圧と深さがほしいのさ

能のワークショップ(月曜神田楽道庵ワークショップ)に行ってきた。


能の謡の声って、すごい圧がかかっているように聞こえるんだ。                 でも、喉をウェッて締めたって、あの声には   ならないのさ。


先生が簡単に圧がかかる方法を教えてくださった。

(こんなことで、かかるのけ?)って思ったけど しっかり圧がかかった。


圧がかかる時って、              お腹の中で、カメラのピントを手動であわせているみたいな動きがある。

このピントをあわせる動きは、         意図的に、このお腹の中を動かそうとしたら、   多分違う動きになっちゃう。

圧が必要な状態になっているよねって、     自分に認識させると、             身体が勝手に圧をかけてくれる。

私は、この圧を、               喉を締めることで、つくろうとしていたから     ダメだったんだなって思った。


面をつけて動こうとすると、よたよたする。

面をつけると、                日常生活よりも、もう一段深いところから    制御しないと、身体が言うことを聞いてくれなく      なるんだ。

先生が、面をつけた時に、能舞台で       どう動いているのかを、お話してくださった。


翌日、ちょっと面白いことがあったんだ。

なんとなく、自分の周りに4本の柱がある       自分は、能舞台みたいな四角い空間の中にいる

そう思って、動いていたらさ          姿勢が崩れなくなった。

なにかしようとしすぎると、自分に偏る。    自分だけになっちゃって、周りが見えなくなって 地に足がつかなくなる。

でも、4本の柱があるって思うと、不思議と偏らずにいられるんだ。

なんかね、4本の柱が、私を引っ張っておいてくれている、そんな感じ。


面をつけてみるという、貴重な体験をさせて   いただいたから、「4本の柱」で、そんな感覚に  なれたんだろう。

あの体験なしで、(能舞台にいます)って    思ってみたって、何もおきてないと思う。


「帯をしたり袴を履くことで、自然と腹圧がかかるんです」

圧については、そういう側面もあると、     先生はおっしゃっていた。


なんかさ、能舞台自体にも、演者に圧をかける  機構がある気がする。

なんとなく、和の物ってさ、狭いところに圧縮して  圧縮して深さを生みだしているように見えるんだ。


私は、まだまだ全然だけど、          自分の表現に、圧と深さがほしいと思っている。

だから、それが得られるお稽古事を続けているんだけど、


ここにも、圧と深さがあるんだ


ひょんなことから、参加させていただいた能の  ワークショップで、

やっぱり、自分は、              圧がかかっていて深さのあるものが好きなんだな って、改めて思った。





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