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クーラシェイカー 来日公演レポート 2024(2)

前回からの続きです。

2月13日(火) 大阪・大阪BIGCAT


先のレポートを読みなおし、ちょっと細部の時系列が違うかなと思い、少し出たしの箇所を変更しました。

以下、スタートです。

演奏する前には、Paulが炊かられたお香をステージに置いていたことから、観客席にもエスニックな匂い漂う状態になりました。

客電が落ちて、そろそろです。

エレファントの鳴き声や何かのノイズから聞こえる、あの何度も聞いた、いつも聞いた「Jay-ya♪」です。

私の心の中は「きゃー、でたー」とわけのわからない動機が始まります。「インドだよー」と心で叫び、どこともわからぬ手拍子を一緒に合わせ、今か今かと目がステージ脇に集中します。

先頭にバラバラと白いフリンジのついたウエスタン調のシャツとサングラスのCrispian、ハットと黒のジャケットのAlonza、ニット帽のPaulとすっかり”ウイザード(魔術師)”な風貌のJayが登場します。

歓声しかありません。大興奮の坩堝です。

2024年Kula Shaker Japan Tourの1曲目のギターリフがスタートします。

オープニングはニューアルバムの『Natural Magic』でもオープニングナンバーの「Gaslighting」です。

この曲は2023年のツアーでも披露された曲で、Alonza Bevan(アロンザ・ベヴァン)のファンキーなベースがかっこいい上に、Alonzaのヴォーカルも聴けるという、キャッチーなロックンロール曲です。

コーラスの後に、一旦ブレークからの、Are you readyAre you ready? と交換し、(Let's Go!)と、Alonzaが歌います。

早速のAlonzaCrispianのヴォーカル合戦からの挨拶代わりの1曲で会場もすでに大ヒートアップです。

感動しかありません。

この日を待ちに待っていたのですから、と言っても1年前になりますが、忘れもしませんが、あの時はとても寒かった。

と思っていましたが、今回の3日間は2月中旬で、20度近くの気温となり暖かいを超えて「暑い」というくらいでした。そのせいで余計に2023年のビル風ビュービュー・雨の恵比寿ガーデンホールが寒いと感じたのだと思います。

補足(蛇足):現在(2024年3月2日)の方が寒いです。

2023年の時はあまりに新曲すぎてわからなかったこの曲も、今回のバッチリ予習で一緒にコール!「Gaslighting!!!」


大阪は演奏前までしか撮影しませんでした。
しかしSNSにアップされていたので非常に悔しい。次回はレビュー用に撮影させてください!


2曲目「Waves」は先行リリースされたシングルで日本の懐かしアイドル達がLyric Videoに登場します。一緒に「Sha-na-na-na」を歌うところは、初日にして、よくわかってます。また歌詞を東京から大阪に変えてのところがあまりに反応の良く、Crispianも思わず、笑。

間髪入れず、ニューアルバムタイトル曲「Natural Magick」。軽快なサウンド、踊らずにはいられない曲です。「M-A-G-I-C-K」と日本のファンは新譜の曲までコールしてしまうので、Crispianも始終笑顔しかありません。

Indian Record Player」ではMCでPaulの兄弟の曲と紹介してからの"Ek, do, tin, char"(1・2・3・4)と軽快なサウンドで会場も大湧きまくりです。今回、PaulのドラムがGretschからLudwigに変わっていました。だからどう違うのかというのは私はよくわかりません。私のイメージ的なものはヘヴィロックがLudwigで、ややお洒落な技巧的なのがGretschかなーと思っているくらいなので、なんでのチョイスかはわかりません。(Karen CarpenterLudwigを使っていた写真を見たこともあり、益々、私にはわかりません)

この4曲までがニューソングですが、私も会場に来ていた人達も相当「予習」バッチリで、シングアロングに困っていません。

この4曲は2月2日にリリースされたニューアルバムからの曲ですが、本当に多くの人達がご存知で、昨年も演奏したとはいえ、本当にコアなファン方ばりかと思っていましたが、「久しぶり」とか「今まで行かれなくて」という人達もいました。すごいなーと素直に感心しました。


そして『K 2.0』に収録され、2016・2022年からは常時演奏されるようになった、ラーガなKulaの魅力いっぱいの「Infinite Sun」と続きます。どどどとオープニングでノリノリの曲で会場のヒートアップの後のこの曲になるとホッと息をつけます。そして「インドー」と会場はどっぷりとなります。

