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映画『ライトハウス』の感想

※ほんのりネタバレあります※

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『ウィッチ』の監督×灯台×サイコホラーと聞いて、観たくてたまらなかった。公開されてるビジュアルが全部かっこよかった。記事内の画像はあつ森でつくった海賊版です。

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絶海の孤島で、ふたりチームで灯台守として勤務することになったが、もうひとりのベテランのおじさん苦手だし、灯台守ぽくない肉体労働ばっかさせられるし、なんか悪天候で任期も伸びたっていうか島から出られないし、ストレスやば〜いって人の話。

悪夢!悪夢!悪夢!

そのストレスでなのか、もう、なんか、気づいたら、ずっと、狂ってるんですよね。知ってるよ、こういう限られた空間、少ない物資、いつ戻れるかわからない不安で精神が狂っちゃうって話。航海の話でよく見る。でもこれ、めちゃくちゃ「気づいたら」だった。あれ?この会話まじめに聞いてたけど、ヤバ…みたいな。なんであんな会話だけでナチュラルに"狂"を表現できるの?常人にできるの?もちろん表情とか仕草とかもあって、言葉だけじゃないんだけど。中盤以降はもっと"狂"行動のバリエーションが増えてくるんだけど。一貫して悪夢みたいな映像。

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ふたりの会話のシーンの座る位置、いつもちがうような気がして気になった。なんか法則がありそう。

酒!酒!酒!

ふたりともしぬほどお酒を飲む。怖いのが、ドラッギーな映像の続くなか、酒はあるけどドラッグはないことだと思う。ノードラッグ・ドラッギームービー。今、遭難とか嵐とかよりもアル中がいちばん怖い。

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めちゃくちゃ丁寧な、狂っていく人の経過観察映像だなとそのまま受け取った。宗教画みたいなカット↑(伝わらない)があったり、なんか詩みたいなフレーズをえんえん詠んでたり、元ネタがありそうな感じがぷんぷんして、受け取れてなさが否めない。ウィッチもそうだった…。

汚い!ダサい!しょうもない!

いい言い方すると、リアルなのだと思う。ビジュアルからは想像のできない嫌な男たちの男性性だった。詳しくは書きたくない!

灯台をめぐるかっこいい男たちのサイコホラーと思って挑んでたので、そこの齟齬は正直ものすごくあったけど、こんな素敵なロケーションと名優を揃えて"狂"に重きを置きすぎてる狂映画としては比類なきものだと思うし、ウィレム・デフォーのまばたきのしなさ、三白眼?いや四白眼?の怖さ、ロバート・パティンソンの極限状態の表情や叫び声は、俳優ってすご!!!とならざるを得なかった。ものすごいものを観た。疲れた。あとエガース監督、ウィッチ同様、ふつうは怖くないようなふつうのいきものを化け物のように撮るのですごい。

めちゃくちゃおすすめはできないけど、すばらしい作品です!(お酒を片手にギラギラの目で)


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