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New EP『Asylum』リリースのお知らせ

 お久しぶりです。今回の記事はタイトルのまんまですね。先日のBandcamp Fridayに新作EP『Asylum』をリリースしました。いや、出したタイミングで記事アップしろやって話なんですけど。完全に失念してました……。

 このEP自体は2019~2021年にかけて池袋の東京芸術劇場で開催されていたボンクリ・フェス内のプログラム「電子音楽の部屋」に提供した楽曲をまとめたものになります。3ヵ年計画というか、「ボンクリの曲をまとめたEPを出すぞ」と去年の夏くらいから実はひっそり考えていたんですね。

https://www.borncreativefestival.com/


 とはいえ今年提供した作品はともかく、2019~2020年当時のものを今の視点から見てそのままお出しできるかというとちとキビシイ……なので、ミックスをやり直したり、オートメーションを書き直したり、新しく音を足してみたりと徹底的に手を入れ(結果的には今年の曲もそこそこ手を入れた)、マスタリングも当時はStudio OneでやっていたものをWaveLabでやり直しました。

 もうちょっと込み入った制作上の話をすると、『Blackbird』『Antrum』『Angel Blood』という3曲が収録されている本作ですが、制作年が異なるとはいえ「モジュラーシンセの音をDAW上に直接録って使う」という縛りプレイをやるって点では共通しておりまして。
 というのも、それまではあんまりPCベースでのレコーディングに関しては品位の問題から信用してないところもあって(そういう教育を受けたということもあるけど)、「スタンドアロンかつ専用機であるレコーダーにDSDで録音してからPCMに変換して使う」という方法を採っていたんですね。
 ただ、DSDの音質・音色は気に入ってるものの「音が悪いわけじゃないけどやっぱそこは所詮ポータブルレコーダーのADCだよなぁ」と感じることが多くなってきて。

 いいレコーダーではあるんですけどね。

 まぁそれでも「ライブの録音とかならしゃあないかな」と思いつつ(っていうかその記事も続きを書くつもりがほったらかしだな……)、「自分のスタジオで録るならそこに固執する理由なくない?」と悟りを開いたのでDAWに直接録ってみることにしました。

 DAWに直で録る以上必然的にフォーマットはPCMになるわけで、録ってみると「あぁ~このカタい音はまさしくPCM~」って最初は思ったんですが、良し悪しの問題じゃないしすぐ慣れますよねこんなもん。
 それよりオーディオ・インターフェースのプリアンプやA/Dの性能がダイレクトに反映された感があって、そういう意味ではシンプルに音質は良くなったかもなと思いました。

 ちなみに『Blackbird』と『Antrum』の制作当時はA/D(RME Fireface UCX)とD/A(Grace Design m900)で機材を分けていたのでソフト・ハード共に設定の切り替えがとにかく面倒臭く、かといってMac側で機器セット組んでもCPU負荷がキツいのかレイテンシーがアレだったりノイズがプチプチ入ったりして精神衛生的には最悪で。
 そういうことがあり今年に入ってからAntelope Audio Orion Studio Synergy Coreを買ってA/DとD/Aを一本化したので、『Angel Blood』の制作時はものすごく気が楽でした。

https://jp.antelopeaudio.com/products/orion-studio-synergy-core/

 モジュラーの音についてはMutable Instruments Ringsはどの曲にも使ってたので聴いてみて頂ければ共通した音色が鳴ってるなっていうのは気付いてもらえるかと思いますが、他には同じくMutableのCloudsやBeads、Mannequins Mangrove、Instruō Arbhar、FolktekやError Instrumentsのいくつかのモジュールなんかは重宝しました。

 後はREON Driftbox S MK Ⅲや去年から今年にかけて手に入れたSOMA Laboratory LYRA-8、Ciat-Lonbarde Tetrax Organ、以前から持っていたエフェクターなど、モジュラーだけに限らずいろいろ試したように記憶してますー。特に『Angel Blood』制作時は同時並行で別の曲も作ってたので(ガンダムで例えるとGP01とGP02みたいな)、いろいろ録ってみて「この音はこっち」「この音はあっち」みたいな感じで使ってました。

https://www.implant4.com/reon.html

https://fukusan.com/products/soma_laboratory/lyra8/

https://www.patch-point.com/ciat-lonbarde/tetrax-organ

 モジュラー以外が概ね入手難度の高すぎるシンセばっかでなんというかすまんというお気持ちもありますが、こればかりは去年の文化庁の補助金だったり偶然のめぐり合わせだったりもするので、僕から言えることは「欲しい機材があるならその機材の名前をTwitterでつぶやいとけ」ってことですかね。

 まぁそんなようなところで、EP自体は全曲フルで試聴できるのでまずはお聴き頂ければと思いつつ、今後の活動のためにもお手にとってもらえましたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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