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最近の個人的鬼太郎愛とゲゲゲの謎『監督・スタッフトークショー』感想


そうだ、調布に行こう

 ──調布に行って鬼太郎茶屋でメロンソーダを喫する。
 それはまだ私がゲゲゲの謎二度目の映画鑑賞をした頃のことだ。土曜日の朝一番の回が終わり不意に思いたって今から調布に行き、ノートPC開いてライティング練習でもしながらカフェしちゃおう!! なんて今日という土曜日を遊びつくしてやると最高な計画を思いついた。私、多分満喫の天才だわなんて鼻歌でも歌いそうな気分で新宿から調布へ行き、一人バスに揺られた。お友達からのライン。「今、一人で調布向かってる」「え、まじ? うける。ガチではまってるじゃん」確かに今までの人生で一番夢中になっているかもしれないなと思いながら、紅葉がまだ残るバス停に降りた。

2023年12月 鬼太郎茶屋

 まだまだゲ謎人気の嬉しくもあるが恐ろしすぎる反響も知らずにのことのこと鬼太郎茶屋に着いた私はその長蛇の列に立ち尽くした。
 鬼太郎茶屋とポストカード配布イベントコラボということもあり、そこには子供顔負けの大人のお友達がたくさんいたのである。私もここまできたら一分でも早くその列に飛び込まねばなるまいと、列の最後に並ぶ。
 そして四時間が経過した後、深大寺の鐘の音を聞きながら、私は列からそっと離脱した。つまり敗北である。その日は冬とは思えない温かさだった。コートも着ずに行った私は朝、家を出る時の自分の浅はかさを呪った。やっぱり冬は冬だったのだ。時に思い立った行動は人を救うこともあるが、自分を呪う結果にもなる。しかし自業自得なのだ。
 鬼太郎茶屋のスタッフさんは列に並ぶ最後のお客さんまで対応して下さっていたというのに、私が茶屋の中からかすかに漏れる光とそしてその中で美味しそうに見えたメロンソーダフロートを見て、あ、だめだ、この寒さであれは食べれない。今はハイジの暖かいチーズパンの方が私は食べたいと思ってしまったのである。
 ──また、来よう。また、いづれ、必ず……。
 茶屋の隣のショップ。ハンカチで涙をぬぐいながら、目玉おやじに『ププ』と自分の名前を言わせる唯一無二のスタンプを作りながら、私は誓った。

鬼太郎茶屋で作れる自分だけのスタンプ

お友達ハリネズミ好きのハリーちゃんについて

 お友達のハリーちゃんはとても行動力がある子である。
 私なんかは結構怠惰で朝早いのも苦手だし、面倒くさがりで、だけどハリーちゃんはアクションを起こすとなったら凄い。
 ハリーちゃんとは2023年、突如決めた京都弾丸旅行でしおりを作り、二人して始発の電車に乗り、朝日が昇る前から、そして夜は皆が寝静まる時間まで満喫する大人旅を終えたばかりであった。彼女の計画は完璧だった。大体多分電車とバスの時間も分単位だったと思う。すごい計画をしかしちゃんと遂行していく。私はただ感じれば良かった、京都に吹く香の香り、外国籍の方々の香水のにおい、そして古き良き時代と伝統、そして清酒を。
 そんなハリーちゃんに私はあの敗北した調布の話をしたのだ。
「あれからとりつかれたように家でメロンソーダフロート作りに挑戦しているんだよね」
 そう、メロンソーダフロート制作。それは仕組みを知らない人間にとっては鬼のような作業である。メロンソーダに単純にフロートを入れる。そうするとみるみるうちに水位があがり、嵩が増し、ついにはテーブルやキッチンが大惨事になるという厳しい現実が待っていた。幸いにも私はSNSで優しいフォロワー様に手取り足取り教えて頂きもはや作りすぎてメロンソーダフロートマスターの称号を手にしていた。
 ハリーちゃんは私に軽く言ったのだ。
「じゃ、行っちゃう?」
 このノリである。フットワークが軽い。風のように軽い。
「どうせなら、朝一番に行って、オープンから4時間並ぶより確定3時間並んじゃおうよ」
 このノリである。
 こうして私は敗北した鬼太郎茶屋へ2度目の挑戦を決行したのである。片手に焼きそばパンを、そしてもう片手にはホッカイロを持って……。刑事の張り込みと同じ気分でね。
 そんなフットワークの軽さで2度目の鬼太郎茶屋はなんとか寒さをも乗り越え、しっかりソーダフロートを美味しく頂ける体温をも保ったまま喫することができたのであった。ハリーちゃんのお陰。本当に、ハリーちゃんがいなかったら私ここまでできてないと思う、ありがとう……!!友よ……。

