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青春18きっぷ1枚で行く日本縦断旅5日目

これは2022年4月に青春18きっぷ1枚で北海道稚内から鹿児島県枕崎まで旅行した記録です.どういう旅なのかの概要は以下の旅程編をご覧ください.

前日の姫路から佐伯までの旅はこちら.

5日目は大分県の佐伯駅から鹿児島県の西大山並びに枕崎までの旅とそこからのんびりと鹿児島中央へ帰るところまでです.この日でついに日本縦断達成です.

日豊本線

普通列車延岡行2761M

朝の5時に起きても良いというのは非常にありがたいもので,久しぶりに6時間くらいの睡眠時間をとることができました.ただ,始発であり終電である6時18分発の延岡行に乗り損なうと全てが台無しになってしまうので注意が必要です.

ホテルルートインから見た佐伯駅

夜は全然気にしていなかったのですが,このホテルルートイン佐伯駅前はトレインビューのホテルで,ホテルの部屋から列車を見ることができました.

佐伯の朝焼け

この旅は運の良いことに関東の出発のとき以外は全て天候に恵まれ,本日も快晴,朝焼けが非常にきれいに見えました.前方に見える山は「濃霞山のうかやま公園」.標高は62 mほどの山らしいです.綺麗な朝の景色を楽しみつつ,コンビニで朝ごはんを購入して駅に向かいます.

787系普通列車延岡行

当然と言えば当然かもしれないのですが,この旅初めての特急用の車両です.間合い運用でこの車両で延岡まで向かうことができます.

787系の座席

乗車できるのは先頭車両のみ.その他の車両には乗車することができません.グリーン席には座らず,普通車に腰掛けます.座ってみると流石787系,ふかふかで座り心地が非常に素晴らしい.気を抜くと寝てしまいそうでしたが,宗太郎駅をこの目で見届けるまでは眠ることはできません.

宗太郎駅の上りホーム
宗太郎駅の駅前一等地

6時54分,宗太郎駅に到着です.これが到達難易度がべらぼうに高いと噂の駅かと思いながら写真を撮っていました.車内には同業者と思われる方が数人いらっしゃり,どちらの方も窓の外を見ていました.

延岡駅駅舎

謎のチャンネルさんがグリーン車は速いという言葉を残していますが,あながち間違いではなく快適さからくる時間の過ぎ具合は普通車に乗っているよりも早いので,その点では確かにグリーン車は速いとなるなと思います.それと似たような感じであっという間に延岡に到着しました.

延岡駅前

延岡の駅前はよくある地方の駅という感じではあるのですが,中央右手や左端に写る木を見ると完全に南国の雰囲気.ここまで南に来ると温帯と亜熱帯の間あたりの気候になってくるのでしょうか.気候の変化もそうですが,植生の変化もこの旅ならではの楽しみポイントです.


普通列車西都城行729M

延岡駅に停車する西都城行

延岡駅から乗車する列車は817系,中はクロスシートです.延岡から乗る方は結構いらっしゃって車内はそれなりに混雑していました.時刻は7時30分,宮崎到着は9時09分,約1時間半の乗車です.

門川駅付近から見た太平洋

日豊本線の延岡から宮崎は太平洋沿いをずっと進んでいきます.進行方向左には太平洋が見えて非常に綺麗です.上の写真は門川かどがわあたりから見た太平洋です.

宮崎駅駅舎

少しうつらうつらとしていたら宮崎駅まで来ていました.ここでは25分程度の待ち時間があるので軽く朝ごはんを食べることにしました.

かすうどん

都合よくエキナカにうどん屋さんがあったのでそちらに入ってかすうどんをいただきました.九州らしいやわっこいうどんで出汁の味も美味しかったです.さっさと食べてホームに戻ります.

大淀川

宮崎を発車して南宮崎に行くところで大淀川という大きな川を渡ります.この大淀川はこれから向かう都城の方から流れてきている川です.

田野のあたりの田園風景

南宮崎を過ぎると日豊本線は山の中へと進んでいきます.ローカル線にしては珍しいと感じたのはどこかの川沿いを進んでいくのではなく,平原を進みそのまま山の中へと突っ込んでいくような進み方をするので少し新鮮に感じました.

穏やかに流れる清武川

田野たの駅から青井岳あおいだけは一駅ではありますが10分強かかります.その間,平野部から山間部へ少しずつ標高を上げていきます.

