歯車だって多様性

すっかり音楽愛好ブログになってますが、ここは闇鍋ですよー。

PSW受験のための実習(福祉施設)、行ってまいりました。就労関係だったのですが、いろいろと勉強になりました。就労経験ほぼゼロの私だからこそ先入観なく見えるものがあるはず…。

障害を持つ人が仕事をすることについて考えました。指示されたとおりに間違いなくやるとか、能率を上げる工夫をするとか、そういうことも大事ですね、仕事だから。ただ、それと同じくらい、指示の仕方とか能率の考え方のバリエーションが、つまり仕事を振る人の見極めや技術がクリティカルに効いてくるなぁと感じました。

これまでワケあり反抗期請負人の家庭教師やら、ちょっと変わった幼児・児童の生活や教育の環境整備をガチでやってきた私は、対人支援に関しては徹底的に個別化して広範囲の情報を統合してカスタマイズしてきました。その人に必要な対応を必要なタイミングですればすっと次の段階に行ける見極めのようなものはたぶん得意です。しかしそういうコツや行動って、わかりやすい根拠をあげて言語化したり説明したりすることは結構難しいのです。だからこそ、そのスタンドを持ってる人は、直観的にわかる。

実習の中で一人一人に接する時間は全身全霊を傾けて、その人が今どんな状態にあるのかを汲み取ってきました。それなりの対応を思いついたこともありました。とりあえず私の立場でできる範囲の印象は伝えてみました。

教育と就労はどちらも社会の不条理に対して向き合うことだというような比喩がなされることがあります。でもそれって、システムや管理者が不条理な場合に限るんですよね。ある程度合理的なシステムの中で、感性と知識と経験を持ってそこそこハッピーな人が管理者だったら、学ぶ喜びや働く喜び、ひいては生きていくためのエネルギーが得られる、人間として最も根源的かつクリエイティブな場になりうるんです。っていうか、なるべきではないかと。もう一度言うよ、システムや管理者次第でクリエイティブになりうるのです。

社会の歯車になるという表現がありますが、接する歯車の歯の数は互いに素でないと、最小公倍数の時に当たる歯が先に劣化してしまうそうです。確かに社会は歯車でできているかもしれないし、与えられた仕事を淡々とやることは大切かもしれない。けれど、多様な素材の組み合わせを工夫することによって、システム全体としても各パートの中でも、合理的な方法でうまくやっていくことができる。それを、歯車だよねーと見るか、多様な組み合わせの妙ですごいよねーと見るか。どちらが正解というわけではないのです。誰から見ても基本となる要素をしっかり押さえたいよねーって場合と、うわーそれ新しくてすごいねーってテンション上げる場合と。

オリジナルでレアなアイテムを適所でうまく利用することによって、他にはないおもしろいシステムができて、それいいよねってどんどん拡がっていったら愉快だよなって、そんなことを考えました。多様性って案外合理的なんじゃないかな。

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