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対面カウンセラーの知らないクライエントの「本心」

無料匿名の電話相談やSNSカウンセリングをしたことのある支援者(以下カウンセラー)しか、知りえないクライエントの「本心」について。

私は、これまで4,000件を超える、無料かつ匿名の電話相談やSNSカウンセリングを担当してきました。

この4,000という数字は、「件」という単位に表れているように、「人数」ではありません。

いわゆる「延べ人数」ですね。

なぜ、わざわざ「そんなこと」に言及するのか…

それは「クライエントの優しさ」「気遣い」が、この相談「件」数、つまり「延べ人数」に含まれているからです。

あなたがカウンセラーで、もしクライエントがこう言ったらどうでしょうか。

「今日は話を聴いて貰って、気持ちがスッキリしました。ありがとうございます!」

また、アンケートにこう書かれていたらどうでしょう。

「今日のカウンセリングで、これまで悩んでいたことが解消された」

どちらも嬉しいですよね。

電話相談やSNSカウンセリングでも同じです。

「今日は話を聴いて貰えて気持ちがラクになりました」
「今日言われたことをやってみたいと思います。ちょっとでも前向きになれてよかったです」

こんな風にクライエントが喜んでくれたら、とても嬉しく感じるし、やっていてよかったなと思う瞬間です。

しかし、無料匿名相談の怖いところは、まさに「ここから」です。

電話を切った後、SNSを離脱した後…

僅か数分後、時には数十秒後に、「同一人物が全く同じ相談内容で相談に来る」のです。(これは電話番号やオンライン設定(性別、居住地、年齢、HN等)で分かります。というか「相談内容が全く同じ」ですからね…)

電話をしてきた、SNSに再接続したクライエントは、「同じ相談員(カウンセラー)が再度担当したこと」に気づいておらず、同じ相談をし始める

これは、対面カウンセリングでは当然あり得ません。

しかし、このようなことが無料匿名相談(特にSNSカウンセリング)では、頻繁に起こります。

なぜ、クライエントは「全く同じ相談を『別の相談員だと思って』話し始める」のでしょうか。

答えは一つしかありません。

「本当は、直前のカウンセリングに満足していなかった」

これだけです。

そう、先ほどの「今日は話を聴いて貰えて気持ちがラクになりました」
「今日言われたことをやってみたいと思います。ちょっとでも前向きになれてよかったです」といった謝意は、ありていに言えば「クライエントの気遣い」でしかなかった
のです。

私がこの現実を知ったときに感じたこと。それは

「今までのリアル対面カウンセリング(相談)でも、本当はクライエントは満足していなかったのでは…」

どれだけ有名な先生でも、こう考えるのではないでしょうか。

「対面カウンセリング」で、正直に「あなたのカウンセリングは全然私の役に立ちませんでした」と伝えてくれる人は、まずいないからです。(日本人が「サービスに対して不満を表立って伝えない」ことは有名ですよね)

特に有料の場合、「お金を掛けたのだから、役に立ったと思いたい」=「購買後の正当化」のバイアスが働きます。

私が、「匿名カウンセリング」を好むのは、それだけ「クライエントの本心」が現れやすいということもあります。

以前にもお伝えしましたが、「対面カウンセリング」はクライエントに対して、非常に大きなストレスを掛けており、それは「サービス(カウンセリング)に満足していないことすら、表明できない」ほどなのです。

あなたがもし、カウンセラーとして「対面カウンセリング」の経験しかないのなら、ぜひ「無料・匿名」カウンセリングも経験されることをおススメします。


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