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足の爪を運動器として捉えてみよう!

どーもどーも、ニッチな分野を突き進むphysio365木曜ライターの安藤です。

先週はマニアックに靴下を徹底的に解説しました!(記事はこちら

今週もマニアックなテーマでしてww

それは足の爪です!!!


私たちが足部に触れることって結構多いと思うんですよね。

だからこそ、爪についても知っておくといいと思うのです!!


でもさ、思いませんか??
リハが爪を見たって運動と関係なくね??って。


ノンノン。(指を振りながらww


足の爪と運動機能

今井らが行った263名の成人を対象とする臨床研究の結果、母趾の爪病変およびそれによる痛みは、下肢筋力と姿勢制御機能の両方の低下に優位に相関していた。また、爪病変を持つ対象者に対しフットケアを行うことにより、低下していた運動機能の回復が認められた。(今井亜希子:足の皮膚・爪所見からみる下肢機能より引用)

ってことは、下肢筋力および姿勢制御機能の低下の主要問題点が爪である!!ってことがあるんですよね。下肢筋力とか姿勢制御機能とか・・・がっつり私たちの専門領域ですけど、爪の評価なんてしないですよね??

ってことで爪を知ろう!!!

足の爪の役割

足の爪のことを爪甲(そうこう)と言います。
爪甲の役割としては以下のものがあります!

▼指を保護する

▼爪圧(そうあつ)を確保する

・・・爪圧って何だよ?!って思いましたよねw

説明しようっ!!
爪圧とは、指腹に加わった圧力を受け止める能力です。
というのも指先の骨(末節骨)は指腹の真ん中くらいまでしかありません。指腹中心部より遠位の床反力を受け止めるのは爪甲の役割なんです。

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この爪圧がめっちゃ大事です!!
足部からの感覚入力が大事なことはご存知だと思いますが、足趾先端においてはその役割が爪にあると言えます。

爪がなけりゃ指先はふにゃふにゃですからね。圧力を受け止められんのです。

爪の構造

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爪甲は爪下皮(そうかひ)、側爪郭(そくそうかく)、後爪郭(こうそうかく)によって固定されてます。
ちなみに図だとうまく表現できなかったのですが、爪下皮は爪の裏側、皮膚と接してる部分ですからね!!

ちなみに爪の裏側は、爪床(そうしょう)という皮膚で、ここはくっついているって言うよりも乗っかっているって感じです。

画像3

爪甲は3層構造をしております。
背爪(せづめ)、中爪(なかづめ)、腹爪(はらづめ)です。

この中で背爪と腹爪は薄く、縦方向です。そして、中爪は厚く、横方向です。

爪病変で多いもの4つ

爪病変は手よりも足に多いです。
足は地面からの衝撃を受け止めているからですね!
そして、圧倒的に母趾に多いです!!それだけ母趾が重要な役割を担っていると言えるでしょう。

んで。

爪病変は多い順に、巻き爪、陥入爪(かんにゅうそう)、爪白癬(つめはくせん)、肥厚爪(ひこうそう)です。巻き爪や陥入爪は痛みが出るので、自ら受診してくれることが多いですね。


▼巻き爪・陥入爪

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(守口敬仁会病院HP「巻き爪・陥入爪の治療について」より引用)

クーッ!!!画像を見るだけでいたそうですね:(;゙゚'ω゚'):

巻き爪は、名前の通り爪の端っこが巻いてしまっている状態です。

陥入爪は皮膚に食い込んでしまって炎症を起こしている状態です。
写真もそうですが、だいたい母趾です。

巻き爪の原因

主に外反母趾や靴の圧迫、爪の切り方などが原因となることが多いです。

外反母趾があったり靴が合わなかったりすると指の横や下から圧力を受けやすくなります。そうすると軟部組織が押されて爪に覆いかぶさるように厚くなります。それに押されて爪が巻いてきちゃうんですよね。

爪の切り方も似たようなもんです。
イメージとしては基本的に爪は巻いてくるものだと考えてください。そして、床からの圧によってそれが平たくなっていると。そうすると床からの圧がうまく入らない状態だと巻き爪になるんです。そんな感じ。

深爪なんでダメですよ、ぜったい。

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巻き爪・陥入爪に対するテーピング

爪に穴開けてワイヤー通したり、弾性クリップをつける方法もありますが、ここでは割愛します。とりあえず、私たちに出来るレベルのものを紹介しておきます(о´∀`о)

まぁ、治癒を促すものではありません。
あくまでも爪が皮膚に食い込んでしまっていて炎症を起こしている場合、こういった方法で一時的に苦痛から逃れられるかもしれませんよってくらいです。でも、これがバチンッと適応の人がいたらバッチリ喜ばれます!!

はい、こちらは両方一気にいけます!
もちろん①の方法も爪の両側をやることも出来ます。

お好きな方でどうゾッ!!