途中の信号場で待ち合わせしていた対抗列車

田野から青井岳駅の間には信号場があり,そこで停車したのでこれは何か対抗が来るなと思って運転席横で待機しました.するとキハ40系が来ました.吉都きっと線あたりから来ていたりするのでしょうか.青井岳駅はそちらの地区から小中学校へ向かうための通学需要があるらしく,1日平均20人程度の乗降があるそうです.

青井岳駅に停車する817系
青井岳駅の高架橋

この青井岳駅では対抗列車を待つため,10分程度停車していました.それなりに停車するので運転士さんに外で写真を撮っても大丈夫かどうか尋ね,許可をいただいたのでホームの端から端まで歩いてのどかな風景の写真を撮影していました.

817系の車内

また,青井岳あたりまで来ると車内はガラガラ.この時間に都城あたりまで行く人はほとんどいらっしゃらないのでしょう.自分のほかに数人ぐらい乗車されていました.JR九州の列車の車内は写真のように革製のクッションがしかれており,座り心地は申し分がありません.快適です.

青井岳を通過するきりしま6号

対抗列車で待っていたのは鹿児島中央と宮崎を結ぶ特急「きりしま」.車両は朝にも乗った787系でした.こちらが通過するのを待って信号が青になったところで都城へ向けて出発です.

都城駅の駅舎

10時51分.都城駅に到着です.西都城まで行ってしまうと次の日豊本線の列車が16時05分なので都城からは吉都きっと線に乗って吉松よしまつの方まで向かいます.明らかに遠回りではあるのですが,こちらの方が鹿児島中央に到着するのが30分早く,なおかつ枕崎から鹿児島中央への最終列車に乗ることができるので,こちらに乗るしかありません.それでも吉都線の次の列車は13時05分.2時間近くあるので鳥刺しをいただくことにしました.


都城駅周辺散策

駅について時間があったときのお決まりは観光案内所に行くことです.観光案内所で鳥刺しが食べれるところはあるかどうかを尋ねたら「ぼっけもん」という鶏料理を出す店を教えていただきましたので,こちらへ向かうことにしました.

塩だれタタキ定食とタタキポン酢

お店に行くと鳥刺しはコロナの関係で提供しておらず,タタキは提供しているとのこと.鳥刺しとタタキで何か違うのだろうかと少し疑問に思いつつ塩だれタタキ定食とポン酢タタキの単品をいただくことにしました.初めて食べる生の鶏に感激しつつ,塩だれタタキとご飯の相性の良さといったらありません.ご飯が進みに進むので大盛りでお代わりさせていただきました.ついてきた鳥南蛮も非常においしくまた鳥刺しが提供されるようになったら訪れたいお店でした.

都城の駅前

都城は宮崎の内陸の方ではあるのですが,思ったよりは栄えていて良い田舎という感じの様相でした.また,やはりこちらでも木は南国に生えていそうな木が多く,また南に来たんやなということを思わせます.

サンAの自販機で購入したドリンク

お昼ご飯に行く前に日向夏ドリンクを買おうと自販機にお金を入れると何故かヨーグルッペが出てきました.3つ日向夏ドリンクがあったのですが,隣の日向夏ドリンクを押してもまたヨーグルッペ.流石にこれはと思って電話をすると商品の交換をしていただけるとのことで,都城駅の付近で対応していただけました.これで日向夏ドリンクを飲めると思ったのですが迷惑をかけたお詫びとして角切りりんごもいただけました.

ところでこの日向夏ドリンク.本当においしかったのでもし興味のある方はオンラインで購入もできるので飲んでみるのをおすすめします.


吉都線・肥薩線・日豊本線

普通列車隼人行2925D

都城に停車するキハ47形
行先表示がパネルを入れ替える方式のキハ47形

ホームに向かうとキハ47形が停車していました.しかし扉は空いておらず,運転士さんが来てもこれから点検するとのことで10数分程度点検の様子を観察させていただきました.

左に見える丸岡山と田園風景
えびのの田園風景

吉都線はえびの高原こうげん線という愛称があり,高原線というだけあって内陸ではあるけど平坦な土地が広がっている風景を見ることができます.上の写真の一つ目,丸岡山は高原たかはる駅から西に行ったところにある山で,丁度宮崎県と鹿児島県との間に聳える山です.その下の写真のえびのは熊本・宮崎・鹿児島の県境付近に位置する町で,遠くに山は見えるのですが,また平坦な土地が広がります.

