へびインへび
カーテンを開けても、外がよく見えない。
今朝は小鳥たちの声も聞こえない、、。
こんな白い霧に包まれた我が街を見るのは初めてだ。
夕べは、久しぶりに怖い夢をみた。
怖い夢はいつも、夢なのか、現実なのか、わからないまま、目が覚める。
目が覚めるというより、異次元から、なんとか戻ることができた、という感覚だ。
「たすけてぇーーー、たすけてぇーーー、誰か来てーーー、誰か来てーーー」こんなに叫んでいるのに誰も来てくれない。明日のCMの仕事で、声が枯れて出なくなったらどうするのよーーと、ベッドで金縛りになっている私は思う。どんな怪奇設定でも、SF設定でも、喉に気を遣う、、自分の職業意識の高さに驚きつつも、叫ぶ。
そして、助けが得られないと解ると「南無阿弥陀仏、、南無阿弥陀仏、、、ぎゃあていぎゃあてい、ぼうじいそわかー!!!」と叫んで固く瞼を閉じる。
瞼の裏には鋭い光の中、何十羽もの蝙蝠がせせら笑いながら飛び交う。
そうか、明日は10月31日、ハロウィンだ。ハロウィンパーティー・プレイベントに違いない。私のベッドの枕元は、何かの通り道になっているらしく、お盆の時期は慌ただしいのだ。今年は、英会話を習い始め、夢にも英語出てくるまでになっていたから、異次元での文化もダイバーシティが訪れているのだわ。
そおっと、目を開ける。
私の記憶はもう遠いどこかに葬られてしまったようだ。
それにしても昨日のアニマルプラネットは怖かった。へびが別のへびを丸呑みしていた。
人で想像したら、物凄く怖くなって、寝た。
カーテンを開けても、外がよく見えない。
通勤電車は混み合っている。「濃霧のため遅れております」とアナウンスが入る。
どこかの街では、スティーブン・キングの「ザ・ミスト」のような悲劇が起こっているのかもしれない、、、。
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