スクリーンショット_2019-07-09_8

退院した後が不安?在宅で使える医療・介護サービス12種まとめ

病気などで入院したとしても、早めの退院を促されることが多くなりました。
「退院させられても大変...治るまでしっかり入院していたい」
といった意見を良く聞くのですが、そもそも日本では、海外と比べて入院期間がかなり長い。言い換えれば、今までがかなり手厚い医療だったということ。
ですがご存知の通り医療費高騰です。医療費削減のため、国が早期退院を促すのはある意味当然といった状態になってしまいました。

今の高齢化社会だと、入院期間の短縮は必然の流れです。

早期退院をした後の、家で使える介護サービスのことを知っておくと、いざという時に安心です。
なので今回は退院後の使えるサービスについてまとめてみました。

1,訪問介護

介護士さんが訪問してくれるサービスです。

・入浴の介助
・オムツなど整容介助
・着替えのお手伝い
・買い物の代行
・部屋の掃除

などなど、その人にとって必要なことを介助してもらうことが出来ます。致し方ないことなのですが...介護士さんの質は他の在宅サービスの中で一番差が出ます。
良い介護士さんが来てくれたら万々歳ですが、少し変わっている方もたくさんいるので、頭の中に入れておいてください。ストレスを溜めないように出来れば良いなと思います。

この訪問介護...以前はどれだけ使っても良かったのですが、2018年に制限がかかりました。厚生労働省は、訪問介護の掃除や調理を行う「生活援助」について、一ヶ月に利用できる上限回数を告示。介護保険費用の使いすぎを防ぐのが目的です。
1か月の利用上限は要介護度で異なり、要介護1は27回、同2は34回、同3は43回、同4は38回、同5は31回。上限を大きく上回る場合、ケアマネジャーは市区町村へ届け出る必要があります。それによって市区町村は、必要以上に利用されていないかなどを検証し、不適切と判断すればケアプランの変更を求める形になります。

厚労省によると、約49万人が生活援助を利用。1人当たり平均で月約11回使っているが、月31回以上の人も約2万5000人います。月の利用が100回以上のケースもあり、介護費用の無駄遣いが指摘されていました。

かかる費用は90分の利用,自己負担1割の方で600円以下です。(地域と利用時間、自己負担割合などで変わります。また入浴介助に関しては約1300円/1回かかります)

スタンダードな使い方は特になく、必要に応じてサービスを使い分ければと思います。例えば「週に2回だけ入浴介助に来て欲しい」や「自分では全然動けないので毎日朝と夕方2回ずつヘルパーさんに来て欲しい」「買い物がしんどいので、週に1回か2回買い物をお願いしたい」などなど、希望に合わせて柔軟に対応していただけます。

2,訪問診療(医師)

医師が家に訪問してくれるサービスです。「身体の状態が悪いけど、種々の理由で入院出来ない方」や、「重度な病気などで余生を家で過ごしたい方」「在宅酸素やカテーテルなどの医療管理が必要な方」などの方がよく使っています。
また、やや珍しいですが、整形疾患専門の訪問医とかもいます。膝が痛いけど病院へ行くのが大変な方とかで重宝されています。

医師の訪問診療にかかる費用は、だいたい月に2回の利用,1割負担の方で7500円前後。月に4回のケースで9000円ぐらいになります。(医師の訪問に関しては少し計算方法が複雑です。ちなみに介護保険ではなくて医療保険になります。)

状態に応じて月に1~4回利用されている方が多いです。細かく治療が必要なケースでは多め、状態観察に近い状態なら月に1回といった印象です。

3,訪問看護

言葉通りです。家に看護師さんが来てくれて看護をしてくれるもの。傷の処置や、状態観察、場合によってはお風呂介助などもしてくれます。
24時間訪問可能な事業者なら、「夜間に急に具合が悪くなった」場合などでも看護師さんが来てくれるので安心ですよ。

かかる費用は一回一時間で自己負担1割の方で800円前後。(地域と利用時間、自己負担割合などで変わります。また、月に数百円追加で費用がかかるケースが多いです。)

