めまい、何科に行けば良いですか?②

めまいには、さまざま感覚(クラクラ、グルグル、フワフワ)があることは①でお伝えしました。それほど強く、長く持続するものでなければ、「疲れているのかな?」「貧血気味かな?」「気圧のせいかな?」くらいで、すませることもありますね。(それで良いのです)でも、ちょっと気になって調べてしまうと、「脳神経領域の怖い病気が隠れていることもある」などと出てきます。脳腫瘍や脳梗塞などの症状としてめまいが現れることはあるでしょう。しかし、ほかのサイン(激しい頭痛、脱力すなわちマヒ、吐き気、意識障害など)を伴わず、めまいだけが、もしくはめまいや耳鳴りや頭重感くらいが続くという場合は、疑う必要はないと思います。
年齢が中高年以降であれば、一度は脳神経科で診てもらっても良いかもしれません。画像診断も一度までは良いでしょう。(将来、脳血管障害を起こしたときに、比較できる画像があると良いからです)。でも専門医なら、画像診断をしなくとも、症状だけで脳神経領域かどうかわかると思います。日本人は、検査の頻度がとても多いと言われています。国民皆保険だからかも知れません。あるいは医療信奉が強いからかも。とりわけ、身体侵襲性(身体にとって負担がかかること)のある検査を、短い期間に何度も繰り返すことが多いと言えます。脳の画像診断などというものは、繰り返し受けるものではないです。ところが、脳神経科で「めまいが治らない」というと、やれ、総合病院、大学病院と回されて、あっちでもこっちでも検査(耳鼻科的な問題がないとされた場合です)。どんどん心身のストレス(不安と焦り、身体の負担)は増えるばかりです。
まず、あなたが高い年齢でなければ、めまいだけが長く続く脳の病気はないと考えましょう。脳神経領域は問題ないと分かったら、早めに病院を離れましょう。
耳鼻科の次に行く科は、脳神経科ではありません。頻度から考えても、それはあり得ません。少なくとも私はめまいが主症状で受診したひとが、脳に問題があったというケースを30数年の経験の中で一度も聞いたことがありません。③に続きます。

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