見出し画像

道草小噺⑤葉蘭

まだ第5回目やのに、変化球です。

どうしても書きたかったやつ、それが葉蘭。

そう、バランです。

え?あのバラン?お弁当とかによくある葉っぱみたいなアレ?

そう、あのバランです。


#前略、ひと手間をたしなみたい派です。さんより画像拝借。
以前テンむす(テンペのおむすび)に葉蘭を添えて出した時の。


あのバランの元になった植物 葉蘭はそこら中に生えています。

野生に、というよりも、庭に。


散歩していると、ついつい葉蘭ハントをしてしまいます。

だって、葉蘭が生えている庭がいっぱいあるから。


現代風の庭はわからないけれど、古めの集落を歩いていると、絶対に葉蘭が生えている家があります。その率50%を超えるのではないか。


ここの葉蘭の生え方はすごい。カンゾウスポットのすぐそば。
でも琵琶湖のすぐそばで風が吹き荒れているので痛んでいるものが多い。
これでもほんの一部。


そんな葉蘭、食べることはできませんが、脱プラスチックが叫ばれている今、土に還る便利アイテムとしてもっと見直されてもいいはずだ!と声を大にして叫びたい。

なので、食べられないけれど、まだ5回目の道草小噺だけれど、葉蘭について書くことにしたのだ。


葉蘭の何がすばらしいか。

まずは、土に還ること
プラスチックも、もとをたどれば石油で、それをもっともっと辿ると植物とかいろんな死骸やと思うのですが、とにかく自然に還るのが難しい。
風化という形で見た目にはなくなったように感じることもあるけれど、いろんな形で(食物連鎖ね)魚や鳥、他の動物、そしてそれらを食べる私たちの体内に入るくらいに、形は残ってしまう。
たぶんできあがるまでに時間やエネルギーがかかっているものは、その分元に戻るのにも同じくらいに時間やエネルギーがかかるのではないかと勝手に思っています。だから、ポイ捨てしたら、それはごみになる。
でも、土から生えてきている葉蘭は、本当は、ポイ捨てしても、ごみにはならない(極論だけどね)。だって土に還るから。むしろ燃やしたりしないほうがエネルギー的にもいいと思う。(この手の話になるとたまに熱くなります。すみません。)


写真1枚目のおむすびの時は、葉蘭を斜め半分に切って使いました。便利!

2つ目は、丈夫で長持ちすること。
土に還るクセに、葉蘭はかなり日持ちします。
植物で生のものは割とすぐにしおれたり腐ったりするものが多いけれど、葉蘭は別。
しかも、洗って繰り返し使えるのが素晴らしい。
うちは合成洗剤を使っていないので合成洗剤についてはわかりませんが、汚れたら、石けん(うちは、「リサイクル石けん・ゆう」という廃油からつくられた液体石けんを愛用)で洗って干して、何度か繰り返し使っています。
切ったりしなかったら1ヶ月は余裕で持つし(先端は少しだけ枯れるけど、その部分はカットして使う)、切っていても野菜室で3週間は持ちます。


ケータリングの時は餅重+葉蘭におむすび。ちょうどいい幅!
葉蘭なかったら下にくっつくの気にしてオーブンシートとか敷くよね。


3つ目は、それなりに大きい&好きな形に切れること。
他にも例えば笹とかヨシとかトウモロコシの葉っぱとかいろいろあるけれど、ちょっと幅が細いのでものを選ぶ。その点葉蘭はそれなりに大きいので結構使い勝手がいいのだ。(ちなみに、大きさで言うと蕗の葉とか葛の葉とかも便利だけど、こちらは日持ちがしないのだな。)
もしあのよくあるお弁当のギザギザにしたかったらそうしたらいいし、他にもいろんな装飾を施せる。
私はその手間をかけることはないけれど、容器の大きさに合わせてキッチンバサミで切って使っています。

去年の野草のケータリング「テンペと道草」より。
木はチルチンびと(株)安土建築工房さんから譲っていただいた端材。
何も加工をしていないので、油染みしやすく、
それを防ぐためにも葉蘭は欠かせない。


4つ目は、割とそこらに生えていること。
庭に植える植物としてかなり一般的なようなので、かなりの確率で生えている。1本だけ生えている、ということはほぼなくて、だいたいまとまって生えている。そして勝手に増える。
もし、家に、実家に、庭があったらぜひチェックしてほしい。


盛り方がイマイチだけれど、自分で盛りつけるのはやっぱり楽しい。
デンマークからのお客さんにも、
端材+葉蘭は環境にもやさしくていいねと褒められました。嬉しい。



こんだけ熱く語っておいて、一体どこで葉蘭は活躍するのか?
例えば、蓋をする前に一枚何かかませたい、となった時に、ラップとかオーブンシート、じゃなくて葉蘭。
例えば、たくさんのおむすびを持っていく、しかしお皿や木に直接置くとくっつくしなぁ、という時に葉蘭を敷けば問題解決!しかも緑がきれい。
例えば、おむすびを誰かに手渡す時、何もなしだと指がご飯粒まみれになるけれど、葉蘭にくるんで渡せば、とってもスマート!
おむすびを葉蘭で包んで出かけたら、ごみも出ないし、趣があって素敵。
そう、やはり自然物をあしらうとなんだか食卓が、いい感じになるのだ。
ミツロウラップと組み合わせて使うのもいいかもしれない。

エンジョイ葉蘭ライフ。

これはまだプラスチックの力を借りているから完成形ではないけれど。
あと一歩。
葉蘭の枚数を増やしたらクリアできる予定
(最近作っていないテンペの玄米押し寿し)。


・・・

そして、4月5(金)6(土)に、滋賀・長浜の湖北の暮らし案内所どんどんさんで、野草尽くしのディナーイベント「春/道草晩餐会」を開催することになりました。いつもは野菜推しだけど今回は、野菜の登場はなく、野草尽くしです。何種類が登場するのかまだ未定ですが、少なくとも10種類は登場します。県内外問わず、お越しをお待ちしています。詳細は以下のページをごらんください。


<おまけ>
野草を摘みに、森へ行きましょう。うふふ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?