そして今回の大目玉というか1999年以降演奏されていなかったレア曲の「S.O.S.」が来ましたー。事前に演奏されたと情報は聞いていましたが、ここで聴けるとは思いませんでした。この曲、アートロックですよね。

Jayのオルガンが冴える曲と共に、Crispianのアクロバテックなギターワークも聴ける曲です。結構ハードな曲でハードロックやメタル好きの人達にもおすすめです。

ビックリしました。この曲が聴けるなんて。Jayのオルガンは弾くではなく、打楽器的な演奏で叩くとか、動かすなどもありましたね。戻ってきましたね、Jayが。

続いて『K』からのしっとりな胸キュン・バラード「Start All Over」、2016年から久しぶりに戻ってきました。誰ですが?「女々しい失恋曲」というのは、違いますよー、胸キュンです。

Grateful When You're Dead / Jerry Was There」の曲はで前半の〆と言いましょうか、「Grateful When You're Dead」のハードな演奏と "Ba ba ba Ba ba ba ba"とオーディエンスとの掛け合い。この曲は当時からカッコいいと評判です。アシッド・サイケな「Jerry Was There」へと。

Sound of Drums」は2枚目の名曲で、"Yeah, yeah!"とオルガンの音が印象的な曲で、この曲あたりはよく聴いていましたが、今だにライブで聴けるのも嬉しい限りです。

SNSでも話題になっていましたが、ハチミツ一気呑みからのラーガなバラード「Shower Your Love」とキラキラした曲と続きます。昨年の英国ツアーから、Crispianの声が厳しかった曲で、一部のファンからは(ツアーが中断したこともあり)心配する声が上がっていました。今回のツアー時でも女性ファンから「料理に使いそうなハチミツじゃなくて、喉用のマヌカハニーを」という声が多く聞かれました。王子にはマヌカハニーと。

ギターは白のテレキャスです。今回ギターはステージ上では多分2本しか使っていないような気がしました。黒のペイントしてあるストラトと白のテレキャスぐらいしか見ませんでした。確認していませんが、この2本ぐらいしか記憶にないです。数本予備で持ってくるはずなので、もう1


そろそろライブは中盤から終盤へ向かいますが、今回のニューKulaと言いましょうか、攻めたKulaが登場します。


2STYX」は人気曲ですが、この曲は新曲としてUS盤の『K 2.0』のボーナストラックとして収録され、YoutubeではライブパフォーマンスのMVを公開していました。(公式ライブ3lp bos setにも収録)

Kula Shaker - 2 Styx

この曲の原曲である「Craving Heart」は2006年5月16日の英国のThe Waterfront公演が初演、翌17日にLondonのクラブ「Scala」で演奏された記録が確認できます。

2STYX」となってからは2016・23・24年とツアーで演奏されています。

Kula Shakerにしては珍しくライブだけの映像というMVが斬新です。

ライブ会場もMVと同様に熱気に包まれジャンプしたり、拳を振り上げも多かったです。


Idon'twannapaymytaxes」、タイトルが小文字繋げって90年代によく見たような?きもしなくもないですが、前回に「Crispianは税金払いたくないって言ってるよー」とファンの女子達が言っていましたが(笑いー)。

さらに「F-Bombs」と続きます。この曲、アルバムでもお洒落なMIXでいつになくメッセージ的な感じのKulaが聴けます。

前回もJohn Lennonの「Gimme Some Truth」のカヴァーを歌っていましたが、「攻めたKula」というのは、「Protest Song」を歌うことを指していまして、私は「Gimme Some Truth」のカヴァーあたりから「Protest Songを歌うKula」と気にかけていました。新曲が思いっきりの「Protest Song」。少々驚いたのですが、昨今の流れか、やはり「ブリットポップの異端児」という感じもしました。

会場では「F-Bombs!」と叫ぶ、インド音楽満載ワールドの怪しいロック集会という様相になってきました。大声で「Fxxx-Bombs!」ってとりあえず叫んで、苦笑いの人もいましたが、こういう時代かなと。

そして「Narayana」という流れは、90年代レイヴ系はこの反骨ぶりに大ハシャギとなったことでしょう。序盤、新譜で盛り上がり、中盤は90年代レイヴで盛り上がりと、なるほど、よくできたライブ構成です。

Stay With Me Tonight」はバラードでも大人なスロー・バラードでこの曲に再び会場はうっとりモードになります。大阪が初演というMCから、やや会場も緊張、ハウリングもあって残念でしたが、その後の公演ではもっといい感じに演奏していました。

