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ジオン工業の歴史

ビルド時空において、ジオン工業株式会社は史上最強のさんちゃん企業として有名である。

ジオン工業有限会社として発足当時、デギンは腕の良い絞り職人として皆から慕われる人物だった。デギンは熱く物作りへの情熱を語るジオン・ダイクンと共に会社に出資し、名目上は副社長なのであるが……

ダイクンの過剰なまでの情熱は、些かブラックな状態となり職工達を苦しめた。遂にはストが頻発する様になりデギンは責任を取って副社長の座を辞し、一工員として「労働組合」を結成。秘剣「団体交渉剣」と全国労組の力を借りて、遂にはダイクンを排除(この結果、シャアに恨まれた) 二代目社長は東大主席卒業後にMITで冶金分野の博士号を取得し、ついでにMBAまで取ってきたIQ240の天才、ギレンが推挙された。

実際ギレンはめちゃくちゃ頭がキレるのだが、悪役という枷から外れた天才は恐るべき速度でジオン工業を近代化。血縁のある無しに関わらず有能な人材を高く評価し、あの創業社長ダイクンの息子も手懐けて活用した。シャアはザビ家への復讐を実施する為に暗躍するも、経理課長にして(実際は若いのに)お局様として君臨するキシリアに捕捉され、会社の懇親会を利用して第三営業部部長の娘、ハマーンとくっ付けて叛意を逸らそうとするギレンの策が相乗効果で炸裂し、今は豪華な社宅にハマーンと愛犬キュベレイの三人で暮らしている。
当時ハマーンは16歳。懇親バーベキューの席でいい感じになった2人をキシリアが激写。社内の女性社員ネットワークを用いて既成事実化し、ギレンはこれを利用して「社内恋愛じゃないからとは言い難いが、相手はマハラジャ部長の娘さんだ。清いお付き合いを頼むよ。なんなら仲人をしようか?」「な……仲人といえば……」「そう、親も同然だ。こんな優秀な子を持てて私は果報者だよ、はっはっは(目は些かも笑っていない)」

尚、ララァは現場仕事の視察時にライバル企業のレンポー(の下請けの木馬組)の若きエース、アムロにキュピンして寿退社した。


そして時間はバナージがタクシーでズムシティに到着した時まで進む。
「社長、彼の素性はご存知?」
「一角(ひとかど)の人物の子であろうな。また探偵使ったのか、キシリア?」
「興信所よ。社長はお調べにならなかったの?」
「アナ工に問い合わせはしたさ。良い学生だな」
「私の調べでは……」
「キシリア、調べねば見抜けぬのがお前の欠点だ。調査員が2名消息を絶っているのだろ?」
「何故、その様な…」
「バナージ君の"親戚"を名乗る方から電話が来てな、彼には普通の生活をさせてやって欲しいとお願いされたよ」

ギレンはあの目に見覚えがあった。MIT在学中にインターンシップで潜り込んだ大企業アナハイムで見た、老いた一角獣の鋭く力強い眼差し……

「いずれ、革張りの椅子が必要になるのだろうがな。それまでは平社員として「普通の生活」をしてもらい、普通に頭角を表して普通に出世し、普通に経営陣に迎えるさ」
「ザビ家の裔が選んだ子だものね」
「そうだ……キシリア、ドズルの家の近くに社宅を建てないか? 5年後ぐらいでいいだろう。予算を計上しておいてくれ」
「遠く離れてはドズルがしょげるわね」
「ミネバはシャアにも懐いていたな……奴の下に付けるか」
「まだまだ先よ、兄さん」
「喜ばしい事は前々から計画するものだよ、キシリア」

ズムシティの大窓からバナージを見つめる兄妹の姿は、どう見ても青少年を罠に嵌める悪役の顔だった。天は二物を与えぬというが、奇才二人も例外では無いのである。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!