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上行性運動連鎖について

さて、皆さん

運動連鎖

という言葉を聞いたことがありますか?

医療系のセラピストであれば日常的に臨床で活用しているのではないでしょうか?

この考えが理解できると日常生活でどこの部分にメカニカルストレスがかかっているのかということが分かってきます。

そもそも運動連鎖とは、機械工学で用いられていた用語です。

これが人体にも応用された考えになったものです。

ある関節で運動が生じると、その運動の影響が隣接関節に波及することを運動連鎖(Kinetic chain)として人体に適応されてきました。

では、

上行性運動連鎖

とは・・・

足関節(距骨下関節・後足部)の回内外によって、上行性に膝関節・股関節・骨盤帯・胸郭・肩甲帯・頚部へと運動の影響が波及すること

を意味しています。

勿論、下行性運動連鎖もありますが今回は割愛します。。

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下の写真はよくある女性の姿勢だと思います。

左右の下肢で起こっている運動連鎖は違いますが、ここでは足部からの上行性運動連鎖がどのように起こっているのかを確認していきます。



左下肢をみてください。足部からみていくと、

距骨下関節 回内

下腿    内旋 内側傾斜

膝関節   屈曲 外反

股関節   屈曲 内転 内旋

骨盤 前方回旋

というようになっています。

下の写真は反対の運動連鎖が起こっています。

右下肢をみてください。足部からみていくと、

距骨下関節 回外
下腿    外旋 外側傾斜
膝関節   伸展 内反
股関節   伸展 外転 外旋
骨盤 後方回旋

となっています。

つまり、足部が不安定であれば、土台から崩れてしまい、上の写真のような

いわゆる

X脚

O脚

のようなアライメントとなってしまいます。

このような状態が続いてしまい、歳をとって筋力が低下してくると

変形性膝関節症や変形性股関節症、腰部脊柱管狭窄症、肩関節周囲炎など全身的な不調をきたしてしまう危険性が高まります。

予防を兼ねてまずできることは、

自分の足にフィットした靴を履く

ということが大切になってきます。

さらに足部の機能を補助してくれるような靴を選択できると疾患の予防が可能となります。

膝や腰が痛い方は

まず足元から見直してみてはいかがでしょうか?

次回は靴の構造と靴の機能に関してまとめてみたいと思います。



毎度ありがとうございます。少しでも役立つ情報を提供できるよう心がけていきたいと思います。