイテクな感じ。使い方が分からなかったのでどのみち使えない。調べると荷物を無料で預かってくれる行李房という窓口が駅にあるらしいのでそこへ向かう。窓口に居たイケメンで背が高い職員に話しかける。

とも「(荷物預けるって英語でなんだっけ?)」

とも「あー…bag please!」

職員「??? 預カリデスカ?」

片言の日本語だったが普通にやり取りできた。紙を渡され、サインをして22時までの受け取りだから忘れずにこの紙を持っていてと言われた。荷物を預け、近くの観光スポットへ向かう。ここから10分もかからない「宮原眼科」だ。

14、宮原眼科

宮原眼科は日本統治時代に建てられた眼科だが、現在は改装し台湾の有名なお菓子売り場やお土産屋となっている。パイナップルケーキやヌガーなどが多い。中の雰囲気が良く店員さんの制服が可愛かった。因みにパイナップルケーキは台日barで貰って食べたが、口の中の水分が一気に吸い取られて、北斗の拳のケンシロウの初登場シーンみたいに水を求めるようになるので飲み物を用意する事をおすすめする。

13、台中で昼飯

腹が減ったので昼飯を食べることにした。ネットで見た美味しそうな飯を見て、Googleマップで確認し向かう。しばらく歩くと何やら行列が出来ている。いい匂いが離れていても香る。でかい倉庫の中にある食堂のような場所だった。列に並び、おばさんに横にあった写真を指差しながら注文。台湾語で色々言われるが、分からない。するとsoup?と言われたのでYes!と答えて待つ。値段は忘れたが70元(280円)くらいだった気がする。後ろに並んでた人に、向こうで受け取るんだよ!とジェスチャーで言われて移動し受け取る。

夫婦が座っていたテーブルに、一つ席が空いていたのでhere?とジェスチャー付きで言うと頷いてくれた。席に座ろうとした瞬間、持っていたトレーが傾きスープが溢れてしまったが無事に席に付けた。食べてみると、ご飯の上に煮込んだ豚のブロック肉が丸々一つ乗せられ、スープはあっさりした味の魚のつみれ汁だった。これがかなり美味しい上に腹に溜まるので大満足! 夢中になって食べていたら食堂のおじさんが来て私が溢したスープを雑巾で拭いてくれた。Sorry!谢谢!!と言ったら気にすんな!みたいな感じで手を振ってくれた。ここで食べた料理は彼らが作るから優しい味がするのかも知れない。

14、高美湿地へ!

ウユニ塩湖を知っているだろうか?

ボリビアにある世界最大の塩原で死ぬまでに行ってみたい場所として、よくテレビや本で取り上げられている。しかし、ボリビアまで行かずともウユニ塩湖と似た景色が台中で見られるのだ。それが「高美湿地」である。台中市外にあるので私は最寄駅の清水駅までバスで行ってからタクシーで行った。バスも出ているが、いつ来るか分からなかったので大人しく駅前に止まっていたタクシーに声を掛け乗り込む。すると、助手席にはサラリーマン風の男性がいて全然違う方向へ車が走り出した。は???と思ったが時間には余裕があったので我慢した。すぐ近くの空港でその男性を下ろしてから高美湿地へ。台湾のタクシーは日本と同じメーターで料金を払うので駅から行くより金(220元)がかかったと思う。こういうぼられ方もあるのか…と勉強になった。

着いてからは人の波に沿って高美湿地へ。すでに凄い人が列を成して向かっていた。かなり風が強い。周りに遮るものがないので、風が吹き抜ける。遠くの方には風車が見えた。風力発電をしているのだろう。何処までも続く塩原が広がり、風で水源が波打つ。水平線に日が落ちようとしてる様は美しかった。実際に奥まで進むと裸足になって水の中に入れる。浅いので大丈夫だがサンダルを持っていった方が良い。今回は風が強く、ウユニ塩湖のような景色は見れなかったがそれでも十分過ぎるほど綺麗だった。雲に隠れる日を見ながら、旅の終わりが近いことを確信した。

15、台中観光続行?

