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ゲゲゲの謎 応援上映—バレンタインに愛を捧げて20240214—


Attention

 こちらの記事には、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』のネタバレが多々含まれております。お読みになる際はご注意頂き、閲覧は自己責任でお願いします。後からネタバレされた!!プンスコという怒りは受け付けませんのでご容赦ください。
 平気だよ、という方のみお進み下さい。

後悔するよりも動いた方が良い

 応援上映。それは未知の領域。まず考えてみて欲しい。幼い頃から我々日本人は映画館では喋らない、音を出さないと教育を受けてきた。ポップコーンを一つ口に入れ咀嚼するだけでお巡りさんにでも捕まってしまうような緊張感を持ち、そして喉に飲み込むその音すら隣の人の妨げになっていないか、心配になる。ついにはポップコーンは音がするからいい、と拒否する者まで出てくる。なんと嘆かわしい映画館騒音問題……というのは少々大げさかもしれないが、それ程までに音に敏感な映画館で応援とは、これ如何に。
 まずは見て頂きたい、この指南書を……。

応援上映で配られた指南書

 ・応援可
 ・絶叫可
 ・持ち込み可(ちゃんちゃんこ含む)
 ・サイリウム可

 頭が追い付かない。もはや真っ白である。
 あのポップコーン一つに怯えていた日々は一体なんなのだろう、思わず数日考えこんでいた。そして考えこみすぎて私は逃したのだ。一回目の応援上映の機会を。タイミングも悪かった……いやそれも言い訳かもしれない。私は怖気づいてたのだ。あまりにも未知の世界に。
 日が過ぎれば過ぎる程に後悔の悲しみが揺らめく。こんなにはまったアニメーション映画、私史上初だったし、これで応援上映に参加しないならばきっとこの先も思い切ることはないだろうなとどこか心の中では変に冷静になっていたと思う。ここまででお気づきだろうが、私は割とオタ活としては初心者で、右も左もわからないままアラサーになってしまった女なのだ。
 そして、そんな心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになっていた私に二度目のチャンスが訪れたのは2月5日のことだった。

 待てよ? カレンダーを確認してみよう。2/10からはtoco神書下ろしの第6弾「最後の来場者特典」も始まる。そして、2/14に応援上映。どうして、どうしてこんな直近で被せてくるんだ。私は一瞬東映を憎んだ。だって2/10周辺には絶対に映画館に行く。最後の特典を貰いたいゲ謎オタク達は多い。それを見込むと、2/10当日または翌日には一度足を運んでおきたい。そして間髪入れずに応援上映がくる。スケジュール帳とにらめっこしながら、私は悩んだ。正直応援上映参加は難しいかもしれない。ほら、大人のずるい言葉「難しい」が出た。難しい。それは時に逃げの言葉である。だけど本当にそれでいいのか?

気が付いたらバレンタインの日にバルト9にいた

 あれ。おかしいな。ここはどこだろう。私は誰、じゃなくて新参者の鬼太郎ファンっていうのはわかってるんだけど、ここは一体……何も思い出せない。だけどなんでこんなにわくわくするんだ……。
 私は知らぬ間に、自らの手で応援上映のチケットを買っていたのである。
 そして、サイリウムを持ち、東映が販売している受注生産グッズゲゲ郎、水木、鬼太郎、目玉おやじのぬいが届かないことに内心舌打ちをうちながら、かろうじて手に入れていた目玉おやじのキーホルダーをノリノリでサイリウムにくくりつけて、カチカチとボタンを押してその美しい光を眺めていた。
 ──応援上映会場、きちゃった♡
 劇場内の空気をさっそく会場入りした観客達が高めていく。
「よろしくね」
「楽しもうね」
 始まる前から飛び交う叫び声。ふーん、温まるじゃん? なんて余裕そうな顔して内心その掛け声に救われまくっていた私。
 これってすごいくありがたいことで、始まる前から緊張が解けて声出し発声練習にもなるし、突然映画の応援するよりもだいぶメンタルにもお声帯にも良い。流石バルト9、ベテラン先輩オタク達が集まっている。素敵。

いよいよ本編が始まった

『み~ず~き~せ~ん~せ~!!!!』
『ありがとう!!!!!!!!』
『東映ありがとう!!!!!!!!』
 カエル達が鬼太郎を讃えてゲゲゲの歌を歌うように、劇場が水木先生と東映を讃える。届けこの思い。バレンタインにふさわしい愛の言葉達。
 水木先生、きっと妖怪になってこの盛り上がりを見に来てくれているでしょうか。見ていてくれたら良いな、なんて思いながら応援上映大盛り上がりだったので思ったこと、出来事、会場の様子を箇条書きにしていく。

