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「離脱」を知るとカウンセリングが変わる

今日の備忘録。

私は、「文字」を使ったリアルタイムカウンセリング(SNSカウンセリングやチャットカウンセリング。以下「SNSカウンセリング」とします)をメインに行っています。

このSNSカウンセリングの大きな特徴として、いわゆる「逐語録(ログ)」が(その性質上)自動的に出来上がるというメリットがあります。

対面カウンセリングや通話カウンセリングでは、いちいち後から文字起こししなければならない「逐語録」が、自動的に出来上がる。これは、私のカウンセリングスキル向上に非常に役立つことになりました。

特に、SNSカウンセリングを「匿名かつ無料」で行っていると、クライエントの「離脱」(退室・ブロック等)が頻繁に起こります。

この「離脱」がなぜ生じたのか、なぜクライエントは「退室」したのか…

例えば、その直前の応答が悪かったのかもしれませんし、カウンセラーに対して静かに溜まっていたストレスが限界を突破したのかもしれません。もちろん、クライエント側に急なトラブルが生じた可能性もあります。

このように「離脱」に至るには、様々な理由があるはずです。

その理由を推測するために、一からログを見直し、クライエントがいなくなった「原因」を考えることで、より「クライエントに寄り添った」応答ができるようになったように思います。

ほとんどの対面カウンセリングでは、クライエントの離脱は起こりえません。せいぜい、クライエントが黙ったり、不機嫌になる程度です。

クライエントに拒否されない。

この無意識的な「甘え」の元で、カウンセリングをいくら行っても、根本的なスキルの向上にはつながりにくいのです。

対面カウンセリングを得意とするカウンセラーが、必ずしもSNSカウンセリングを得意としないのは、この「クライエントに拒否されない」という甘えがあるからかもしれません。

「あなたのお名前を教えてくれますか」

こんなメッセージを送って答えてくれると「思い込んでいる」のです。

「名前」という個人情報を提供することへの「不安」や「抵抗」について、何も考えていない。それは対面カウンセリングなら何の問題もなく教えて貰えたからではないでしょうか。

離脱が当たり前の「無料」「匿名」カウンセリングでは、そういった甘えは通用しません。

「大変恐縮なのですが、今お話し頂いた内容ですと、お名前などの個人情報を頂戴する必要が出てまいります。お答えしづらいのは重々承知しているのですが、もしよろしければお伝え頂ける範囲で大丈夫ですので、お名前から教えて頂けると嬉しいのですが…」(もちろん言葉遣いは、相手の年齢や属性によっても変える必要があります)

「名前」が必要になる「理由」を明かし、クライエントが答えにくいであろう「心情」に配慮する。あえて言えば、「へりくだる」。

それで良いのです。目的は、クライエントの悩みの解消であり、クライエントの幸せですよね。

その目的を達成できるのであれば、言葉遣いを変えることに何もちゅうちょする必要はありません。

そこまでしないといけないの?

そう思う方は、クライエントよりも自分に目が向いているんです。

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