爪甲の角

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爪の端っこに接する皮膚のところ(赤丸のところ)が赤くなっていたり皮膚が厚くなっていたら、それはもう健常ではないです。

この写真の赤丸のところは爪の圧迫によって皮膚が肥厚してしまっています。この状態では痛みはないので自覚症状はないと思いますが、悪化すると炎症を起こし陥入爪になります。

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なので、爪の端っこにヤスリを入れて削ります。
これね、けっこう良いですよ?

爪の下の角質をしっかり取り除いて、この爪の角をしっかりと削ると爪に可動性が出てきます。本来は指に対して爪は若干の可動性があります。

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イメージつかないですよね・・・。

動画があります!!

さて、この辺でお気づきだろうか?

このきったない爪は私の爪だってことをwww
(こんな記事書いているのにホントは載せたくなかったよ!!)
(一時期フットケアしっかりやってたけど最近サボってたんだよ!!)
(そうしたら良い感じの症例になっちゃったよ!!)

わかります??

いうてもそんなに著しく動くもんじゃないですよww

動画で見るよりも生で見て見ると、しっかり動くのを感じますよ。
もしやってほしい人がいたら言ってください。場所によってはやりにいきます!!
人数いるならフットケアのセミナーやっても良いですよ(о´∀`о)


んでね!!

この爪の処理をしっかりすると足が軽くなるんですよ!!

イメージとしては500円玉1個分くらい軽くなる!!(微妙ww
でも、痛みがある人からしたらもっと変わりますね。はい。

▼肥厚爪

これはその名の通り、爪が肥厚してしまう病変なんですけど2パターンあります。

・厚硬爪甲(こうこうそうこう)
・爪甲下角質増殖(そうこうかかくしつぞうしょく)

もう、なんか必殺技みたいですよねww
厚硬爪甲とか結構攻撃力たかそうwww

厚硬爪甲

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(画像:ケンカツより引用)

こんな爪見たことありませんか?
高齢者だと割と見かけますね・・・。
ちなみに上が厚硬爪甲で、下がさらに進化した(?)爪甲鉤弯症(そうこうこうわんしょう)と言う爪病変です。

高齢者に多い症状なだけあって加齢が1つの要因と言われております。

あとは深爪も1つの要因と言われております。
巻き爪でも書きましたが深爪すると軟部組織が盛り上がってきます。そうすると軟部組織にぶつかって伸びたくても伸びれない爪が分厚く積み重なっていくという・・・。深爪、よくない!

爪甲下角質増殖

これは爪の下に角質が溜まっていくってことです。割とそのまんまw

んで、原因としては爪白癬(爪水虫)が多いっす!!

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(画像:ケンカツより引用)

厚硬爪甲は上に分厚くなった感じですが、これは爪の下に角質が溜まって分厚くなった感じです。

足の親指の爪の下の端っこにカス溜まってません??

あれ角質です。あの、くっさいやつねw

あれが溜まりすぎると圧迫してしまうので、定期的に除去してあげるといいです。



肥厚爪に関しては、削ったり切ったりするしかないっす。
でも、分厚いので切るのもちょっとずつ切っていくしかないっす。
角質は掻き出せるので、空洞化していることもちらほら見かけますね^^;



▼爪白癬(爪水虫)

これは白癬菌という真菌(カビ)による感染です。足水虫とおんなじです。

そのため、予防方法としても感染を防ぐことが重要です!
温泉とかスポーツジムとかに行ったら靴を履く前に足をしっかり拭きましょう!


リハスタッフが医療・介護保険下で爪を切っていいの??

はい、これね。

実はグレーゾーンに近いグレーゾーンですwww
それはもはやブラックです(謎w

「医療行為」と「医療行為でないもの」のグレーだった線引きを2005年に厚労省が発表しております。

そこに爪切りの項目も入っております。

以下に掲げる行為も、原則として、医師法第17条、歯科医師法第17条及 び保健師助産師看護師法第31条の規制の対象とする必要がないものであると 考えられる。

爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること。(原文はこちら

要するに「爪に異常がない場合の爪切り・ヤスリがけ」はOKと捉えられますね!

つまり、巻き爪や陥入爪などの場合はリハ職は爪切れません!!!(テーピングはOKだと思う!!)

しかーし!!
爪に異常がない場合は切れます!!

つまり、予防的な介入であれば可能と捉えられますね。

でもね、病院とか施設で私たちの職種が爪切ってたら「え?何やってん?!」ってなるので、しっかりと主治医やら周辺職種に相談してからやってくださいね(о´∀`о)

まとめ

色々と書きましたが重要なのは爪圧です!!

爪圧が受けられる爪にしましょう!
爪圧がかけられないと母趾方向への荷重すらも減ります。自然と。

そのためにしっかりと爪切りを指導することも重要だということです(о´∀`о)


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ライタープロフィール

安藤司(理学療法士/JAFT認定スポーツシューフィッター)

・臨床スキルシェア倶楽部(SSC)代表
・アザリコ (荒川区在宅リハビリテーション交流会)運営
・夜の担当者会議 運営
・Physio365 木曜ライター

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・愛の伝道師です(違w

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