・とりあえずみんなが叫びすぎて周りの声が聞こえないレベルの盛り上がり
・最初こそ何を叫んだらいいか参考にしようと思い聞きつつ楽しんでいたが、みんなが盛り上がりすぎて最早言葉の内容が聞こえない(大事なので二回言いました)
・山田に対しては親目線での叫びが多かった。足元気を付けて!!!! 木!!!! 足元に木あるよ!!!!
・落ちる山田⇒叫ぶ会場 直後に山田の身を案じる心配の声「大丈夫????」
・映画に字幕が出るのでセリフや登場人物の名前の暗記がいらない優しい仕様
・事前情報で龍角散を持っておくといいとあったので龍角散をなめていったが正解だった。声の通りが良い
・帝国血液銀行の水木登場シーン⇒会場が黄色い声で包まれる
・「水木可愛い!!!!!!」は常に流れているBGM
・出世応援と水木の身を案じる声多数
・列車のシーンでも黄色い声の大合唱
・じーさん!!!! という叫び声
・ゲゲ郎のセリフ「大勢憑いておる」⇒観客「何がー!?」といった合いの手多数(大盛り上がり)
・村のトンネルに入る水木⇒入村おめでとう!!!!
・沙代登場シーンから後半まで「沙代ちゃん可愛い」は常に流れているBGM
・水木と沙代と時弥の登場シーンでは会場が大興奮。まともな声が聞こえなくなり、叫びへと化す会場(楽しい)
・一族が集まる相続発表の場面⇒「水木マナーわかっててえらい」「トトサマァァァァァ」「泣かないでー!!!!」
・水木「日本は法治国家ですよ」のシーン周辺⇒そうだそうだ!!!!同意の嵐
・時弥が水木とゲゲ郎の部屋に来た時⇒全肯定オタク達の叫び。「そうだよ!!!!すごいね!!!!世界一の電波塔見れるよ!!!!」
・温泉のシーン 常に黄色い叫び。確実にゲゲ郎と水木のファンクラブできてた。
・ボートとねずみ男のシーン⇒「せんせえええええええええ」
・禁句域にて水木がねずみ男に「ここで少し待っていてくれ」と言うシーン⇒会場「はーい」「いってらっしゃい」
・穴倉の淵でのシーン⇒「さ~~が~~り~~~」「父格好いい!!!!」他多数の叫び
・ひのええええええええ
・人間達が幽霊族の居場所を奪っていった話⇒ごめんなさい!!!!飛び交う謝罪の言葉
・水木とゲゲ郎の食事シーン⇒食べるの早い!!!! たくあん薄い!!!!
・村の子供が石を投げる&駄菓子屋アイス⇒声が多すぎて聞き取れないがみんな叫んでた
・孝三登場 黄色い叫びでもう何も聞き取れないし自分も何言ったかわからないけど叫んだ
・沙代「東京にも自由なんてない」⇒「そんなことないよ!!!!」
・墓場の酒盛りシーン 常に黄色い叫び。確実にゲゲ郎と水木のファンクラブできてた(二度目)
・長田と乙米が抱き合うシーン⇒キャァァァァァ(黄色い声)
・乙米「敗戦から立ち上がらせたうんぬんかんぬん」⇒やじはできないのでただ苦しそうな叫びが聞こえる会場。何か言いたいけど言葉になっていないが、叫ぶ!!!!
・乙米「助けなさい、長田」⇒長田!!!!奥様!!!!きゃあああああ(みんな映画終わったら絶対声枯れたよ)
・沙代が燃え尽きるシーン⇒水木に対して「立ち直るの早い!!!!」
・お~~~~~~~の~~~~~~~(斧)
・「時弥だよ」「お主何者じゃ」のシーン⇒だ~~れ~~~!?
・時貞扇⇒全部のセリフに観客達の噛みつきそうな唸り声(聞き取れない量の叫び)
・ゲゲ郎妻のお腹に子供がいるとわかった時⇒おめでとう!!!!!!!(祝いの声)
・ツケは払わなきゃな⇒きゃ~~~~~~~~~~~~~(会場叫び)
・みんな叫びすぎて、ちゃんちゃんこ誕生の際の鬼太郎の鳴き声すら聞こえない(大興奮)
・絶対脱ぐなよ 絶対ちゃんちゃんこ脱ぐなよ水木⇒脱いでる!!!!!!!!(面白すぎる)
・考えてみたらほぼ叫びと化していた会場。いいんだよ言葉なんていらないんだ。いや違う、みんな何か叫んでいたけど各々叫びすぎて聞こえなかっただけ

お分かりいただけただろうか、どれだけ熱量が会場にあったのかということを

 書ききれないし聞き取れないほどの叫びをこうして振り返ると、応援上映がどれだけ盛り上がっていたのかがわかる。改めて、参加できて本当に良かった。
 『唵』の掛け声は揃うし、随所拍手が起こる。拍手は会場が事前打ち合わせしてたのかというくらい、ぴったり息があう。例えばゲゲ郎と裏鬼道の戦いの後や、桜が散った時や……4,5回くらい拍手の場面があった気がするけど私も村を出る時に狂骨にやられて記憶から抜け落ちているみたい。だけど確かにあったのだ。会場が心を一つにするシーンが何度も。

忘れられないバレンタインデー


 会場のゲ謎ファンと共にバレンタインで愛を叫べたことを光栄に思います。ありがとうございました。これは公式からのバレンタインってことかもしれないし、私達も愛という名のチョコを渡しに行けたこと、そしてそれが人生初応援上映だったこと、しかも大好きな作品で参加できたこと、とても幸せです。チャンスは無いと思っていた応援上映を再び企画して下さって本当にありがとうございます。色々と文句も言いましたが記事を書いてる今、ここ3ヶ月くらいの観劇生活を振り返り少し寂しさを感じています。楽しかったな……夢のような日々だった。これからもゲゲゲの鬼太郎が長く愛されますように。本当に心から願って、応援しています。

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