17.こだわりのお道具 ゴーグル

小学生の頃、ゴーグルというと、クラブのフロントに置いてあったアリーナのスポンジ付きゴーグルだった。目のカップ部分が大きく、跡がつきにくいと謳っていたが…鏡に映る私は今日もパンダだった。

水泳の道具を専門に扱うジュエンというお店が御徒町にあると知ってからはゴーグルがダメになるとこちらに買いに行っていたが、練習の休みがないので、欲しいタイミングで買いに行くこともできず傷がついて見にくくなっても、スポンジが取れて水が入ってきても、なんとか直して使っていた。

子供時代は良くても5つくらいしかゴーグルを持っておらず代表入りした際に支給品に入っていた最新式のゴーグルが合うだの合わないだの、暗いだの仲間と話すのが楽しかった。

私のいた東京スイミングセンターは5月から9月ごろまでは長水路外プールでの練習で、日中は陽が眩しくて泳ぎにくかった。東京都合宿はじめ、土日や連休の強化練の際に、よく5mフラッグに鳩が止まっていて、こっちを見ていたことが懐かしい。いまは東京染井温泉Sakuraという温泉施設に姿を変え地元の皆さんやしょっぱい茶色温泉を愛する皆さんに可愛がってもらっている事だろう。

私のご愛用は紆余曲折の末、スウェディッシュに落ち着いた。トップスイマーに愛用者が多いのでレース映像で見たことがある方も多いと思うが、ノンクッションタイプのとてもシンプルなゴーグルだ。

私は高校時代にコーチがくれたスウェディッシュをまだ使っているが、まだ悪くならない。
悪くならないというのはこのゴーグルの特徴でもある、鼻ベルトは自分で凧糸で調整しているから、切れたら取り替えるというメンテナンスをしているという意味で、ゴムバンドも切れれば交換だ。
長く愛するものなので出来ればとずっと一途にこのゴーグルを愛し続けたい。曇ってくる、傷がついたでは手放したくない。

とはいえ、新作が出てくればやはりゴーグルの浮気もしてみたい。最近私が気になるのはフェルプスのミラーだ。フィット感も良くゴーグルのカップ面も凹凸がなくフラットで視界もフラットに見える。
着用時の印象は昆虫のようなデザイン性でかっこいいの定義も時と共に変わっていくものだと感じずにはいられないが、顔の凹凸を無くすような平坦な加工が増えている。まつ毛エクステンションをしている、もしくはもともとまつ毛が長いと、ばちばち当たってしまうという方は、アリーナやミズノからは曇りにくい加工がされたゴーグルが多く市場に出ており、それが良さそうだ。
先日使ってみたが、まぁーストレスなく泳げて少し軽くそして浮いて早くなったような気さえする。
クッションありのゴーグルも昔ほどの劣化はないようで、それなりにクッション部のゴムが裂けたりはしているようだが、毎日私達のスイミングライフを支える良き相棒である。運動における視界とたあう大事な局面を守ってくれるゴーグルの進化、まだまだ止まることを知らないだろう。

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