住友優子「イギリスひとり旅⑦」

ママさんが言っていた通り、今朝は雨だった。8:00にダイニングに降りると、お客は私だけ。壁に飾られた、ウサギやアナグマの絵が素敵ですねと、ママさんに話しかけると、ハイストリートにギャラリーがあると教えてくれた。

焼きトマトと、大きなマッシュルームがとっても美味しい。フレンチプレスのコーヒーをゆっくり飲んでいると、ギャラリーの名刺を持ってきてくれたり、街の地図にお勧めの店を書き込んでくれたり、「ご#★※そう★※××」「ごそ#×★※ちでた」と何度も日本語の「ごちそうさまでした」に挑戦してくれたり、ぱたぱたと玄関から傘を持ってきて「今日はこれを持ってでかけてね」と言ってくれたり、、、私の英語を一生懸命聞いてくれてわかりやすく返事をしてくれた。そして、明日の朝は晴れそうだから、グラストンベリートーに登ってサンライズを見るといいと、日の出時刻も調べてくれた。

のんびり支度をして出る頃には雨は止んでいた。ハイストリート目指して、街を散策。

少し歩くとGoddes House というなにやら瞑想をする館、、、、そーっと覗くと入り口のお姉さんがハローと声をかけてくれた。自由に館内を見てもいいというのでお邪魔した。

紫の部屋。

絵に惹き込まれる。

赤の部屋。

好きな位置を選び、しばし、瞑想。

階段をあがっていくと、

図書室。好きな本を選び、カーテンのたなびく窓辺で何時間も過ごしたい。が全て英語で書かれた本をそっと棚に戻す。

2時からサウンドヒーリングのイベントがあるというので、街を散策して再び訪れることにした。

グラストンベリーアビー。修道院跡。広い敷地内では、社会科見学らしき地元の小、中学生と遭遇。女の子たちは、ジャージというより、お揃いのピタッとした黒いタイツで走り回っている。

眩しい日が射し始めた。伝説のアーサー王の墓の上に広がる、全ての時代を知る空を暫く見上げた。

ようやく、ハイストリート。

ギャラリーに入ると、作家の二人が笑顔で出迎えてくれた。発売したばかりのオラクルカードの原画展をしていた。宇宙からメッセージを降ろして、絵にして、言葉と一緒に88枚のカードにまとめている。

金髪で長身のイケメンに惑わされるなーーと頭で考えつつも、「これはレムリア時代、プレアデス星、シリアス星人の絵だよ、、」なんて説明を受けながらギャラリーを一周した頃にはすっかりうっとり。サインを入れてもらって、ずっしり重いカードと共に、サウンドヒーリングを受けに、あの館に急いで戻った。

2時、1分前に紫の部屋に滑り込んだ。すでに、15人位の人が、椅子に座ったり、横になったり、思い思いの体勢で、話を聞いている。私も一番隅に、寝転がり、耳を傾けた。

目を閉じると、色々な音が耳元に響き、時には全身に浴びせかけるように、ぼわわーんと、低い音から、キーンと高い音も。そして、男の人の歌声、徐々に小さくなり、最後はまた細く小さな音、そして、現実に引き戻すようなベルが鳴り、一時間のヒーリングは終わった。

愛の目覚めの予感、、、解き放たれた私の魂は何に向かうのだろう、、、

£6と書かれたカードが貼り付けられたお皿の前に立つ私。財布には£10紙幣と、小銭がチャラチャラと音をたてる。どれとどれを組み合わせたら£6になるのだろう、、お賽銭箱からお釣を貰うようなことも憚られる、、、隣に寝ていたアジア系のお姉さんに教えてもらい、ジャラジャラとぴったり£6、お皿に入れた。

翼の生えた私の魂は、まだ私の肩にちょこんと乗っている。












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