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モジュラーシンセで作るキックのレシピ

タイトルがかなり詐欺というか盛りまくってる感がありますが、というかレシピもクソもこんだけドラムに特化したモジュールや多機能なシーケンサーが出てきてる以上、別に特殊なことをしなくてもトリガー送れば簡単にキックの音は出せるし、何ならいまやサンプラーモジュールがめちゃくちゃ活況の中でサンプルベースでなくシンセサイズベースで作るキックの優位性とは……みたいなお気持ちもありますが、やっていきましょう

とはいうても僕がここ1ヶ月くらいのライブでやってるセットのキックがたまたま評判が良いというか、他の出演者からどうやってるのか聞かれたりすることも多くなってきたので、それについてまとめてお答えする的なアレです。短めにシャシャーッと適当に書きます。


シーケンサー

ゲート/トリガーシーケンサーはBastl InstrumentsのKnit Rider+Expanderです。パネルはmagpieのものに交換してありますが、これは単純に入れ替えの時に楽だからです。

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別にシーケンサーは何でもいいです。Knit Riderはたまたま持ってるから使ってるだけなんですけど、あまり深く考えずにリアルタイムに打ち込めるしサブステップまで触れるので、ライブの時でもパターンに変化をつけやすいです。

音源モジュール

Noise Engineering Basimilus Iteritas Alter(以下「BIA」)とBastl Instruments Tea Kick(以下「TK」)をレイヤーしてます。アタック音をBIAで強調しつつ基音やサブベースをTKで補完する的な。ピッチはちゃんと合わせてます。こんな音になります

BIAのアウトをマルチプルでパラってTKのTrigger Inに突っ込んで、最終的にALM Busy Circuits PE-1というEQ兼2in1ミキサーのモジュールでまとめてます。パラメータの設定は写真を参考にしてくだちい

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普通ならシーケンサーからのトリガーをパラってもいいんですが、僕のセットだとキックのトリガーはKnit RiderとMalekko Heavy Industry Varigate 4+を切り替えて使うのでBIAとTKを連動させるためにそんなことになってます。

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TKのTrigger Inが結構曲者で、オーディオレートのオシレーター出力を突っ込むとTKの出力からウェーブシェーピングされたサウンドが得られるという「いやトリガーだけちゃうやん」っていうガバガバなインプットなのですが、特に支障はないのでここでは気にしないことにします。TKにはWTFというフィルターも内蔵されておりそれ専用のインプットもあるので、上手く使えばエフェクトモジュールとしても使えますね。便利。

あとTKはResonanceのツマミを上げすぎると鳴りっぱなしになってキックっていうかベースになっちゃうし、まぁそれはそれで使いみちはあるんですけど、気をつけまひょう

BIAはデジタルモジュールなせいか、出力は高いくせにいくつか音が重なってくると途端に他の音に埋もれてしまうというイキったヘタレヤンキーみたいなところがあり、PE-1のようなEQモジュールでブーストしてヌケをよくしてやる必要が出てきます。特にコンプレックスアナログオシレーターの音とかにはすぐ負けます。

しかしPE-1は2in1になるところといい、キックに限らずまさに音色をレイヤーするために作られたんじゃないか感がありますね。知らんけど(関西人ムーブ)

あとBIAのAttackとDecayは短めがいいでしょう、特にDecayは長くすればするほど音が荒れてな……

エフェクト

昔は2HP FreezやDoepfer A-189-1 VBM、Synthrotek Echo/Dirtといろいろ通してましたけど最近はstrymon MAGNETOだけです。キックの音を連打させたりフィードバックを重ねまくって複雑なポリリズムを作ったり時折リバーブで音を飛ばしたりしてます。あんまり空間系らしくない使い方してると自分でも分かってるんですが、まぁそんなこともあります

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最後にキックを含めた全ての出力をミキサーでまとめた2MIXの出力をRoland AIRA SCOOPERに送り、内部パッチで組んだEQとコンプでキッチリ音作りするのが大事です(マスターフェーダーも兼用)。以下の内部パッチのスクショでは他のものもいろいろアサインしてますが、っていうかSCOOPERの内部パッチ自体本邦初公開ですが。

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これで音圧やまとまり方が変わってくるというか、コンプで潰しつつグルー効果で上手くまとめることで、それぞれのモジュールの音がバラバラに鳴ってるような感じがかなり軽減されますしグルーヴの一体感も演出できます。あとライブ会場ごとに出音のEQ設定をPAさんに頼む前に自分の手元でコントロールできるのはめっちゃ楽だし早い。

この辺はDTM的な発想の応用とも言えますが、やっぱそれをするだけで「らしい」音になりますから、AIRAモジュールならどれでもいいので是非とも中古で手にいれることをオススメしまうす

おわり

あとは各々好きにやっていってください
こまけぇこたぁいいんだよ

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