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風ふき抜ける、早春の宇治へ(前編)

こんにちは、ぷるるです。

先週ふと思い立ち、京都の宇治へ行ってきました。
訪れるのは実に数十年ぶりです。

今回は「風ふき抜ける」がテーマの旅となりました。

というのも、印象深い風が何度も私の中をふき抜けてくれたからです。


JR宇治駅に降り立ち、最初に立ち寄ったのは観光案内所でした。

おしゃれなつくりで、テンションも上がる!

観覧料がお得になるチケットを手に入れて、まずは平等院へ向かいます。
歩いていると、かの有名な宇治橋が見えてきました。

やはり趣がありました。橋のゆるやかなカーブが美しい。

宇治橋は日本三古橋の一つに数えられ、646年(大化2年)に初めて架けられたそうです。大化・・・といえば改新ですよね?

宇治で源氏物語より先に、大化の改新を思い出すとは想像もしませんでした。
これだから、旅は面白いですね。


さて中臣鎌足を頭から振り払い、いざ平等院の敷地へ。

見事な松に出迎えられ、期待が高まります。
おお、圧巻!でも10円玉と見比べちゃう。見比べませんか?

鳳凰堂の内部観覧は時間制でしたので、先に敷地内を散策しました。
ここが藤原道長の別荘跡地と知り、彼の権力パワーをリアルに実感。

時間と分が一緒だと、良いことありそう風味。

平等院には梵鐘や鳳凰、阿弥陀如来坐像など国宝が目白押しですが、最も私の心を惹きつけたのは、「雲中供養菩薩像52体」でした。

52体のうち、半分は鳳翔館(宝物館)に収められています。
写真撮影禁止でしたので、パンフレット画像で失礼します。

鳳凰堂でどっしり構える阿弥陀如来様の周りで、雲に乗りながら音楽を奏でたり踊ったりしている菩薩様です。

仏像としての繊細な作りも素晴らしいのですが、もうね、皆さんそれはそれは楽しそうなんですよ〜。音が聞こえる気がしました。

平等院全体が「極楽浄土」を表しているわけですが、確かにこの阿弥陀様&菩薩様のハーモニーは、超極楽っぽい。

ただ私が平安時代の民なら、「大仏よりも米をくれ」と思ったでしょうけど。
まあそのおかげで、今この芸術を楽しめるわけですが・・・・


平等院を出て宇治川を渡り、次の目的地の宇治上神社へ向かいます。

宇治川でも鵜飼をすると知らずにびっくり。これらは鵜飼船(写真ACより)


宇治川は幅広なので、中の島があり公園になっています。

ここに座ってぼんやりを楽しんでいたら、心地よい風が吹いてきました。
その時さっと日が差したので、宇治の地に歓迎を受けた?と思ったりして。

橋を渡り坂を登った先に、宇治上神社はあります。

神社の名の横に「世界文化遺産」って彫らないでほしかった。

この神社は平安時代後期に建てられた、現存するわが国最古の神社建築。
本殿には1060年、拝殿には1215年頃の木材が使用されているそうです。

ちょうど神社に着いた時、お宮参りのご家族が記念写真を撮られていました。

こういう場面に遭遇すると、こちらまで福をもらった気持ちになりますね。


次は「興聖寺」を目指します。

川沿いに興聖寺へ向かう道は「朝霧通り」と言いますが、実に趣のある素敵な道でした。お散歩するのに最高だと思います。

オレンジの矢印が「朝霧通り」。黄丸が行ったお寺、神社、公園。


朝霧通りに建つ、おしゃれ一軒家。


朝霧通りにあったかわいい落書き。「キョロメちゃん(仮名)」

10分ほど歩くと、興聖寺が見えてきました。

興聖寺(こうしょうじ)は、京都府宇治市にある曹洞宗の寺院。山号は仏徳山(ぶっとくさん)。本尊は釈迦三尊。日本曹洞宗最初の寺院で、道元が興聖宝林寺を建立したことから始まる[1]。参道は「琴坂」と称し、紅葉の名所として人気を博している(以下略)

Wikipedia「興聖寺(宇治市)」より引用

曹洞宗の開祖である道元禅師は、永平寺を開いたことでも有名ですね。

この「琴坂」は紅葉の名所です。もちろん現在は枯れ木。

琴坂の参道沿いに流れる湧き水は、本堂脇の貯水槽に一旦貯められた朝日山の山水が流れており、その水の流れがあたかも琴の音色に聞こえ、長い参道が琴の形状に似ていることから琴坂と呼ばれるようになった(以下略)

Wikipedia「興聖寺(宇治市)」より引用


坂はゆるい勾配ですが、ちょっとキツく感じました。長いんですよね。
でもこの長さこそ、俗世と修行場との距離なのかもしれません。

誰でもウェルカム!という印象は、まったく受けない山門。


内側からの山門。向かって右側の旗は「仏旗」です。

お見苦しい図でごめんなさい・・・


書院の内部。手前には縁側があり、庭を眺められる。

この書院には物がほぼなく、室内にいながら広い空間を味わうことができます。

縁側には椅子。膝掛けのマークは紋様「千鳥」です。

この日は他に観光客がいなかったので、寺の静けさを心ゆくまで聞くことができました。

本堂からは、歩いてきた琴坂をまっすぐに見ることができます。

この写真では分かりづらいですが、琴坂までしっかり見えます。

外から内は見えない。けれど内からはすべてが見える。
そして琴坂から流れる風が、すーっと本堂を通り抜けていく。

この景観は、人の心が本来あるべき姿を表しているように思えました。

私も己の心から雑念を払い、空間と静けさを抱き、涼やかな風を通していきたい。

いるだけでそんな気持ちになるとは。
もしかしてこのお寺のつくり自体が、すでに禅を体現しているのかもしれません(私見です)。


興聖寺を出た後はお昼を取り、次の目的地である「萬福寺」へ向かいました。

しかしお昼を食べたあたりから、これまでのスムーズさが変化しました。
流れって、ちょっとしたことで変わりますね。

全部書く予定でしたが、思ったより長くなったので分けます。
そう大した話ではないのですが、よろしければ次回もお付き合いください。

長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。


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