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現役理学療法士が教える、エントリーする病院の選び方、条件の選び方 (就活)

※ 「理学療法士は自己犠牲が大事なんだ!」「金や時間が惜しいならやめちまえ!」と大きな声で語られる様な方には合わない記事かと思います。

※ この記事は特に「理学療法士の一般的な労働条件」が分かりにくい新卒の方向けですが、若手の方が読んで頂いても勉強になると思います。

 

はじめに

 

自己紹介と経緯

※この章は読み飛ばしても問題ありません。

 私は6年目の理学療法士です。

 初めての就職で失敗しました。

 

最初の病院

 初めての病院はケアミックス型の病院で、リハ職は7人程度と小規模でした。アスペの先輩からキツイ指導を受けながら、すくすくと育ちました。

 労働条件は休日の日数が少なく、労働基準法を違反していました。また、教育面の手薄、低い給与(月22万)また管理面で紙カルテ、外来が予約制でない、などの不満がありました。

 その職場のリハビリ科ではPTは毎日18単位(6時間の治療)前後、OTは2~6単位程度だが給与は変わらないという謎の現象が起きていました。OTは手の骨折だけを診るという方針だったみたいです。

 この方針で経営が上手く行くはずもなく、管理職の怠慢、ずさんな経営などが原因で私が3年目の時に潰れました。

 

潰れた病院が買収された

 正式には某グループ(仮に”FG”とします)に買収されました。FGは地元ではブラックと名高く、雇用主が変わった私はFGの新卒の給与にされました。(それでも前の年収自体は上がった)

 FGから人員が何名か来ましたが、彼らは残業代を申請したことがないと言っていて、私たちがいつもの様に残業申請をすると不満そうにしていました。

 しばらくして、退職しました。

 

次の職場

 次の職場は回復期〜療養。研究の手伝いを行いました。この職場では、自らサービス残業を進んで行う人たちが多く、1日の単位数も21単位(7時間)と業務量が多めでした。

 病院で進めている研究は残業代を出してもらえませんでしたが、参加任意の勉強会があったり、尊敬できる先輩がたくさん居たため、自分のスキルや知識を高めていくことが出来ました。

 この1年で学んだ知識・スキルは、最初の病院での3年間より濃厚なものでした。

 

現在

 今の職場では、病院は頭が狂うほど忙しすぎるので、フィールドを在宅に移しました。ゆったりと週4〜5勤務で働いています。

 

 選ぶ病院を間違えると数年を平気で無駄にしてしまうことになります。

 

 また、ブラック企業を選ぶセラピストが減ることで、セラピストの待遇の悪化を防いでいくという社会的な意図があり、今回の記事を書くきっかけになりました。

 

 

エントリーする病院の選び方、条件

〜求人募集欄で確認するところ〜

急性器・回復期・療養・ケアミックス

 先に病院の種類をまとめさせていただきます。

 急性器

 リスク管理などについて学べます。担当する患者さんが多く、様々な症例の経験が積めます。患者様はどんどん転院するので、書類の量も多いです。業務量も多いです。基本患者様は20分で診るので、必要最低限のリハをします。スピード勝負です。1日患者を20人診たりするので結構疲れます。

 

 回復期

 回復期は、患者さんが良くなっていくところが見れます。書類の量もそれほど多くないです。1日の患者数は5〜9人程度です。

 

 療養

 基本的には、がっつりしたリハはしません。リスク管理をしながら、拘縮予防のROMだけの日や、座る練習、立つ練習、車椅子に乗ったりします。患者様に大きな変化はないので、やりがい!という感じではないです。たまにコミュニケーションが取れる患者様もいます。

 

 ケアミックス

 トータルで見ることができます。今の時代では少なくなってきた種類の病院です。一通りの流れを見ることが出来ますが、時代遅れ感もあり、古い病院が多い印象です。一通りの流れが見たければ、急性器・回復期の分院がある病院に勤めて、経験が積めたら異動願いを出すのもありかと思います。

 

給与面

 都道府県によって違いはあります。

 東京では初任給で月18万〜30万程度、年収320〜400万程度と幅があります。

 基本的には給与が高かろうが安かろうが、病院であればどの職場でも業務量はキツイです。どうせなら給与が高い職場を選んだ方がいいでしょう。

 基本的には年収400万以上の職場を頑張って探しましょう。

 ボーナスというものは「基本給 x 実績月」で出ます。多くの職場では「月給=基本給+手当」で給与が決まっていることが多いので注意しましょう。

 

休日数

 休日は115日以上を選びましょう。通常の土日祝休日の職場であれば年間120日は休日があるはずです。110日以下で就業時間が8時間であれば、労働基準法に違反している可能性があります。(私の職場は月7.5休、1日8時間勤務で労働基準法に違反していました。)

