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シャドウスレイヤー 「強きもの」

私の昔話に付き合ってくれている皆様はそろそろお察しであろうが、戦士が強いのにはワケがある。いや別に彼が外法闘士だとか運命の戦士だとかではない。先に書いた様にただの農家の長男だ。

外法闘士

「そのゲーム」はGMがD&Dをベースに悪魔改造してバスタード(サムライ砦で魔戦将軍と戦う辺りまで)的な世界観で遊べる様にしたものである。だから故に魔法がやたらめったら派手で、だから故に(スレイヤーズやバスタードが流行ってたし)皆我も我もと魔法職を選ぶのだ。そして最初期には魔法盗賊みたいな職は無く、一党に盗賊シーフが居ないという惨劇が起きた。
一応罠検知や解除の呪文はあるがそれは宝箱を開ける時に使うものでダンジョントラップを想定したものではない。筆者が最初魔法戦士やってたのに盗賊系サブスキル持ちの戦士を改めて作成・投入したのはこんな理由だ。戦士の中の人は実の所シーフ大好きっ子でもあったので。

で、魔法を鬼拡張して魔法職を強くしたのは良いが、それでは戦士職が極端に弱いという事で(改造したGMとしては)「それなり」に戦士職を強化したのだが、ここで彼が戦士の扱いに不慣れであった弊害が出る。

そも彼が戦士に詳しければシャドウスレイヤーなんてメジャーアーティファクト(元々はマジックアイテムだったが、高レベル戦士が振るう際のアホほどの強力さから、アーティファクトへ……そしてメジャーアーティファクトへと設定が変遷した)は出て来んのだ。

確かに戦士は剣振るだけだから単体PCとして見ると爆発的破壊力は無い。これはD&D系である以上避けられない話だ。だがそれは「単体キャラ」として見た場合であり「魔法職からの支援を得た場合」を考えていない。ヘイストやストライキング、エンチャントウェポンなどなどの補助呪文を受け、更にクリティカルやらで攻撃が激化して「ダメージが増えまくる」戦士系職種に対して、魔法はレジストやセービングスローで「叩き出したダメージが減衰して行く」のである。基本魔法は叩き出したダメージがそれ以上になる事はなく、戦士の打撃は減る事が無い……いやそれは僅かに鎧などにより減少するのだが「ダメージ倍加の上方解放」という戦士職の特性から見たら些事であった。総ダメージ300とか行く世界で14とかダメージ減らしても意味なかんべ。
戦士の打撃は特効武器で容易に倍加し、効果的命中で倍加し、致命打のサブスキルで倍加し、魔法で倍加する(最大16倍)更にそれがヘイストの呪文で攻撃回数増えて、エンチャントウェポンで命中向上や基礎ダメージ増加する。しかしそれでも魔法と違い「必中ではない」から確実性が欠けるのだけど、ここにただでさえ命中率が高い「戦士」という職とシャドウスレイヤーというアホほど命中率が高まる呪物が加わると「ほぼ必中、ほぼ効果的命中で魔法により攻撃ダメージを青天井で倍加できる謎の生き物」が生まれる訳だ。D&Dで戦士が地味に見えるのは魔法支援受ける前提なのと圧倒的継戦能力があるからだ。むしろ確率命中という部分で「ちょっと打撃優遇」してる気配すらある。それに気付かず戦士強化したらメタクソ強くなるわ!
そらまぁ全部無かった事にして戦士をナーフしたくなる気持ちも分かる。

このゲームのPCとして、GMが管掌する全ての一党パーティーの中で当初「戦士」は唯一の非魔法職キャラであった。他のキャラは皆魔法も使える戦士系とか純魔法使いだったらしい。つまりそれはこのゲームで唯一の白兵戦専門家という事であり、皆が見逃した「穴」を覗き見る開拓者だった。

先のエルダードラゴン戦の後に、他の一党からの要請で「剣技」のルールが追加されるのだが……

何が凄いのか和マンチには解りかねた

GMも思う所があったのであろう。剣技開発のテストにされたのは「戦士」であった。本来剣技はヒサツワザとして魔法効果や各種のバフをバイキング形式で選択してMP消費量を決定するものなんだが、「戦士」はたった6Lvの6回マルチアタックのみの剣技を作った。てーか、MPの少ない彼はそれぐらいしか撃てないのだ。(仲間の補助で連発したいなーという下心はあった)
が、ヒサツワザなのにMP転送呪文で毎ラウンド放つ事が出来、魔法によるバフをフルに活用、対ヒューマノイド戦では和マンチ気質のある彼が「部分攻撃により手脚を切り落としてマジックアイテムの効果を失わせ、確実に本体を殺傷せしめる」という極悪な戦術選択をして場を凍らせた。裂斬光輝が必ず敵の右腕から攻撃を開始するのは、それは右利きのヒューマノイドの「部分攻撃で一番当たりやすく、プロテクションリングという呪物を切り離し易い箇所」だからだ。
マジックアイテムにより能力向上した「同じ戦士」が強敵になる事はこちらとしては最初から想定済みである。同性能キャラが出て来ても「オリジナルの貫目見せて勝つ」のは和マンチの誉じゃ。性能はコピー出来ても発想や戦術はコピー出来ぬ。和マンチ魂をインストールしなければ戦士は強くならんのだ。

蝶舞阿修羅斬じみた派手目の技を期待したのに、アンチマテリアルライフルで狙撃すると人は死ぬのだ的な事やりだすのだから堪らない。これが「裂斬光輝れつざんこうき」という技の正体だ。
剣技ルールにおいても「仲間のバフを期待する」事なく単体での活用だけ見たGMのミスであると言えよう。裂斬光輝自体は単体の技としてみたら普通にショボい攻撃だ。なんならただ攻撃回数が6回になっただけだし。
だが、シャドウスレイヤーによる命中向上と効果的命中、サブスキルによる致命打効果、バフの6倍化(12d12ではなく6回の2d12なのでダメージ補正は6回掛かる)……ヒサツワザ以外で稼ぐ補正を考えると、大変にエグい。(後にGMから「一番嫌な剣技」と評された)

尚、Lv6剣技にしたのは公開されてるモンスターデータを比較検証し、中ボスクラスのマンティコアだのワイバーンだのコカトリスやキメラのHPがシャドウスレイヤー用いた時に期待値でほぼ確実にすり潰せる事が確認できたからだ。こいつら大体300〜400HP、(13×4+14)×6=396 バフ無し戦士がクリティカルと致命打で武器ダメージ4倍化したらほぼ確殺できる。ボスキャラはどうせアホほどHP盛るから一撃では死なぬ。何発も撃ち込めば良い。ストライキングの呪文で792。悪魔や死霊ならシャドウスレイヤーの特効効いて1584。並のリッチやヴァンパイヤ如きは呪力バフを受けた裂斬光輝の敵ではない。(ダメージ/消費MP効率という視点では、魔法より遥かに高効率な攻撃である)

協力による「伸び代」を意識してそこを活用する──D&D系戦士の生き方のコツはここにある。

単体でスゲェ技を使いこなすとやっかみなどを受けるが、皆の攻撃補助があるからこそ!を積極的にアピールすると皆の協力得やすくなるんだね。まぁ言ってみたらスレイヤーズの神滅斬ラグナブレードですわ。単体ではなく皆の補助を活かす剣技。仲良きことは麗しき哉。


まぁ、敵もさるもの引っ掻くもの。GMの和マンチ魂によりシャドウスレイヤー担いだ戦士は排除されてしまう事になる。

マカパインの妖斬糸でスコっとネ☆

マカパイン死すべし慈悲はない。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!