吉松駅までは開けた土地が多くみられて非常に素晴らしい景色ばかりだったのですが,吉松から隼人駅までの肥薩線の区間に入ると山間を進むようになります.窓の外を見ても目の前には木ばかりで,見栄えするものが多くあるとは言えない車窓でした.もしかしたら反対側の車窓には良い景色があったかもしれません.

隼人駅の駅舎

もう鹿児島県に突入.日本縦断旅行も大詰めです.あとは日豊本線で鹿児島中央まで向かいます.

隼人駅の駅前

隼人駅の駅前には綺麗な花壇があり,華やいでいました.また,町は長閑で奥には山が見える,よくある日本の町の風景です.


普通列車鹿児島中央行6953M

隼人出発は16時15分.太陽も傾きつつある時間帯です.

鹿児島中央行の817系

来た列車は鹿児島中央行の817系.時間帯もあって学生がたくさん乗り込んでいきました.流石に座れるということはなく,鹿児島中央まで50分程度なので扉のあたりで立っていることにしました.

重富から竜ヶ水間から見える桜島

隼人のある霧島市からすぐ横が姶良あいら市というところなのですが,このあたりは町になっていて駅も多く,同時に乗降もありました.しかし,姶良市の端重富しげとみを過ぎると山と湾とに挟まれた狭い道を走っていくことになります.

竜ヶ水駅にある記念碑

その狭い道の途中にある駅が竜ヶ水りゅうがみず駅.もともとはここの近くに集落があったらしいのですが,災害で移住を余儀なくされて1日の平均乗客数は鹿児島駅の隣にも関わらず2人程度.こちらの海側と反対の山肌がもと集落ではあるのですが,今なお災害の爪痕が残っているようです.車内が混んでて自由に移動できる状態ではなかったので自分の目で見ることはできませんでした.

鹿児島中央駅の駅名標

そうこうする間にすぐ鹿児島中央駅です.乗り換え時間は5分程度なので,下車印だけいただいてすぐに指宿いぶすき・枕崎線へと乗り換えます.


指宿・枕崎線

普通列車指宿行1349D

指宿行のキハ200

自分は初めて見る車両でした.どことなく211系ぽいような顔をしている気がします.時間は17時12分.思いっきり帰宅ラッシュの時間帯です.運よく前面展望を楽しむことができるスペースに立つことができたのでこちらで指宿まで立つことにしました.

指宿・枕崎線は想定していたよりも人の乗降が多く,終点の指宿までそれなりの人数がいました.降りたと思っても途中でまた乗っての繰り返しで,短距離乗車が多い印象ではありました.

指宿駅の駅名標

指宿駅のみならず,指宿枕崎線での駅名標は少し凝っていてJR九州ではシンプルな駅名標ばかりだったので目をとられてしまいました.

指宿駅の駅舎

指宿駅の一つお隣,山川駅が日本最南端の有人駅で,指宿駅も有人駅.まだ18時を回っていないので駅員さんもいるかと思いきや,指宿駅の人のいる時間帯が決まっているらしく15時だったか16時だったかで営業が終了してしまっていました.やむなしと思い,駅舎の写真だけ撮ってホームに戻ります.


普通列車枕崎行5331D

枕崎行の普通列車

日本縦断を達成させてくれるのはキハ47形でした.ワンマンなので後ろの車両が空いているため,後ろの車両のボックスシートに腰掛け,窓を開けて出発を待ちます.指宿から日本最南端の西大山駅までは20分弱,緊張と興奮とで疲れは全く感じていませんでした.

西大山駅の駅名標
西大山駅のホーム

本当なら西大山駅に降りたいところなのですが,降りてしまうと今日中に枕崎まで行って鹿児島中央駅に戻ることはできなくなります.なので泣く泣く窓から写真撮影.日本最南端の駅の文字がついに日本縦断を達成したことを知らせてくれるのですが,正直なところあまり実感はわいていませんでした.また,流石皆々だけあって日が落ちるのも遅く,18時53分といえど充分にあたりを見渡せる程度に明かりがあって,写真を撮る分には非常にありがたかったです.

ちなみに西大山駅のホームの後ろに写っている黄色いポストは「幸せを届ける黄色いポスト」らしいです.

南に来たとはいえそこから10数分もすればあたりは暗くなっていきます.また目の前が森という区間がそれなりに続き,景色を楽しむことが難しい状態になっていました.反対側に座れば海を見ることができたのかもしれませんが,車窓動画を撮っていたのもあり仕方がありませんでした.


