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ガンプラで塗装が大きな壁になる訳

水星の魔女関係でガンダム系のまとめ見てたんだが、なんか知らんが「色塗り」がとほーもない壁というか、障壁になってる感がある。困ったモンだな。

で、その話の中で気になったのだが……どこぞのエアブラシ勢の暗躍のためか、エアブラシは必須と思われてる模様。

私の個人的考え及び、 #ガンプラ粘流 という古流ガンプラ作成術の立場としては、スプレー缶塗装やエアブラシは「めんどくさいから省力化の為に用いるもの」であり、最初期は「塗るなら筆塗り」を推奨したい。これはエアブラシ使っている人の内結構な割合(見た感じ3〜4割いる!)が、塗装ではなく「色塗り」してるだけで、そもそも「塗装で目指すべき地点」が見えてなさげな事に起因する。
吹き付け塗装では基本的には「平滑ツヤテカ仕上げ」が基本だ。何か余程の理由がない限り柚肌という凸凹な仕上がりは目指さない。

例えば、比較的縮尺率が大きくないバイクや戦車のプラモで鋳物として作られたパーツなら(鋳物は砂型で注型キャストするので)梨地仕上げする。WW2の戦車砲塔(キューポラ)なんかがそうだ。今の現用戦車だと圧延鋼板の溶接だから梨地にはしない。しかし縮尺率が高いモデルの場合、砂型により発生する表面梨地が十分以上に細かくなってしまうので、1/100とか1/144サイズになったらμ単位以下の粒々になり、見かけ上平滑面に見えるんよ。オーバースケール気味の「デフォルメ」として「ここは鋳物なんだ!」とする以外は溶きパテと筆使った鋳造表現より艶消しトップコートぐらいに留めるのが良いかと思う。
しかし、最近のSNSで見るガンプラは大体艶消し仕上げで、下手したら柚肌になっておる。

柚肌ー

これ、多分塗料の粘度が高過ぎて高圧で吹き付けて更にシンナーが速乾タイプなんだと思う。これやると塗料自体の表面張力による平滑化が出来なくて粒々になるんよ。逆に言うと、適切にシンナーで希釈してリターダーとかいい感じに添加された塗料使えば、筆塗りしても割とツヤテカ平滑面を作る事が出来る。

究極的に申せば、目標とする物質表面が獲得できるなら、色を塗ろうが塗るまいが関係ない。

手前側のミサイルポッドは鬼磨きしてツヤテカになっとる

しかしプラモ表面を満足いくまで研磨するのは激しくダルいから「塗装に逃げる」訳で、塗装により折角の表面処理がダメになる、塗る前より平滑さやシャープさが落ちるなら「塗らない方がマシ」なんよな。手ぇ抜く為に塗装するんだよ。色付けだの色変えだのを塗装とゆーてはならぬ。それは色塗りに過ぎぬ。

ガンプラ粘流に於いて、塗装は表面処理工程に分類されている。

しかし、筆塗りが下手だからといってエアブラシ買う奴は「何故筆塗りが上手くできないか」考えてないからエアブラシ買っても塗料の希釈度合いが分からんとかになる訳だ。(皆もそんな質問よく見かけるのではないか?)
彼らが塗装下手なのは筆塗り以前の「塗料の前準備知らん」からだし、そこ押さえたら筆塗りはある程度綺麗にできる。少なくともトップコートで仕上がるぐらいまでにはなるだろう。

逆説的に言えば、初心者こそ筆塗り部分塗装をやるべきである。そこで綺麗な平滑面を作るための「塗料の仕込み」を学ばなければ、エアブラシ使っても「エアブラシ使っただけの下手くそな塗面」を作ってしまう。

ぶっちゃけ、筆塗りの方が安いし準備や後始末も大仰な機械使うより簡単だ。ガンマカ(ガンダムマーカー)に至っては準備や後片付けまで簡略化出来るし、なんならガンマカのサラサラした感じは塗料の適性粘度知るには丁度いい。個人的かつガンプラ粘流的にはガンマカ直塗り→ガンマカ筆塗り→瓶塗料筆塗り(シンナーやリターダーを使うこと)と言う順番で無理なく財布に優しくロジカルに塗装を学び、労力を減らす為に金で勝つる!と言う感じで缶スプレーやエアブラシ導入を勧めたい。前段となる塗膜形成や「色を塗った直後としてマストな状態」が分からないのにエアブラシ買っても使いこなせはしないだろう。更に言えばエアブラシでそれが出来るなら筆塗りだってそんなにヘボくはならない。塗装のコツを掴んだならどんなブラシだって使い熟せる。

と、ゆーといてナンだが。
ガンプラ粘流でもある一定の段階まで来ると「全塗装がマスト」になって行く。

これはプラスチック(スチロール樹脂)がプラスチックである限り避けられない素材物性に起因した話であり、金属ではないからと言う理由である。
光の反射、光の透過、そして影。これをコントロールしたりエミュレートするのが絵画や色付き立体物を作ると言う事である。で、プラモはプラだからあるレベル以上では「プラに見せない為に」塗装が必須になる。この理屈が腑に落ちない内は気にせず成形色仕上げで良い。厳密に言うとここが「サーフェイサーを吹かないといけない」理由でもある。

でも分からんでしょ?
成形色部分塗装仕上げでいいと思うよ。

追記:

凄く舐めた口調に見えるかもしれないが、サフを吹く理由や吹かないとどんなところから「プラモデルっぽさ」が出るか理解できない内は、結局手順真似ても「上手く出来たか出来てないか」判別できない。だからやるだけ無駄なのよ。そしてそこまでキチンと把握してガンプラ見るような奴は(どうもSNS見る限りは)ほとんど居ない様なのだ!
だから、サフ無しでも成形色仕上げでも「どーせ皆んな分からん」し、評価もされない。ただ、理論的な部分を理解して「個人的な満足感充足の為に」仕上がり追求したい人だけやれば良い。やっても評価されないってしょんぼりしちゃう人にとっては無駄な作業にしかならんもんな。椎茸モールド埋めたり余計な筋彫りしたり、加工や作業が態とらしいぐらいに目立つプラモデル作った方がアホでも作業が判るからウケるのだ。
それとは逆に、イラストにおける線とは何ぞやと哲学者の様に悩んだり、切った貼ったしたのに加工痕が分からない程度まで精緻に仕上げたモデルはボンクラには差が見えないからウケない。うむ、ウケないのだ!

言うまでも無いが、ガンプラ粘流系列なので分かりにくい所を実に解りにくく改造してシレッと素組のフリをしている。

大体写真がいー感じだと、プラモまでいー感じだと誤解する残念な眼が大多数な今、下手すっと塗装頑張るより撮影……ちゅーか、適正露光(による色の再現度の高さ)と深目の被写界深度出す方がウケるのではないかと思う訳で。
つうか。
立体物としての面白さ追うよりイラスト的な線の多さによる細密画じみた加工の方がウケる。いや、マジで。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!