帰ろうとしたら大変なことに気づいた。完全に自分の注意不足だったのだが、今回泊まるゲストハウスが22時までのチェックインだったのだ。(ゲストハウスは24時間チェックインできると思っていた) ここからタクシーで台中駅に行ったとしてもかなりの距離があり、金もかかる。台湾鉄道は1時間に1本しか来ない。どんなに早く着いてもホテルのチェックインに間に合わないのだ。こういう時は諦めが肝心だと思い、タクシーに乗り込み、booking.comで予約をキャンセルする。(確か1000円ほどキャンセル料が取られた)。計画はちゃんと立ててから行こう…と思ったがこれが後のフラグに繋がる。

最寄駅の清水駅まで行って電車で台中駅まで帰った。台湾鉄道の最終チケットを購入し、夕飯を探して街を散策する。あたりはすっかり暗くなり、30分ほど歩いた通りに人が賑わっている夜市を見つけた。目に付いたものを買い食べてみる。でかいソーセージは何の肉かは分からないが甘いような、なんとも言えない不思議な味がした。(200元くらい) もう一つの餅のようなものは甘辛いタレに中の牛肉が包んであった。餅の部分がかなり柔らかい。でかい小籠包みたいだが味はまるで違う。食べ終わった後は、駅に向かって荷物を受け取り台湾鉄道に乗り込んだ。

16、メインイン台北へ

前に予約してたホテルは台北駅から離れていたのでどうせなら台北駅から近く、空港まで楽に行ける場所が良いなと思ってbooking.comで探す。すると直接空港行きの駅まで行けて立地も良く、値段も手頃な「メインイン台北」を見つけた。しかも24時間受付。予約して台北駅まで目指す。最終だからか席に座ることが出来た。

台北駅に着いてからは駅構内から直接メインイン台北の目の前に行ける出口を探す。誰もいない駅の構内は不気味だった。出口を見つけて、出ようとしたら自転車に乗ったおじさんが話しかけてきた。どうやら出口のシャターを閉めるから出てけ!と言っていたので慌てて出る。

すぐにメインイン台北を見つけ、階段を登ると眼鏡をかけた優しそうな男性がいたのでチェックイン。前のゲストハウスと違い、カードタイプではなく鍵でロッカーや扉を開けるものだった。受け取って一緒にフロアの説明を受けながら部屋へ向かう。ホテルを出る時は受付に鍵を渡してから出てね!と言われて男性が部屋の鍵を実際に使って見せてくれた。

17、パンイチ再来?

扉を開けると、なんとそこには眼鏡をかけたパンイチ姿のアジア人男性がスーツケースのパッキングをしていた。台湾に来てから、眼鏡をかけてる人の遭遇率が半端ないのはなんなんだと思った。あと、前のゲストハウスの悪夢がフラッシュバックした。なんで海外の連中はパンイチばかりなんだ…。警戒しながらもとりあえず挨拶してベットとロッカーの確認をしようと思い、黒いカーテンを開けたら女性が寝ていた。慌ててoh!Sorry!と言ってすぐに閉めてベットとロッカーの場所を確認。男女混合の4人のドミトリーだった。価格は確か430元(1720円)。着替えて、貴重品をロッカーに投げ込み、必要なものを持ってシャワーを浴びて洗顔をした。シャワーは室内にあるので結構音が響く。トイレとシャワールームが一体になっているので床が濡れていた。言い忘れていたが、トイレは日本と違い紙を流すことが出来ないので横に置いてあるゴミ箱に捨てよう。

部屋に入った瞬間に思ったが、部屋が暑い。ちょうどパンイチ2号がリモコンを弄っていたので話しかける。

とも「air conditioner cool down!」

パンイチ2号「???」

通じなかった。ここで英語力の無さを再確認するが粘ってエアコンを指差しながら、25、24、23、22と言ったら通じた。OK!it's try!と言って下げてくれた。良い人そうだ。

歯磨きをしたらどっと疲れが押し寄せた。明日のフライト時間を確認し、パッキングしてから眠りについた。疲れからなのかすぐに眠ることが出来た。明日はついに帰国である。長いようで短い台湾の夜が過ぎていく。

4日目終了

次回、最終話「谢谢、台湾!」


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