本土最南端の始発・終着駅枕崎駅

終点を示す看板

西大山駅からさらに揺られること1時間.ついに本土最南端の始発・終着駅である枕崎駅まで到達しました.稚内からここまで長かったのですが,余韻に浸っている暇はありません.19時58分に到着して鹿児島中央への折り返しが20時05分.7分の間に枕崎の記録を残さねばならず,大急ぎで写真を撮りまくります.

枕崎駅の待合室

枕崎駅の待合室は非常にきれいで,いろんな資料が貼ってある様子でした.このあたりもまたじっくりと見に来たいなと思わせる感じで,7分でここを離れてしまうのがもったいなかったです.

枕崎駅駅舎と停車中のキハ47形

この枕崎の駅舎と停車するキハ47形.日本縦断のことを調べているときに見た写真でよくあり,自分もこの光景を目にすることができたのが非常に嬉しかったです.

枕崎駅の車止め

忘れてはならないのがこの車止め.稚内でも見た車止めから始まる鉄路はこの枕崎まで確かに続いており,ここでついに終点となります.これを見てようやく,ついにやったのかという実感がわいてきました.

名残惜しいですが,宿も予約してしまっているので鹿児島中央まで戻らねばなりません.発車してしまう前に乗ってきた列車に乗り込みます.

普通列車鹿児島中央行1358D

お世話になった18きっぷと時刻表

列車に乗り込んだらちゃんと日本縦断を達成したとツイートするために時刻表であったり18きっぷとフェリーの切符であったりと写真に撮っていました.この下車印がいたるところに押された青春18きっぷ.全国各地で押していただいているのでちゃんと5日分で日本全国を通ってきたということが感じられます.

このとき車内で撮影した写真と合わせて日本縦断を達成したことをツイートで報告しました.あとは真っ暗な中,鹿児島中央まで揺られるだけ.くつろいで座っていました.

日本最南端の駅のポール
夜の西大山駅のホーム
本土四極を示した地図

途中,西大山駅では1回目に過ぎたときに撮影できなかったものを撮影していました.本土四極を示した地図を見て日本縦断を終えてから今度は日本横断をしてみたいなんて思ったりもしていました.

キハ47形の車内

キハ47形の後ろの車両には自分ともう一人地元の高校生の人が乗っていました.指宿駅で鉄道がお好きなんですかと話しかけられ,少し鉄道トークをしていました.わざわざ人のいない時間かつ鹿児島中央までキハ47形でいけるこの列車まで待って乗ったくらいには昔の車両がすきなようで,高校卒業後に山口とか乗りに行ってみたいと話してくれました.国鉄車両が消えてしまう前にいろんな車両に乗ってほしいなと思いました.

鹿児島中央の街の明かり

行きしとは見る方向を変えて海側を見てみました.指宿を越えてからはずっと鹿児島湾に沿って進むので向こうの方には鹿児島の街の明かりが見えました.宿泊するところへ向けて,列車は進んでいきます.

鹿児島中央駅の駅舎

時刻は22時56分.鹿児島中央駅に到着しました.話しかけてくれた高校生もお疲れさまでしたと一声かけて去っていき,あとはホテルに向かうだけ.路面電車の終電も終わっているので歩いて15分ほどのところにある「霧桜の湯 ドーミーイン鹿児島」に向かいました.相変わらず温泉が気持ちよかったです.


最後の最後に素晴らしい一期一会の出会いをさせてくれて,しかも天候はほぼすべて快晴.実際にこのときに日本縦断を決行して良かったと心から思える旅でした.


5日目の行程

 佐伯    6:18発 ―  延岡    7:26着
 延岡    7:35発 ―  都城  10:51着
 都城  13:05発 ―  隼人  15:33着
 隼人  16:15発 ― 鹿児島中央17:03着
鹿児島中央17:12発 ―  指宿  18:23着
 指宿  18:35発 ― (西大山)18:53着
(西大山)18:53発 ―  枕崎  19:58着
 枕崎  20:05発 ― 鹿児島中央22:56着

鉄路での移動距離:410.0 km(+枕崎→鹿児島中央87.8 km)
稚内からの鉄路での合計移動距離:3220.8 km

次の日のリンク

おまけの鹿児島観光と熊本で馬を食べて飛行機に乗る話です.

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