見出し画像

スイッチのON/OFF

所謂、一人カフェというものが好きだ。
もちろん友人や恋人ともカフェに行くし、そうやって誰かとカフェで過ごすのも好きだけれども、やっぱり一人で行くのが一番好きだ。

大人だねえとか、オシャレだねえとか言われるけれど別にそういうことを意識して行っているわけではない。
以前の私がそうだったように、カフェに行く習慣があまりない人は大人でオシャレでかっこいいというイメージを抱くようだけれど、決してそんなことはない。

着飾ることもしない(お店の空気を壊さないように、奇抜な服装や濃すぎる化粧はしないとかコンビニしか行けないようなラフすぎる服装は避ける、くらいは意識する)。
読書もするときはするけれどずっとでも毎回でもないし、スマホを見ることもあるし、ただ何もせずぼーっとして何も考えない空の状態のときもある。

歌うと気分が晴れる人もいるだろうし、スポーツをすることで嫌なことを忘れられるという人もいるだろう。
それと同じように、自分の気持ちを落ち着かせることができるのが私にとってはカフェに行くことなのだ。

カフェに行って何をしているのか。
先程書いたように、本を読むこともあればスマホでSNSを見ることもあるし、ぼーっとすることもあるし、お店で流れる音楽が自分の知っている洋楽だったら聴き入ってみたり、自分で気ままに書いているノートにその場で(あるいはその日に別の場所で)感じたことをひたすら書き込んでいたりもする。

ついつい自分の行動の目的を考えてしまうし、大好きなものへの気持ちを言語化したくなってしまうので、カフェに行くことに対しても、何か自分なりに腑に落ちる表現は見つからないかなあと思っていた。

大好きで間違いなく一番通っているカフェの店主さんのブログで「カフェって何をしに行く場所ですか」と書かれていて、ああ結局自分なりの表現見つけられていないままだなと感じたのでカフェに行きながら考えてみた。

カフェに行く、席につく、注文をする。
待つ。
待つ間はまずは何もせずお店の空気を感じ取ろうとする。何度も行ったことのあるお店でも。

いつだったか、日常の何もかもに疲れて逃げ込むように好きなお店に入ったとき、何もせずに席で待っていたらお店の空気を全身で吸収できた気がして、それだけで気持ちが落ち着いて癒されたということがあった。
それ以来、注文をしたものが届くまでの間はまずは何もしない時間をとることにしている。
待ち時間によっては少したつと別のことを始めることもあるが。

注文したものが届く。まずは写真に残す。
迷惑にならないような範囲で、冷めたりぬるくなったりしないようにできるだけ手短に。
誰にも気づかれないような小さないただきますをして、食べる。飲む。

美味しいなあ。こんな組み合わせあるのか、すごいな。
これこれ、やっぱりこの味が大好き。
わあ、これまた食べたいな。気に入っちゃった。
色々なことを感じながら、心が満たされていく。
じわじわとエネルギーがたまっていく。

考え事。ふと浮かんだものをノートに書き留める。
ぼーっとする。本を読む。友人からの連絡の返信。

カフェにいると自分の思考のスイッチが入るらしい。
漠然と悩んでいることの答えが簡単に出せたり、
普段なら考えが及ばない深いところまで考えることができて、思いがけないひらめきがあったりする。

私にとってのカフェは
癒される場所であり、思考力が高まる場所でもある。

カフェに入ってまずは日常から自分を切り離す。
日常モードの自分のスイッチを切る。
そして充電をして、スイッチオン。
考え事をして、自分なりの答えを出したり、これはもっとこうすれば良くなるんじゃないかとか、何かしら生かせるものを見つける。

たいして華やかな生活をしていない、その辺にいるありふれた一般人なのだけれど、カフェに行くとちょっと特別な自分になれる気がする。

それはきっと、自分を日常から切り離してスイッチを切って、エネルギーを吸収して、スイッチを入れる、その作業が自分が生まれ変わるかのような、刺激的で楽しい幸せなことだからだ。

一人の時間があればいいというわけではない。
家では日常から離れることができない。
バスや地下鉄の中では雑音が多すぎる。
街を歩いているときは落ち着くことができないし飛び込んでくる情報量が多すぎる。
カフェだから、できるのだ。

カフェはスイッチのON/OFFができる場所。
ちょっと特別な自分になるために、これからも、カフェに行こう。
ノートとペンと本とカメラとお財布と、ほんの少しの緊張感をかばんに詰めて。

カフェの帰り、気分がよくなってお散歩したら想像以上に歩いていて、たくさん写真が撮れました。
時々こういう副産物ができるところも好きです。笑

最後まで読んでくださりありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?