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「ぶぶちよ絵日記」と、創ることの力。

こんにちは、ぷるるです。

泣ける小説や漫画はたくさんありますが、気づいたら涙ぽろぽろこぼれていた作品となると、決して多くはありません。

「ぶぶちよ絵日記」は、私にとってそんな1冊です。

この絵を見るだけで、心がふわふわ温まる。


作者のぶぶちよさんには、心を壊してしまった時期がありました。
やがて彼女はレシートの裏にちょこちょこと絵を描き始め、その世界をTwitterでシェアするようになります。

描くことでぶぶちよさんは、少しずつ回復していきました。

ぶぶちよさーん!「アイスうま」になって良かったよお〜!!


そんな絵やまんがを集めたのが「ぶぶちよ日記」。

私はこの絵が、ひと目みて大好きになりました。
線や色がゆるやかでやさしく、かつちょっぴりユーモラスなところが最高です。

食べる、しゃべる、散歩する毎日。


私はこの本を読んでいると、いつも『こんぺいとう』を思い出すのです。

小さくて、可愛くて、色とりどりだけど、そっとしている感じ・・・。
見ているだけで心が浮き立つ上に、食べたら絶対においしい!

ほんと、そっくりなんですよね。



私は「ぶぶちよ日記」は、SNSとクリエイトのコラボレーション最高形だと思っています。

ぶぶちよさんの作品はご自身を癒したけれど、同時にたくさんの読者を惹きつけ、その心を温めていきました。

読者にしたら、ぶぶちよさんにこうしてもらった感じ。


これ、狙っては絶対に描けない絵だし、意図しては作れない世界です。
そして私はここに「創作」最大の力があるように感じるんですよね。

自身と他者を癒す力。無意識領域でつなぐ力。それが自然に広がる力。
助け助けられながら、自分で起き上がっていく・・・。

もしちょっと疲れていたら、忙しすぎたら、「ぶぶちよ絵日記」の世界に旅して見てみませんか。

心地よいお湯にたっぷりつかった時みたいに、こわばりがゆーっくり溶けてくれると思いますよ。

私もまさにそういう体験をしました。

冒頭にも書きましたが、ぶぶちよ絵日記を初めて読んだとき、知らぬ間に涙がぽろぽろこぼれちゃったんです。

それは、かつての自分に「ごめんね」と思う涙でした。


私には昔、真剣に絵本を描いていた時期がありまして、他県の学校に通ったりしてがんばっていました。

動物園でマントヒヒを見ていたら、その渋さにベースが似合うな〜と思った。
そこからお猿が面白くなって、あれこれ落書き。楽しかったなあ。
やがて、おさるのビッグバンドが出来上がっていった。


でもある日気づいたら、描けなくなっていたんです。
やがて作品も提出できなくなり、私は学校を辞めました。

いろいろなことが重なった結果ですが、一番は追い詰めすぎちゃったんだと思います。当時の私は自分をいつも責め立てていましたから。

でもそれ以外にも何か足らない部分があった。私は描くことをやめてからずっとそう感じてきました。それが何か、長いことわからなかったのですが・・・。

ぶぶちよさんの絵を見ていたら、突然こう思ったのです。

「ああもっと、もっと絵と遊べば良かった。真剣に追求なんかする前に、もっともっと画材や紙と、何よりもこの手と仲良くなるのが先だった」

ぶぶちよさんの絵には、その楽しさがいっぱいに詰まっていました。
心と指が直結して、鉛筆を通して絵になる喜びが。

人に認められるとか、職業になるとかは、その先の話だったのに。

これに気づいた時、私は自分と絵に申し訳なかったと心から思ったのでした。


でも人生の素晴らしいところは、こうして取り戻せる瞬間が訪れることですね。
しかも予告なしに突然起きるから、本当に面白い!

幸い絵と仲良くなるのに、年齢も時間も関係ありませんし。

いやあ、私の人生ますます楽しくなっちゃうなあ〜。わっはっは!

勝手に描いてあんまり似ないって、どうなの。


ところでこの「ぶぶちよ絵日記」は、あるnoterさんの記事で知りました。
大好きな方でしたが、アカウントごと撤退されてしまいました。

仕方ないけど、やはりしょんぼりします・・・。

でも、私はその方のお気に入り記事を忘れたりしないでしょう。
中学の文集で良かった作品も、ちゃんと覚えていますしね!

本当に良い作品は、必ず読み手の心に何らかの変化を起こしますから。
それがプロでも、素人であっても。

これこそが、AIにもできない「創作の力」じゃないかなあ。











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