 プライベートの時間が欲しい方は120日/年の病院を選びましょう。

 

〜見学で聞く・見るところ〜

内装の綺麗さ

  掃除が行き届いていない病院、内装が汚い病院は出来れば避けましょう。自分の病院を客観視できない病院はサービスや自分の職員に関心は持てないと思います。また、古い病院であれば、独自のルールがあったり、システムの効率化・IT化が進んでいない可能性があります。

 

IT化の普及

 今の時代紙カルテは論外。電子カルテを勧めます。電子カルテは台数が少なく、先輩からカルテを書いて、後輩が待たされるケースがある様です。リハ室以外(ナースステーションなど)にも電カルがあれば、借りることが可能です。病院全体の電カルの量を確認しましょう。

 出来ればipadなどのタブレットも普及している職場が良いでしょう。患者様の撮影もできますし、患者様に筋トレをしてもらっている間に、カルテを書いたり、患者様に渡す自主トレ表を作ることも可能です。こう言ったことが、業務の効率化に繋がります。

 出来るだけ、IT化が進んでいる職場を選びましょう。

 

リハビリ機器の普及

 エルゴメーターや筋トレマシンなどがあれば、トレーニングしてもらっている間にリハ室に電カルがあれば、カルテを描けます。また、これらのマシンは前回の治療の設定を参考にすれば常に適切な負荷量を選択できるので患者様にも有用です。

 IVESなどの電気刺激装置も出来ればあった方が勉強になります。

 低周波治療器・干渉波・ホットパックなどの痛みを軽減させる治療器は整形外科以外ではあまり必要ではないかもしれません。

 

リハの先輩の年齢層

 10年目以上の相談できる先輩が数人居た方が、良いと思います。一人だけだと幅が狭まります。

 

同期の人数

 毎年、新入職員がいるか確認します。

 自分と同時に入る職員が数名いた方が良いでしょう。相談も出来ますし、同期というのは退職後の横のつながりにもなります。また、地域のリハビリ職交流会などに参加する場合、大抵の若手は内輪だけで会話しています。自分が一人で参加していると、仲間に入れてくれません。同期がいると心強いと思います。

 一方で同期がいると、横のつながりがめんどくさいという意見もあります。また、毎年の新人が多ければ、それだけ退職者がいるか、事業拡大中ということです。

 自分の性格と状況を考慮し検討しましょう。

 

離職率

 某有名整形外科病院ではリハ職が毎年40人やめています。離職率の確認は必須でしょう。ここで渋る病院であれば、切ってしまって大丈夫でしょう。

 

研究を病院で行なっているか

 研究は基本的にお金が発生しません。これは趣味という範疇になりますが、病院で行なっている場合、半強制的に参加させられることがあります。

 国や研究機関から研究費が出ている様なしっかりとした研究であれば、それはまともな研究と言えるかもしれませんが、基本的に思いつきで始めて、適当な精度で取得したデータの研究は意味がありません。

 研究を行いたい方は、研究費が出ている病院で働くか、大学院などで研究室に所属するのが良いでしょう。

 研究に興味がなければ、研究を行なっている病院は避けた方が良いでしょう。

 

一日の提供単位数(3単位=1時間)

 1日の提供単位数(何人患者を診るか)を確認しましょう。多くの病院では18〜20単位が目標となっていると思います。22〜24とか言っている病院は地雷と考えて良いと思います。

 通常の業務をしていれば、20単位/日では発生します。しかし、基本的に医療職は残業代の支給に対して否定的です。嫌な現実ですが、サービス残業をしたくなければ単位数は18単位目標を掲げているところが良いでしょう。

 最も、20単位/日であっても徹底的に仕事を効率化(サービス削減も含む)すれば、定時で帰ることが可能です。

 

残業代がちゃんと出るか

 私が今まで勤めた病院では残業代が100%出ないということはありませんでした。(一部業務は認められないことはありますが)

 しかし、FGなどでは残業を承認すると本社から上司が叩かれるということ風潮があり、上司は残業を承認してくれない。いつしか職員の方から残業を申請しない様になるという話。

 また、某医療グループの職員から、「社長が「労基から退勤時間について指摘を受けたのでタイムカードをなくします!」と朝礼で発表し、”残業”は一切なくなった」という話を聞きました。 

 あえて残業代が支払われるか確認するかは個々の判断にお任せします。

 

以上、がっつりと就職先の病院の選び方について、書かせて頂きました。

大学4年の頃の、自分に向けたメッセージが、誰かに響くといいと思います。

 また、他にもご意見があれば教えてくださいませ。

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