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みんな、寝ようね。

例えば、園から帰宅した息子が「牛乳が飲みたいよう」と言って、はいはい、と用意する。
が、このコップではないと喚く。
はいはい、想定内、あんこのやつやな、とあんぱんコップを速やかにスタンバイ、牛乳をイン。
さぁ、どうぞ、と差し出せば、「もっとたくさんがいぃぃぃぃいい!!!」と泣く。
はいはい、あるよね、そういうこと、わかるわかる、と、注ぎ足せば、「もっとーーーーおおおお!!」と叫ぶ。

喚く、泣く、叫ぶ、とかせんでもかーたん聞こえるのだけど。

そして、牛乳をあんぱんのコップになみなみと注いで、やっと満足した息子がその牛乳を大胆にこぼしたりする。

牛乳をこぼした後の処理、ものすごく面倒臭くないですか。
量が量だとタオルで拭くより仕方ないし、でも、そのまま洗濯機に入れるは忍びないし、牛乳でぱんぱんに膨れたタオルを洗面器で洗うと永遠に白い液体が出てくるし、でも何回も洗うそんな時間取れないからとりあえず、洗面器に入れて後で洗おうって思ったらなんか臭くなるし、もうなに。

とりあえず、こぼした牛乳を片付けて新しく牛乳を与えて、はぁ、どっこいしょ。
と、腰掛けるわけにもいかないのだ。
なぜなら、牛乳悶着しているBGMは末っ子の泣き声だったりする。
ごめんね、おまたせ、って抱っこしたら、ウンチが芳しくて、ああ、ごめんねっておむつ交換体位にしたら、抱っこしててほしかったぐわわわわわわんってのけぞってどこまでも泣くのだ。
のけ反るからおむつもなかなか換えられない。
さて、おむつを捨てて、はあ、どっこいしょ。
という訳にもやっぱりいかないのだ。
お待たせお待たせ、長女が庭で延々、呼んでいたのだった。
が、急いでサンダルを引っ掛けて、飛び出したら、「もういい」と言われたりする。
見せたかった蝶々はもうどこかへ飛んでいってしまったらしい。
ごごごごごめんねぇえええええ。

そして、牛乳を飲み干した息子が、「おかわりー!!」と叫ぶ。
長女が、「おうちごっこしよう」と呼んでいる。
末っ子が欲しいおもちゃが取れずに泣いている。
ごはんの用意もしたいし、園のお便りに目も通したい、持ち帰った荷物のチェックもしたいし、洗濯物も取りこみたい。
けれど、どれひとつとしてままならない。

お仕事をしていた時って滑らかに解決する感覚があった。
仕事が山積みであっても優先順位をつけて、サクサク仕事を片付けることが出来た。
仕事のなる早というのは、5分先、10分先、なんなら昼イチ、ことによっては明日の朝イチ、それでじゅうぶん、なるべく早かった(私の場合)。
だから、優先順位をつけることができたし、理想的な優先順位によって滑らかに仕事は進んでいった。
けれど、育児って、なる早が今その瞬間でしかなくて、なにひとつ滑らかに進まないことも少なくない。

3つの音声を正確に聞き取って対処して、それぞれに笑顔を振りまいたり、慰めたり、謝ったり、諭したりしていると、ものすごく消耗するのだ。
私を使い切ってる感じがすごい。
ここに寝不足が加わると、この3方向からくる要求の渦に飲み込まれてしまう。

その結果、何から手をつけたらいいか分からないし、なんか叫んでるし、末っ子泣いてるし、なんなん、コップなんかなんでもいいし、蝶々がどうとかだって別に見たくないし、そもそも虫もそんな好きじゃない私、って泣きたくなる。
そして、そんなことを考える自分が嫌になって、母親失格かもしれん、って落ち込む所までがセット。

なので、寝不足は最も敵だ。

因みに、おうちごっこをする時にも、たっぷり睡眠をとった万全の体調が望まれる。
与えられる役はいつも異なるし(今日の夫はオオサンショウウオ役だった)、彼等の設定はいつも想定を超えてゆく。
突然、お姉さん役がオナラばっかりしたり、少ない配役の内の1人が犬だったりして、自ら話をリードしなくてはいけないことだって少なくはない。
血行がよくてテンションがマックスくらいにあがっている時でないと、面白い展開を繰り広げてやることはできないのだ。

だから、寝不足は敵だ。大敵だ。

子育ては理不尽の連続だし、常に消化不良だし、毎日上手いことできんかった何かが必ずあって、ついそこにフォーカスが合うとなんか泣きたくもなったりして、でも、泣いておうちごっこするわけにもいかないし、要求の嵐にだってテンアゲでいたいので、つまり何が言いたいかというと、私はたくさん寝るよということ。

末っ子と一緒にお昼寝もするけど、そんな訳だから罪悪感を感じるのはやめることにする、という決意と、世の中のお母さんたち(もちろんお父さんも)、たくさん寝ても全然いいと思う。あれもこれもほったらかして最優先に寝ようね、という素晴らしいライフハック。

寝たらめっちゃ元気になるよ。

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また読みにきてくれたらそれでもう。