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vol.14 早稲田の学生は、DS経営企業に就職します!①



皆さんこんにちは!今日もお越し頂き、ありがとうございます。

これまで『付加価値分配計算書:DS』を用いた新たな経営についてご説明してきました。新たな経営と言っても、この『付加価値分配計算書』は

①従来のPL(損益計算書)から大きくフォーマットが変わるわけではなく、

②法律の強制を受けるわけでもなく、

③業界全体で強制して行わなければならないこともない、

ということがポイントでした。


また、PL(損益計算書)経営下において最大化が目標とされていた利益に制限をかけて、DS経営下では「ターゲット利益」とするのでしたね。それによって生まれた付加価値の余剰を、役員・従業員・事業・政府に適切に分配できるという仕組みでした。


前回は産業全体のシミュレーションを用いて説明を行ってきましたが、今回は個々の企業でのシミュレーションを用います。早稲田大学生320人にアンケートを取って得られたデータをもとに、今回・次回と分けて解説していきますので、ぜひお付き合いください。


さて、早稲田生はどちらを選ぶ?


まず、早稲田大学生320人に対して、将来どんな業種に就職したいかを聞きました。次に、東証一部上場企業162社を、統計的に偏りが無いようにA群とB群に分け、それらから1社ずつ計2社、各生徒ごとに選んであてがいました。

A群は、その業界の中でサイズが大きく、売上も利益も配当も大きい企業、B群は、通常、A群の下のランクにつける企業です。

例:W君が総合商社を選択した場合、A群からは三菱商事、B群からは住友商事が選ばれてあてがわれる

Stage.1においては、A群もB群も通常配当のPL経営を行うと仮定し、Stage.2においては、B群(通常、ランクの低い企業群)だけがDS経営を行うと宣言したと仮定します。

※ここでいうDS経営とは、まず、通常の配当から1%だけ下げて余剰を生み、その余剰を用いて、B群の役員報酬・従業員給与をA群の基準にまで引き上げます。そして、さらに余った分を、事業再投資に回す、という意味を示します。※

学生は、実際に有価証券報告書を用いて作られたExcelシミュレーションを行います。B社にあたっては、DS経営を行った時、PL経営の時に比べてどれほど還元が上がるかをシミュレーションしてもらう、というわけです。

そうして、学生自身がどちらに就職することが最適かを選んでもらいました。

皆さんも同じようにA社とB社が与えられたら、どちらを選びますか?早稲田の学生が出した答えを、Stageごとにみていきましょう!


Stage.1 :大企業A社とサイズの小さいB社、どちらに就職する?


「両者とも、PL経営=利益最大化経営を行っている」という仮定のもと行ったアンケートで得られた結果がこちら👇

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A社を選んだ学生が64%、B社を選んだ学生が36%という結果です。

どちらもPL経営を行っているのであれば、一般的にはサイズが大きく、売上や利益、従業員給料が大きいA社を選好する学生が多いようですね!


Stage.2:B社がDS経営を始めたら、1の結果はどうなるか?


続いて、B社がDS経営を始めることを宣言したとします。B社の役員報酬や従業員給料はA社と同等にまで引き上げられ、さらに余剰分は事業再投資に回されます。

ここでいう”事業再投資”には「資産形成分」も含まれています。従業員は退職時まで資産を積み立てたり、従業員持ち株制度を利用して会社の株主になったりできます。

この仮定の下では、驚くべき結果が得られました!!👇

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なんと、A社を選んだ学生が5%にとどまり、B社を選んだ学生が95%という結果になったのです!PL経営からDS経営に移行することで、A社に比べてサイズが小さいB社が選好される割合がこんなにも高まりました。

この結果から、早稲田の学生はDS経営に対して期待を持っているということがわかります。そして、今現在ではなく将来を見据えて考えたとき、DS経営企業が選ばれる割合が高いということが主張できそうです。

・・・とはいえ、ここまでの結果、早稲田大学商学部の授業で得られたもの。成績に関連する可能性がある点で、実際は学生側にバイアスがかかっているのではないか?という意見があるかもしれません。

そこで、忖度が無いように調整し、再度アンケートを行いました。次回その結果をお見せしますので、ぜひまたお越しいただければと思います。


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