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第一次練馬vs杉並抗争?

何となくバーンブレイバーンの「スタッフ」を眺めてたのさ。どうやら大張監督はバーンブレイバーンを「みんなで作り上げた作品」にしたがっているアトモスフィアを漂わせているので、こんなトンチキな話をしだしたのは誰なのかと……

こういう事を「やろう」と企画したのはこの辺の人々らしい。気になる人はそれぞれググると良いが、何も名の通った大企業の偉い人、である。
で、本作「提供」表記が無い。スポンサーが居ないのだ。サイゲ太っ腹やなぁ……と思っていたら……

グッスマは何かプラモかオモチャ出しそうね。フィールズは円谷系のパチスロ屋さんだ。テンセントは中国系のゲーム投資機関かな。ハピネットはバンナム系だが、株式の1/4強握られてるだけでバンナム支配は弱め。てかバンダイ辞めた人が立ち上げた会社を再吸収したみたい。

……うーむ。

バンナム一強体制に対抗する布陣、なのかな?


さて、日本のアニメの歴史的な話をしよう。先ずは虫プロだ。かの手塚治虫がアニメ作りたくてしゃーないから自分が漫画描いて稼いでその金でアニメ作ってた狂気の会社だ。聞けばグレンダイザーuは中東の富豪が金出して作ってるらしいが、それを継続的に漫画家がやろうとしたのが虫プロというトンチキ企業である。

バカと天才は紙一重というが、その境界上で反復横跳びしてるのが漫画神なんだよなぁ。
で、この虫プロの経営がヤバくなって逃げ出した連中が作ったのがサンライズというアニメ制作会社だ。

で、虫プロがヤバくなった理由が「アニメを安価に請負製作した」「アニメーターを優遇した」「労働争議で賃上げ迫られた」あたりであり、サンライズはその誕生の経緯から「外注多用でプロパー社員がいない」というスタイルなんだよ。サンライズと言えば富野監督だが、サンライズで主力製品作ってた富野(ガンダムなど)、神田(バイファムとか)、高橋(ボトムズとか)……いずれもサンライズの社員では無い。
サンライズと言えばオリジナルメカアニメだが、これは設立当初金が無くて原作ものの映像化権取れなかったり、資本提携してた「東北新社」に利益ちゅーちゅーされた(ゼロテスターやライディーンなど)からである。富野なんかはサンライズが収益性の高いオリジナルロボアニメを多数手掛けて初期のサンライズをかなり助けてたし(ザンボット3からサンライズの完全オリジナルな)、4作目のガンダムで超スマッシュヒット飛ばした……のにサンライズ社員ではない。銅像ぐらい作ったれよ。
富野も昔は虫プロ在籍で、虫プロが傾いた経緯も知ってるから「全て承知で」粛々と助っ人外人枠で働いていたのだろう。なんなら富野には「テーマソング作詞」という才能があり、監督作品の歌を自作して「そっちで著作権料取る」という魔技がある。金ではそんなに苦労してないと思うます。

この経緯をまず押さえて欲しい。そして発生するバンダイによるサンライズの買収だ(Vガンダムの頃だね)

サンライズ立ち上げたが東北新社に頭押さえられて利益がサンライズ側に回って来ないからオリジナルロボアニメに舵切ったのよ。36歳でザンボット3始めてから52〜53歳の頃まで16〜17年間、サンライズで休みなく助っ人監督として働き続けたのは「(自分を含む)皆を食わせる為」だった。頑張ってオリジナル作り続けたのは「皆でいい飯食う為」だった。
それがサンライズ発足当時の東北新社に搾取されてた時代に逆戻り!
しかもバンダイはヤマトとガンダムで一山当ててるから……

判断基準がバグっているのである。

で、案の定ロボアニメは令和に入っても激減の一途をまっしぐらな訳ですよ。リアルにこだわり

境界戦機

なお、製作請け負ったSUNRISE BEYONDは本体側に吸収されて解散予定である。

またガンダム

後半グダグダ。ガンダムの呪いってガンダムそのものなんじゃなかろうか?

そしてまた過去作劇場版!

おいおい、大丈夫なんかコレ? 私は視聴予定ないけど。

サンライズは歴史的にクリエイターは経営に関わらないという鉄則があるのだが、バンナムはクリエイター側と相互不可侵条約結んで「金は出すが口出さない」した方が良いと思いますよ。

そも、バンダイって保守的な企業なんよ。博打撃ちたがらないの。その社風の中でバンダイが躍進したのは……角川同様二代目社長が「やはり紙一重」だったからだ。

2人とも二代目社長で「共にクリエイター」なのである。山科は小説家で春樹っつぁんは映画監督だ。だから多分知っている──名作ってのはそう簡単に生まれ出て来るものではない、と。あと、自分らも創作するから良作の気配は感じ取れているはずだ。バカと紙一重だが才能か、才能を感じ取る力はあるんですよ。
角川もバンダイも「成功したやり方」は知っているが、残念な事に「普通に賢しいだけ」で、バカと天才の狭間にある異能……野生的な嗅覚が無い。成功する為の両輪である嗅覚と手法の内、片方しか持って無いんだから「大成功するわきゃ無い」のである。バントしようとしてるのにホームラン出るわきゃねーだろがよ。

で、このバントの構えでホームラン打とうとするバカのせいで「カテゴリ」が死にかけている現状を見て、「虫プロ方式は果たして本当にダメなのか、サンライズ形式が本当に約束された勝利の剣なのか」というテーゼ引っ提げてるのが「勇気爆発バーンブレイバーン製作委員会」なのではあるまいか?

要するに虫プロ形式でもマネタイズが上手くいけば「成立する」し、クリエイターの嗅覚や才能信じて「金を出したら祈りましょう」を徹底するグループなんじゃないの、この座組?

Wikipediaの記述より

で、ふと思ったんよ。なんでサイゲピクチャーは吉祥寺から石神井に引っ越したのかなと。

……まぁ、普通に利便性が良い駅前ビルに空きがあったという単純な話(あと、石神井公園駅は準急停まる)なんだろうが、まさか虫プロのご近所さんという……

尚、隣の大泉学園駅には東映の大泉スタジオがあり、仮面ライダーシリーズやメタルヒーローシリーズ、ロボコンの撮影やってる。石神井公園では良く東映作品のロケが行われていた。(石神井育ちのウチの老母は公園で映画俳優をよく見たというし、私もロボコン見てて「ボート池やん……」と驚いたりした。従兄弟と釣りに行ったりしてよく遊んでた場所なのだ)

意外に練馬は映像作品と縁がある土地なのである。

また、大泉スタジオは東映の労働争議やってるメン隔離施設の側面があったし、虫プロも労組問題でアレ。ウチの亡父が老母くださいと石神井の実家行った際に「アカは出世せん。労組活動辞めろ」と言われたのも宜なるかな。(昔は練馬とかチョー僻地ですからね!)

と。

虫プロを反面教師として育ったサンライズと、虫プロのやり方を発展継承して次代に繋ごうという「サイゲームズピクチャーズ」グループ。
こうして歴史的経緯を見ると「水星の魔女vsバーンブレイバーン」という構造の奥に、更なる対立構造が見えてきて中々に面白い。

無論、練馬区桜台生まれで西武池袋線沿線民だった筆者はサイゲの肩を持つ。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!