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塗れない色

こんなの見た。見たのだがリンク先にあるの18禁フィギュアだから要注意な!

で、この美麗なフィギュア見てて思い出したが、皆はこの世に「塗れない色」というものがあるのをご存知か?

構造色という奴だ

モルフォチョウの鮮やかな青色も構造色
鱗粉の微細形状によりこんな色してる
すっげぇ綺麗だから見る機会があったら愛でるが良い

絵描きやペインター殺しである金髪、銀髪、CDなどの虹色反射、貝殻の内側の真珠の様な遊色……ありゃ物体の物凄く細かい微細構造と光の波長によって生まれるもので、一般的な塗料では絶対に再現できない奴なんだ。

だから金髪とかはどの方向から見ても実物と同じ様に輝く金髪には塗れない。ミニチュアフィギュアでは絶対無理で、究極的には金髪と同じ様にやたら細い毛を植毛するしか無い。(尚、スケールの問題から縮尺が大きいモンにしかこの手は使えぬ……)

日本人の中には髪の毛脱色して金髪目指す人もいるが、いわゆるブロンドの髪には中々ならない。髪の毛の色だけではなく細さがあの独特な色合いには重要で、光の透過と反射があの色合いを生み出すの。髪の毛太いとあんな感じにならんのだわ。

よって、金髪とか塗る必要がある時は、ある程度見る方向限定して「そのアングルでは金髪に見える様」絵画的塗装しないといけない。金髪だから金色塗るのはお子様ムーブである。

ペンキ塗りやテキトーなグラデーションではあの雰囲気出ないから、ある意味では玄人向けの渋いペイントテクが求められる。

ぐー……

ウチのジンくんさんの耳とか四肢に生える細い毛(アンダーコートという。防寒目的の毛)も金髪だ。特に尻尾のフサフサはご近所でも美しいと評判である。そしてこの毛、めちゃくちゃ細い。

この毛の色艶は何か一色塗ればいいという単純なものでは無い。

真珠状の光沢(遊色)も構造色だ。だから見る角度により見え方が異なるアレを塗装再現するのは難しい。パールカラーもパール粉だけ塗ったくる訳じゃ無いから貝殻の様には輝かんな!

だもんで、世の中にはこの構造を細工ものに与える為に「貝殻を加工してリボン状にしたもの」が売ってたりする。

貝殻象嵌、「螺鈿」って奴だ

これなら遊色の美しさを保ったまま物を作れますな。塗れなきゃ塗らなきゃ良いのである。先人は変態的思考してますなぁ。

貝殻……シェル……うっ、頭が……

「シェル」ユニット、ですか。

色々手はあるものだ。モデラーたるもの凡ゆる構造を熟知して「使えるものはなんでも使う」を忘れちゃならん。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!