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サッカー選手が筋トレをするにあたって

久しぶりに会った友人にはだいたい
"お前ゴツくなったな!"
なんて言われます。

もちろん筋トレしているので、当たり前なのですが。
宮崎のサポーターの方にはやましたきんにくんなんてあだ名もつけられています。

友人はお前みたいにゴツくなりたいから、筋トレ(見栄えがよいやつ)教えてや!
なんて言ってきます。
快く教えて一緒に筋トレしたりします。

筋トレすれば女の子にモテると思ってる、単なるバカで愉快な友人たちです。
今日も日本は平和です。

では、久しぶりに会った
"サッカーをしている友人"
にはなんて言われるでしょうか?

"お前ゴツくなったな!

で、筋トレしてなんか変わった?"

ってよく聞いてきます。

みなさんはこの質問の意図がわかりますか?

みんなすごく筋トレに興味があるんです。

"筋トレをして瞬発力が上がるかもしれない"

"筋トレで当たり負けしなくなるかも"

と。

でもその反面、筋トレが怖いんです。

"筋トレで身体重くなったらどうしよう"
"筋トレでしなやかさなくなったらどうしよう"
と。

つまり、
"筋トレしてなんか変わった?"
の本当の質問の意図は

"サッカー選手の筋トレって賛否両論あると思うんだけど、お前を実験台として見るから、効果が出るなら俺も試してみようかな"

こうだと思うです。
(もちろん少し極端に言っていますが)

同じサッカー選手として、すごくわかります。
筋トレを始める前の僕もそのように思っていました。
筋トレして身体が重くなるのが怖い。と。

では単刀直入に話を進めましょう。
筋トレをして、僕がどう変わったのか。

答えは

"筋トレして良かった"

これが僕の正直な感想です。

それは海を堂々と肩を切って歩けるからだ。
おっと。ちゃうちゃう。(笑)

身体がどう変わったのか、説明していきます。

まず筋トレで得られるサッカー選手のメリットとして
1.シンプルな筋力量の増加に伴う体重増で接触プレーの強さ。
2.純粋に力を発揮できる筋肉量が増えるため、瞬発力やジャンプ力などの向上。
3.筋肉がついたという自信から生まれる、接触プレーに対するメンタルの強さ。

ざっと簡潔にあげて、この3つだと思います。

デメリットとしては
1.筋肉量増加に伴う体重増加で、動きが遅くなる(瞬発力、キレ、etc)
2.身体の変化と頭のイメージがついていかない。(新しい身体に適応できていない)
3.体重増加や不適切なトレーニングによる怪我

この3つです。

上記にあげたメリット3つは、実際に僕も実感することができました。

上記にあげたデメリット、
瞬発力の衰えや、体重増加による怪我などは
感じることはありませんでした。

むしろ、50m走などのタイムは上がりました。

つまり、筋力トレーニングで新しい身体を手に入れたのです。

だから筋トレはサッカー選手でもガンガンやるようにした方がよい





なんて言うつもりはありません。

じゃあ筋トレしてサッカーはどれだけ上手くなったのか?



答えが出てきません。

新しい身体を手に入れて、足も速くなって、ボディコンタクトが強くなりました。
でもサッカーは上手くなってないです。(上手くなるという定義は色々ありますが)
正直に今の自分の現状をあげると、この状態です。

現に、いわきFC時代スタメンに定着したことはありませんでしたし、
2017年(いわきFC時代)肉体改造と言わんばかり筋トレをして、
2018年どうなったかと言うと、
サッカー選手としてのキャリアは上がってません。(カテゴリー上では上がりましたが)

別に前所属チームのいわきFCを批評してるわけでも好評してるわけでもありません。

いわきFC時代は筋トレだけにフォーカスしてみると、チーム内でも上位の結果を出していました。

でも監督の評価はそこにありませんでした。

今思えばすごくよく見てくれていたなと思います。
当時はいわきFCのコンセプトに置いてるとこで結果出してんだから評価してくれよ!と思っていました。
でもいわきFCに1年所属していましたが、僕に身に付いた要素としては、筋トレではなくサッカーに対する技術の方が多い気がします。

つまり何が言いたいのかと言うと、

僕たちはサッカー選手です。

ジムで必死に大胸筋や上腕二頭筋を鍛えてるボディビルダーや、女の子を落とすために鍛える身体ではないのです。(ほんの少しだけ女の子の目に止まることも祈ってる)

要するに

筋トレはサッカー選手として

成長するための

"手段"であって、"目的"ではないということ。

そんなことわかってるよって思ってる人もいるかと思います。
でもこれって意外と見失ってしまうんです。

ベンチプレスが100kg上がった!
スクワットが150kg上がった!

いつのまにか、ウエイトを上げることが目標に変わってしまいます。

じゃあベンチプレス100kg上がって、サッカーはどう変わったの?

要は、筋トレがサッカーに

どう活きてるのかを、

自分の中で整理する必要があります。

身体大きくなって、足速くなったら、サッカーに活きてるでしょ!
って思う人もいるかもしれません。

でも、足が速くなって身体が大きくなった僕自身がサッカーのどこに活きてるのかと考えても答えが出てこないんです。

一度、自分に起きてるこの現象を冷静に考え直す必要がありました。

僕は、大卒で入ったファジアーノ岡山というクラブを1年でいわゆる戦力外になりました。

その時、自分を一から変える必要がある思いました。
環境を変えるために海外というのも視野に入れていました。

それで選んだクラブがいわきFCです。

**"肉体改造" **

これが目的です。
肉体改造で新しい自分を手に入れようという考えです。

で、新しい身体を手に入れました。

で?


の状態です。

なぜこうなったと思いますか?

それは考えることを

していなかったからだと

自分のなかで結論しています。

肉体改造すれば、サッカーが勝手に上手くなると思っていたのです。

"サッカー選手"として良くなるための

"肉体改造"が

"手段"だったはずが、いつのまに

"目的"になっていました。

速くなった足をサッカーにどう活かすか
大きくなった身体のメリットをどこで活かすのか

ここの部分をより考える必要があると気づきました。

ここで、タイトルの
"サッカー選手が筋トレをするにあたって"
について僕なりの考えを言いたいと思います。

サッカー選手、一アスリートとして、筋トレをするのは当たり前。
自分の身体の最大限の能力を引き出すために筋トレするのは当たり前。

大事なのは、手に入れた身体を

サッカーにどのように活かすか。

今の僕はここに結論が至りました。

誤解を生みそうなので、断っておきますが、
俗に言う筋トレをしなくても、自分の能力を引き出せるアスリートはたくさんいると思います。
現にサッカーの日本代表にも筋トレはしないなんて人もいます。
筋肉の付けすぎも良くないし、筋トレが合う合わないもあると思います。

でも筋トレをしない人でも、自分という人間の能力を、そのスポーツでどのように活かすか、どうしたら上手くいくかと言うのを常に考えていると思います。

僕に足りなかったのは、ここの部分でした。

つまり

筋トレをするにあたって

何を考えて、

どういう選手になりたくて、

どのプレーを伸ばしたくて、

サッカーに対して何をトライしたか

これに気づくのに2年かかりました。

まだまだ自分は発展途上です。

勝負はこれから。


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