 ※寒さで思い出したんですけど、ゲゲゲの鬼太郎 第5作 第7話「燃えろ!目玉おやじ」で鬼太郎は地獄の業火を体に仕込み戦うことになるのですが、最後寒さに消えそうな業火を消すまいと魂を燃やして妖怪と戦う姿がとっても格好いいし、涙が出そうになる名作なので未履修の方は是非おススメです。目玉おやじの覚悟も格好いいのでゲゲ郎好き様に大変推したい。


そんなハリーちゃんと真夜中のトークショーに参加できることになりました!!

 前回、ゲゲゲの謎舞台挨拶にも参加したので一応リンクします。

 ハリーちゃん、日曜日の夜なんだけど……。
「行く、行けるよ」
 大体こんな2つ返事で一緒に行ってくれる友、ハリーちゃん。
「そのチケット合戦って私も参加できるのかな?」
 しかも私がお願いしているのというのに、自らチケット合戦に一緒に参加してくれるというこの優しさ……。本当にいい子すぎる。大好き。
 ということで、無事今回もチケットを取得し、トークショーに参加できることになったので書いていきたいと思います。
 今回もまたもや鬼太郎茶屋でお友達とお話しているようなその程度の曖昧な記憶と個人的な思い出綴ります。ではどうぞ!!!


発券したチケット

始まりましたゲゲゲの謎 真夜中のトークショー



 古賀監督。もう私見切りました。古賀監督はパーカーとジーンズがライフスタイルなんだ。もうわかりました。完全に理解した。段々と落葉色のパーカーとジーンズスタイル、見慣れてきたぞ、いや寧ろ安心する。鬼太郎が毎回同じ青い上下にちゃんちゃんこという装いと同じくらい安心する。
 私も古賀監督スタイル(ジョブズスタイルとも言うかもしれない)マネしたい。
 さっそく吉野弘幸さんがツッコミを入れて始まるトークショー。
「真夜中のって狙いすぎ」の一言に開場の空気がぐっと見えないけど確かにあった緊張の糸が解けていく。今回、SNSでもたくさん吉野さん愛を呟いていた私、事前にインタビュー記事を読んだり、心の中で吉野さんたくさん喋っての推し団扇を掲げながらも、祈っていたら第一声からやってくれました。歓喜。

 以下インタビュー内容を箇条書き

(私の記憶にあるもので且つ面白かった内容のみ)

