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自己批判の役割(マインドフルネス・セルフコンパッション研修2日目②)

マインドフルネス・セルフコンパッション研修2日目の後半編。

セルフコンパッションとは、「優しさ」「気づき」「共通の人間性」によって構成されている、自分に対して思いやりの気持ちを向けることです。 ( http://mindfultherapy.jp/2019/11/02/mscws/  より)

●「何も感じなくて不快」

セルフコンパッションの練習をすると、主に3つの反応が出てくるそうです。

心地よさ  何も感じない  不快感

私はこの中の「何も感じない」でした。温かい気持ちになることを期待していた私にとっては、「がっかり」というのが正直なところでした。そして、徐々に「不快感」が出てきました。

「なんで何にも感じられないんだろう」「自分は温かい人間じゃないんじゃないか」という自己批判も始まりました。その時に、常に「いい子」でいよう、周りの期待に応えようとしてきた過去の記憶がよみがえりました。

これは「バックドラフト」という現象だそうです。

セルフコンパッションをすると、最初のほうは、それとは逆のことが出てくることが多いのだそうです。それをバックドラフト、と呼んでいます。その時出てくる感情は孤独感、無価値観、できない感覚、恐怖感、羞恥心、過去の記憶に伴った痛み、等です。それは怖がらなくていいもので、この練習をし始めるとほとんどの人が経験することだそうです。そうラベリングされて、とてもとても安心しました。

<その感情を探ってください>と先生。<そして、その感情を持っている自分と優しく共にいてください>と。体の痛む部分や安心できる部分を優しくなでるように言われ、<それでもだめなら、やめて、いつも自分が気晴らしにしていることをしてみて>という教示がありました。

その時、「ああ、そうか、不快ならやめてもいいんだ」と妙に納得しました。今、自分に何が必要かを考えてあげることが、まさに、セルフコンパッションだな、と

●自己批判さんの言い分を聞く

最後のほうに、「いつも自分がしてしまっているクセ」を挙げ、その時の自分に言うことを書き出す、ということをしました。

私が書いたのは…

「いつも正解しようとする。何が相手にとっての正解か、世間にとっての正解かを考えて、それに沿おうとしてしまう。」

その時の自分に対して言うことは…

「いつものめんどくさい癖がでた。優等生ぶってる。嘘っぽい。なんでもっと自然にできないの?」

凄まじい勢いで、自己批判が出てきました。

それを知ってか知らずか、先生からこんなことを聞かれました。

<自己批判にも何か役割があると思うんだけど、どういう役割だと思う?>

私は自己批判をする自分のことも好きではありません。自己批判をする自分を批判していたんだな、とここでハッと気づき、「役割」について考えてみました。それは、なんだか、自分の中の「自己批判さん」との対話のようでした。

「なんで自己批判するのかな?どういう思いがあるの?」

「そうしたほうが、もっと楽に生きられるようになるだろう、という思いで…自分を鼓舞したい気持ちで。」

鼓舞したいのか。そうなんだ。そう思ったら、自己批判をする自分はやり方は下手だけど自分の味方なんだな、という思いが出てきて、少しだけ温かい気持ちになりました。2日目、最後のほうにして、初めて、気持ちが穏やかに動いた瞬間でした。

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この2日間で、私は大きく変わったとは言えないと思います。それでも、いろいろな気づきがあり、いろいろな気持ちがあり、それらを「なくしてしまいたいもの」ではなく、自分の一部として「優しく共にいる」ことが体感できたのは新鮮でした。

知識として知っていることと、実際体験して感じることは、全く別物だなぁ。終わった後の言語化できない複雑な感情は何ものにも代えがたかったです。

ご興味がある方へ~後半のプログラムメモ~
「呼吸の瞑想」→「立つ瞑想」→「歩く瞑想」→「慈悲の瞑想」→「立つ瞑想+コンパッション(思いやり)」→「自分のいつもしてしまっている癖に気づく」→「その癖に対してコンパッション(思いやり)をあげる」→「小さな『これがあって良かった』と思うことを挙げる」→「自分のいいところを挙げる」でした。


#マインドフルネス #セルフコンパッション #セルフケア #心理学 #カウンセリング #自己批判 #生きづらさ



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