アンニュイ「Happy Birthday」はテープで女性コーラスの箇所は対応していました。お馴染みの「303」で会場は湧きます。この曲はタメがいいですよね。

こうしてついにもう序盤「Tattva」です。この曲は本当に最高。特に歌詞が最高。

"Tattva, acintya bheda bheda tattva"

そして、中間部は「ハレルヤ」をパターンを変えて、観客に歌わせる掛け合いを何度かします。


この曲の余韻も覚めやらぬまもなく、何かこちらにCrispianがきました。トコトコとギターを持って、開放弦で来ましてと、

思った瞬間! ちかーい!! 足がー!

そうです、ステージと観客席の間にある手すりみたいな箇所にCrispianの片足を乗せました!

足長いよ!よく届いたよー!

最前の女子と2列目の私も大パニック!私は首が直角に曲がり上を見上げました。最前の女子の皆さまはパニックしながらもCrispianの足がズレて落ちないようにと思ったのかとっさに足を押さえました。

悲鳴なのか、絶叫の坩堝なのか、その態勢のまま「Hush」のイントロがスタートです!

私は次の瞬間、「は」と気づき、見てる場合ではなく、(足に)手を出して加勢するか、至近距離の撮影をすべきのどれかと混乱しますが、気づいた時はCrispianは戻られました。

またいつものように「ポカーン」で終わりました!(くー)

One, Two, Three, Hah!!

最高潮!会場爆上がり!

どれだけこのジャパンツアー・ライブを待っていたか

たった1年でしたが、長く感じたのはなぜだったのか

今回は何度も頭をフリフリのCrispian、Jayは鍵盤を魔術のように弾くし(グリッサンド奏法とも言いますが、魔法使いなので)、Alonzaのバッキングコーラスとステップも見ものでした。堅実なPaulのドラムも今回も技ありで音もいいのも、難しい曲もあるバンドのリズムを支えます。

na-na-na-na の大合唱と歓声とジャンプと腕を振るオーディエンス。

歓声と拍手が湧き上がり演奏は終わり、4人はステージから離れます。

アンコールは「Hey Dude」で大盛り上がり大会!


そして最後の曲、Kulaといえばの「Govinda」でもう最高でした!

この2つの曲は語るよりも、次回、来日時に皆さんも体験してくださーい!



この日のSetlistは以下です。

  1. Gaslighting

  2. Waves

  3. Natural Magick

  4. Indian Record Player

  5. Infinite Sun

  6. S.O.S.

  7. Start All Over

  8. Grateful When You're Dead / Jerry Was There (including "Dr Kitt”)

  9. Sound of Drums

  10. Shower Your Love

  11. 2STYX

  12. Idon'twannapaymytaxes

  13. F-Bombs

  14. Song of Love / Narayana (The Prodigy cover)

  15. Stay With Me Tonight

  16. Happy Birthday

  17. 303

  18. Tattva

  19. Hush (Joe South cover)
    Encore:

  20. Hey Dude

  21. Govinda ("Namami Nanda - Nandana" guitar intro)



というところで、今回は大阪公演のレポートを終わります。


Kula Shaker 追加情報】

来週になりますが、Kula Shakerのインスタライブが行われます!

ロンドンの伝統的な「RAK studios」からのライブ配信で日本時間では3月6日(水)午前4:30からになります。(ロンドンとの時差は時間)

新曲の「Rational Man」と「Bringing It Back Home」の2曲の"exclusive"ダブルA面のシングルで英国ツアーの前にリリースされるに当たってのセッションをスタジオから配信してくれるということです!

日本でも早起きすれば見れるのが嬉しいですね。

「With news this exciting it couldn’t wait till next week! On Tuesday 5th March, Kula Shaker will live stream a session from London’s legendary RAK studios, recording two brand new songs.

‘Rational Man’ and ‘Bringing It Back Home’ will be released as an exclusive double A-side 7” single to coincide with the UK tour.

Be sure to tune in here on Instagram at 7:30pm GMT on Tuesday for a sneak peek at the session.」



次回予告ですが、名古屋・東京のレポートは様子を見て考えます。続けて書くか、時期を置いて書くか、別の音楽の記事を挟んでのレポートの続きにするかなど、考えたいと思います。他にも、ジョンとリアムの新譜や、夏フェス、再びメタルとか、他にも何かあればと思います。


最後にメンバーシップも始めています。


ご清聴ありがとうございました!

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