・前回のトークショーからさらにお正月を挟み帰省等したお三方、ご家族ご親戚やお友達から讃頌の声が多かったらしくどこか満足げ
(幸せいっぱいの空気に、こちらまで幸せに)
・テレビ制作6期の話になり、古賀監督も吉野さんも各話で参加していたことに触れる
・突如6期14話「まくら返しと幻の夢」の脚本ぶっちゃけどうでしたかと古賀監督に切り出す吉野さん
・古賀監督が突如のカミングアウト。ゲゲゲの鬼太郎(6期)14話は当初設定だと目玉おやじの大人版は半ズボンだった
・鬼太郎を大人姿に伸ばして半ズボン履かせてるのを流石に違うなということになって着物を着せた
・ゲゲゲの鬼太郎好きで有名なtocoさんは中学生の頃から特に鬼太郎がお好きだった
・10年ごとのサイクルで鬼太郎がシリーズ化されていっている為、自分も参加したいと思っていたところタイミングよく6期が始まると聞きあらゆる伝を使い鬼太郎やりたい愛を伝えた結果制作陣に加わることになった
・制作にあたって、鬼太郎が生まれるシーンに繋げること、鬼太郎の父(本来の姿バージョン)を出すこと墓場鬼太郎の世界線、大人ホラーといっと条件があり、それ以外は何も決まっていない状況からスタートした
・八墓村や犬神家の一族のようなドロドロした精神的な人間ホラーを目指した
・龍賀一族の民達のコロし方について悩む古賀監督と吉野さん
・寝る以外は仕事してたtocoさん
※tocoさん本当にお体大事になさってほし…ほら水木先生も「ゆっくりくらしなさい」って言うじゃないですか…!
・時麿の設定で白塗りお歯黒は古賀監督が付け足した設定で、キャラデザインが決定した時点でtocoさんが吉野さんに見ますか?と言ったが、もう最後まで見ないと言い切った吉野さん。時は流れ公式Xのツイートで見たトキマロデザインに驚きを隠せなかったとか
・時麿の化粧のないお姿の設定(ラフ?)もちゃんとあるらしい
・龍賀一族の人数は当初のプロットからさほど変化がなく、唯一次女丙江の彼氏がやむなく時間の問題もありフェードアウトして行った
・水木さんと身長や背格好が似た演出の方にtocoさん持参のヴィンテージスーツを着てもらい、東映事務所にあった孫悟空を掲げたものを描いた結果が最後の墓場から出てくる鬼太郎のシーンになった
・孫悟空も野沢雅子さんだし鬼太郎も野沢雅子さんなんだけどうちの鬼太郎(6期)は沢城くん(声優さん関連の話です)
※他にもお話ありましたので他の方のSNSや公式の情報公開も併せてご参照下さい。

トークショーの個人的な感想

 相変わらず古賀監督が大変冷静で、一歩退いて現状を見てらっしゃるような感じがした。(ちゃんと嬉しそうである)妖怪達への分析も深く、妖怪というのは人間の生活とは違い、人間がやりたい生活「朝までぐーぐーぐー」を体現している存在でそれがどこか安心すると仰っていたのがとても印象的でした。最近ゲゲゲの鬼太郎の過去シリーズを時間があれば見ているのですが、妖怪と人間の考え方や物の見方の違いとか、そもそも妖怪って人間にとってどんな存在だろうと疑問がありました。今回の古賀監督のこの言葉でなんとなくそのあやふやな実態の裾をつかめたような気がします。人間と同じ場所にいるんだけど少しかけ離れていて、いないと寂しくて、不思議な存在。ちゃんと一線は引いて生きている。こっち(人間)が引いているのか、妖怪が引いているのか、お互いにかもしれない。妖怪というのは奈良時代からある古事記や日本書紀にも出てくるくらいはるか昔から人と共にある存在です。そう考えると昔もこれからも人にとってはいないと寂しくて、いるとどこかホッとする、そんな存在なのかもしれません。

品川の舞台挨拶と比較して

 例えば芥川賞や本屋大賞を作家さんが受賞した時のように、マンガ大賞やこのマンガがすごい!を受賞した漫画家さんのように、昔の友達や遠い親戚や、しばらく連絡をとっていなかった知人から連絡が来る状況が御三方にもあって、それをお話ししているお姿もニコニコしているご様子でした。
 私のような一ファンはこうしてnoteやSNSですごいすごいと騒ぎ立てる他ないのですが、もっと身近な方々、関係者の方々には是非もっともっと褒めてお砂糖あげて欲しい、頼む、という激重い気持ちになりました。
 同時に、品川の舞台挨拶の時と新宿バルト9トークショーと比較すると、前回よりももっと、ずっと和気あいあいとした制作陣の空気を感じました。
 絆が前よりもずっと深まってるんだろうな。勝手に私まで嬉しくなってしまい、終始こちらも笑顔で今回も楽しくトークショーを満喫させて頂きました。

 一つのことチームで成し遂げるのっていいなぁ。

 おそらく日程的にゲリラ緊急企画だったのでしょう。
 お忙しい日程にお話しして下さって本当にありがとうございました。
 30分のトークタイムが5分に感じられました。楽しかった……またいづれどこかでお会いできたらとても嬉しいなと思います。
 ゲゲゲの鬼太郎がこれからもみんなに愛されていきますように、願っています。

最近描いたファンアート


歴代鬼太郎


振り向いてくれた鬼太郎(子供時代


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