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青くて苦かった、社会人1年目の私へ

私の社会人生活は、家具の販売員として始まりました。インテリアが好きで家具業界を選び、内定をもらったうれしさで平日休みのリスクなど何も考えずに販売員になりました。今思い返すと、苦い思い出ばかりだったなあと感じます。

朝礼で前日の数字の集計結果を発表すると、直属の上司にあからさまに首を傾げられたり、「みなさん今の発表聞こえました?」と公開処刑もよくされたりして、毎日の朝礼はいつも緊張と憂鬱でいっぱいでした。

また、お店の切れた電球を変えるのが新入社員の仕事の一つでしたが、天井が高く制服がスカートだったこともあり、男性社員が行うのが慣例でした。しかしなぜか自分たちの代から、「男だけが電球を変えるなんて不公平だ。女性社員もやって男女平等だ」と言われ、意味不明の理論に言い表しがたい悔しい気持ちになったこともありました。

挙げ句の果てに、緊張して萎縮するあまりトンチンカンな行動を起こすこともありました。展示会にはきちんとスーツを着て行ったことがあるにも関わらず、私服で彼氏と取引先の展示会に行ったり、緊張のあまり朝礼で他の人が当てられたのに自分が発表してしまって周囲を戸惑わせたりもしました。

厳しい目標を課せられながら、上司だけでなくお客様から理不尽なことを言われる毎日で、仕事中に何度泣いたかわかりません。転職をしたいというより、ただただ「この仕事を辞めたい。会社に行きたくない」と何度も何度も思いました。

そんな私の社会人1年目は、決して戻りたいとは思えない時間です。


でも、仕事に一生懸命だった時間も愛おしい

その一方で、あの頃の私は今よりも純粋に仕事に向き合っていて、それが今となっては愛おしい時間だったなとも思います。

朝出勤したら自分が担当する売り場のソファに座って座り心地を確かめ、その感想をメモしたり、その商品のメリットだけではなくてお客様に響くようにするにはどう伝えたらいいのか考えたり。

「閉店間際は早番の社員も帰るし、買うって決めてる人が多いからゴールデンタイムだよ」と先輩社員に教えてもらい、閉店1時間前は1日の疲れを感じながらもひたむきにお客様に声を掛けて数字を追っていた時間も、今は一生懸命だったなあと、少し羨ましく思えるほどです。


社会人1年目の私へ

まず最初に社会人1年目の私に伝えたいことは、「その辛い思いをして得た経験は必ず自分の糧になる」ということ。そして「働く場所や時間などの勤務条件は、本当に表面的な要素でしかない」ということを特に伝えたいです。

お昼休み中も電話が鳴ればすぐさま売り場に戻って接客をしなければならない状況にいた頃は、「あー、こんなことしてないで私も恵比寿みたいなおしゃれな街で財布だけ持ってランチに行ってみたい。こんなダサい制服もいやだし、私服で仕事したい。」といつも思っていました。仕事内容や一緒に働く人はどうであれ、それができるだけで絶対にしあわせだ、と。

しかし今、その当時の夢をそのままそっくり叶えたような状況にいますが、それがいかに表面的でどうでもいいことなのかを、身をもって実感しています。冷静に考えれば簡単にわかることだったかもしれないけれど。


社会人1年目の時はつらいこと続きで「なんかこのまま一生、新入社員なんじゃないか」と思っていた自分も、今では社会人7年目。今は今で、当時とはまた違う形でもがいていますが、ゆっくりと前に進めている気がします。

社会人10年目、15年目と年を重ねていった時に、「社会人7年目あたりの時はあれで悩んでたけど、今思えばどうでもいいな」と今の悩みを一蹴できるような、あの時よりも前に進めたと振り返られるように、歩みを止めないでいきたいです。


Photo by Jose Fontano, Guillaume Galtier, Stacy Marie on Unsplash



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