スタンダードな使い方は特になく、ケースバイケースです。軽症例で様子見程度なら週に一回で大丈夫。重症で寝たきり状態&処置が必要ならほぼ毎日訪問看護が必要なことも。

4,訪問リハビリ

訪問リハビリを簡単に言うと
「家に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリスタッフが来て、マンツーマンでリハビリをしてくれる」
というもの。

かかる費用は一回一時間で自己負担1割の方で900円前後。
(地域と利用時間、自己負担割合などで変わります。また少し追加で数百円費用がかかるケースが多いです。)

スタンダードな使い方は、一回60分、週に二回の利用。なので月に8000円〜9000円を見積もっておけばある程度大丈夫ですね。

5,訪問マッサージ

在宅では、家にマッサージ師さんが来てくれるサービスもあります。医療保険を使うので、介護保険とは別のサービスになります(介護保険とは制度が違うので、いくつか制約があったりしますが、とりあえず制度のことはそんなに意識しなくて大丈夫です。)

かかる費用は一回あたり400円〜600円程度(自己負担割合などで変わります)スタンダードな使い方は、週に1回〜2回の利用ですね。

6,デイサービス

家で生活を送るのが大変だけど、施設に入るほどではない方に必要なのかデイサービス。朝から夕方まで、もしくは半日だけの施設みたいなイメージを持つ方が多いですね。
ただ、

・軽負荷の運動が出来るフィットネスジムのようなところ、
・料理をしながら過ごせるところ
・ただ静かに過ごすところ

などなど、いろんな種類があるのが特徴です。

目的も

・自宅で一人でいるのが身体能力を考えると不安だから
・家に閉じこもりがちで、外部との接点がなくなってきたから
・運動をするため
・入浴のため
・他人と話をするため

などなど、多岐に渡ります。ただ現時点では、趣味になるようなことが出来るデイサービスはまだまだ少なく、療養型と半日の運動型がほとんど。一度自分の地域のデイサービスについて調べてみると良いかもしれませんね。

かかる費用は介護度によって変わっていて、
要支援1で月2000円程度
要支援2で月4000円程度
要介護では計算方法が変わって、一回800円〜1300円程度となります。(1割負担、一日7~9時間のデイサービス。食事代金などは別途必要)

週に1回〜2回使用されるのが多い印象です。

7,デイケア

これは…現状あまり選択肢に入れる必要がありません。普通のデイサービスに加えて、個別のリハビリをしてくれるのがデイケアなんですが、残念ながらちゃんとしたリハビリが行えるところはほとんどありません(あったらごめんなさい)。
医師が常駐で必要というルールがあるため、全国的に数は少なく…病院がテキトーに運営しているところが多い印象があります。なんともいえないデイケア…が多いので、選択肢には入れなくていいと思っています。
(そんなことはない!といった意見があれば、記事内容書き換えますのでご連絡いただければ幸いです。)

8,ショートステイ

子供さんが、家で生活されているご高齢の両親の面倒をみているケースは結構あると思います。でも、その子供さんが数日家を留守にするケースってありますよね。また、介護する側が体調不良で介護できなくなるケースもあります。そんな時にはこのショートステイというサービスを使って介護が必要な人を施設に短期入院させることが出来ます。

介護疲れなどの言葉がよく聞かれるようになりましたが、この介護疲れを避けるために使う方もいます。このサービスは「要支援」ではなく、「要介護」の方向けとなっています。

かかる費用は、1割負担の方で食事代金合わせて1日3500~4000円前後です。(地域や自己負担割合、施設ごとの食事代金の設定によって変わります)

ご家族さんが旅行などで家を留守にするケースではその旅行日数に合わせて、介護疲れなどの傾向があれば、リフレッシュ期間としてその人にあった日数を利用されます。ただ連続利用日数は最長30日までとなっており、31日目からの利用料は全額自己負担となります。

