人生を成功させる裏技の本


運営しているサロン内でみんなが面白いと推薦していたのでKindleでポチって読んでみました。

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ふろむだ 著)  https://amzn.to/2MubADL


ふろむださんってのは「分裂勘違い君劇場」の人なんですよね。
すべて読んだわけではにけれども、毎回ロジックを自由自在に操っていろんな意見の文章を書く人だなと思っていました。

●「おまえも空気の奴隷になれ」って?「空気読め」の扱い方次第で人生台無し
https://www.furomuda.com/entry/20060412/1144833374

●コミュニケーション能力をウリにする人が醜悪な理由
https://www.furomuda.com/entry/20060414/1144999515

同じ人間が2日の時差で発表したエントリとは思えないほど、主張が正反対です。

これについてふろむだ氏は本書でこのように述べていますね。

たとえば、「日本では、『空気読め』っていう風潮が、人々を生きにくくしている」ということを主張している人がいた。 つまり、「空気を読む」ということに対する否定的な論調だ。 これはーつの、「一貫して偏ったストーリー」だから、魅力的だし、説得力を持つ。
これにぶつける形で、私は、「空気を読む」ということに対して、肯定的なブログ記事を書いた。 『「おまえも空気の奴隷になれ」って?「空気読め」の扱い方次第で人生台無し』というなんだかよくわからないタイトルの記事だ。これには多くの賛同が集まり、はてなの人気ランキングでー位になった。
そして、その2日後、その真逆の論調の記事を書いた。 「空気を読む」ということに対する否定的な論調の記事だ。 『コミュニケーション能力をウリにする人が醜悪な理由』というタイトルの記事だ。こっちも多くの賛同を集め、やはり、はてなの人気ランキングでー位になった。 前の記事に賛同した人は、ズコーつとなったわけだ。まったく正反対の論調の記事が、どちらも、十分な説得力を持ちうることが、示されてしまったんだ。

実は、「分裂勘違い君劇場」というブログ名が示すように、これが、このブログのコンセプトなんだ。 あるーつの、説得力を持つ言説があるとき、それと正反対の、やはり説得力のある言説が可能だ、ということをデモンストレーションするブログなんだ。 「一貫して偏った、説得力のあるストーリー」を、「これこそ真実だ」と持ち上げる人たちの愚かさを、実例をもって示してみせるブログだったんだ。 

空気というものの原理原則を踏まえた上で、どちら側から光を当てるかを決めた上で、それを補強するような証拠やロジックをどんどん接ぎ木していけばいい。ディベートでつかうテクニックですよね。

そんな鮮やかテクを持つ言論の魔術師が自らのトリックを披露したのが本書です。

では3点ほどヤバいと思うポイントを紹介

1)錯覚資産という概念

「実力がある」から、よいポジションを手にいれられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、よいポジションを手に入れられているという部分が大きいのだ。

いやー、よくぞいってくれましたって感じです。
ブランドとか信用とか、評価経済とか、最近のトレンドワードの本質を看破してくれました。
これらは全部錯覚資産です。まやかしです。
権威として扱われている大学教授も、フォロワー数十万人のインフルエンサーも、「信用」と言われている部分のほとんどは実は錯覚。簡単に言うと、「みんながすごいと言ってるからすごい」というハロー効果(後光がさす)によって実力以上に見えているってことです。


2)べつに優秀だから成功するんじゃない


「優秀(とされる)学生の書いた論文なんだから、なにか意味があるんだろう。」

優秀な人だから成功したわけではなく、成功した人だからその人の優秀さにフォーカスが当てられているという考え方です。極論な気もしますが、人間的に魅力がないし、頭もよくないのに、なぜか数字を叩き出しているせいで「すっげー優秀」だと崇められているような人を経験的にもたくさん知っています。
彼らがやっているのは、「優秀になって成功する」という方法ではなく「結果を出して成功する。その理由を自分の優秀さに錯覚させる」という手法です。だから何事も結果にこだわることで、どんな人でも「優秀」に思われることは可能なんですよね。

3)実力がなくても偉くなれる

自分が個人的に嫌いなものは、常に邪悪だし、間違っているし、ろくなメリットがなく、リスクが高い。自分が個人的に好きなものは、正しいし、メリットは大きく、リスクが低いのだ。

「あいつは実力がないのになんで出世するんだ」みたいなことを思ったことがある人は多いと思います。僕もそうです。上司にゴマすって媚びへつらってる奴ほど出世する。いやいや実力があるやつのほうが仕事ができるはずなわけで、本来的にそういう人が出世すべきでしょう。そう思いますよね。

でも、上司の立場からすると仕事の評価とは、金額・部下の育成・クライアントからの信頼・勤務態度などものすごく複雑で、精査するのは非常にめんどくさい。人当たりが悪いけどモクモクと仕事するやつと、常にニコニコして爽やかでそれなりに仕事ができるやつがいたら、たいてい後者を評価しちゃいます。「人間的バランスがいい」みたいなあやふやな理由で。だから実力がなくても評価者とコミュニケーションをたくさんとっていい印象を与え続ければ少なくとも実力以上に評価されるわけです。

サラリーマンをやっている限り、上司に好感を持たれるように、十分な注意を払い続けなければならない。

うん。いいことを聞きました。僕も仕事をモクモクとやって「飲みニケーション」をあまりしてこなかった人間なので、今度からは配分を逆転させてみようと思いました。

●どう思いました?

みたいな生き方の裏技が書かれた本なんですが、みなさんどう思いました?
小学生の頃から裏技が大好きな私はとても興奮して読んでしまいましたし、ぜひ何か実生活に導入してみようと思いました。
でも読んだ人のなかにはそんなズルして成功しても全然うれしくないし、って思う人も多いんじゃないでしょうか。

この本の罪な部分はまさにここで、それに対して冒頭にこのように触れられています。

直感的に正しいと思う行動をしないと、不安で、不快で、気分が悪くなる。人間は、正しさなんかよりも、自分の欲望に忠実に生きたほうが、断然気持ちいいし、人間は正しいほうではなく、気持ちがいいほうを選ぶ生き物なのだ。SNSでもリアルでも、「直感的に間違っていると思える正しいこと」を言うと、友人知人に間違っていると決めつけられ、反感を買い、嫌われるから。「直感的に正しいと思える間違ったこと」を言ったほうが、人々に共感され、支持され、交友関係がうまくいくからだ。

結局みんなズルしてまで成功したくないとどこかで思っているし、周りにもそれを求める。だからそれを補強するような発言や論調を好むんです。

でも、正攻法とズルの差なんて実は主観的で恣意的なもので、だったらシステムのバグ(錯覚)をうまく利用してうまく登ればいいじゃんというのが、おそらくこの本のメッセージ。

でもそれでもそれを良しとしない人がこの世界にはたくさんいることを著者は知っています。なかなかにトリッキーな本ですね。でもとても面白かったです。


その昔ツイッター上で下のドレスが「青と黒」or「白と金」のどちらかで論争が起きていたことを思い出しました。人って自分が思うようにしかものが見えないんですね。

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』

おしまい

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PuANDA

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