9,介護タクシー

普段車椅子の人が病院へ行くのは結構大変ですよね。普通にタクシーに乗ることだけでも大変だし、車椅子をどこに乗せたらいいかわからない。そんな時は介護タクシーが使えます。車椅子ごと車に乗せれるので、通院もスムーズになりますよ。ちなみに寝たきりの方などの場合は、必要に応じてベッド上での着替え、おむつの交換などをお願いすることも可能です。

それと、通院以外での利用も可能ですが、利用の目的がしっかり定められているため注意が必要です(区役所での手続きや選挙、生活必需品の買い物など)

かかる費用は普通のタクシー代金に加えて介護関連費用が足される感じです。費用感としては通常のタクシー代金の1割か2割増しぐらいに捉えて大丈夫だと思います(自己負担1割のケース。たくさん介助が必要で、器具のレンタルも必要であればもっと費用がかかってきます。ストレッチャーを借りるようなケースで多くて6000~7000円ぐらいの負担増)

どんな時に使われるかというと、
・通院(リハビリや透析、整骨院も含む、鍼灸は含まない)
・市町村役場等の手続き
・金融機関の手続き、引き落としなど
・選挙投票
・今後利用予定の通所介護や介護保険施設への見学

などですね。

10,住宅改修

住宅改修では、手すりの設置や家の段差の解消などが行えます。もう少し細かくいくと、

・手すりの取付け
・段差の解消
・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更(*)
・引き戸等への扉の取替え
・洋式便器等への便器の取替え
・その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

といった形です。

費用は行う改修によって様々ですが、手すり一つ設置すれば自己負担1000円ぐらいのイメージです。(1割負担の方)ただ、補助の上限が決まっていて、20万円まで。それ以上は補助がおりないので気をつけましょう。

11,介護用品レンタル

結構いろんな介護用品がレンタル可能です。
・車椅子
・リクライニングや電動の車椅子
・歩行器
・介護ベッド
・マットレス
・設置型の手すり
・スロープ

などなど。かかる費用は、スタンダードな車椅子で月400円ぐらい。介護ベッドで月に1000円くらいです。(1割負担の方)
他のはダスキンさん(適当に出しました)で色々見てもらえたらイメージが掴めると思います。
https://healthrent.duskin.jp/products/index.html?link=phead

12,居宅介護支援

ケアマネさんがいるところが、居宅介護支援事業所です。
今上にあげたサービスで、どれを使うのか考えるのって結構大変だし、わからない。
そのあたりをまとめて対応してくれるのが、この居宅介護支援事業者にいるケアマネージャーという人。
いわゆる介護のコーディネーターです。

在宅系で何かサービスを使いたいなら、まずはここに連絡を取るようにしましょう。こちらは国の補助で成り立っているので、費用はかかりません。無料で相談できるので、ありがたいです。

スタンダードな使い方ですが、全ての介護サービスをコーディネートしてくれるので、何よりもまず最初に連絡を取るようにしましょう。介護に関わったことのない人は、情報が圧倒的に足りていないと思います。
その足りていない情報を、補ってくれるのがこのケアマネージャーとなります。今後の介護サービスを、どんどん相談していきましょう。

介護保険の利用上限について

介護保険には、使えるサービスの利用の上限が決まっています。この上限を超える金額は、全額自費負担になります。

要支援1 : 50,030 円
要支援2 : 104,730 円
要介護1 : 166,920 円
要介護2 : 196,160 円
要介護3 : 269,310 円
要介護4 : 308,060 円
要介護5 : 360,650 円

例:
要支援1の人が、6万円分のサービスを利用した。限度額50030円の自己負担は1割負担で5003円。限度額を超えたのは9970円。

つまり、支払う必要のある金額は、
5003円+9970円=14973円
となります。

と、いうことで今回の記事は
「退院した後が不安?
在宅で使える医療・介護サービス
12種まとめ 」でした!
もしこの記事がためになったなって思った人はハートマークを押していただけると嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!


あなたのためになったんだなと思い、幸せな気分でビールを飲みます!ありがとうございます。