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なぜベンチャー・リンクは潰れたのか?フランチャイズビジネスの本質

先日、竹村学長から課題図書に、元ベンチャー・リンクの社長小林氏の本「フランチャイズビジネスの本質」をあげられたので、早速読んだ。

内容は、竹村学長から聞いたことばかりだったので、新しい知識は得られなかった。FC本部の学校の生徒は読まなくていい事案であろう。

とともに、何か胡散臭い臭がした。
社長が、FC本部の細かいことを把握しているのであれば、自社が潰れるわけないだろと。

ベンチャー・リンクの失敗原因をネットで調べたところ、
・加盟契約の空売り
・成功本部の脱退
・集団訴訟

こんなところがあげられた。
加盟金、ロイヤリティともに折半モデルだから、成功本部に逃げられるのも仕方ないなと思うが、融資実行前の入金とかはやばいだろと思った。
そういう経験を踏まえての、この本の内容なのかもしれないが、しくじり先生みたいな書き方をしていなかったので、やっぱり胡散臭かった。

社長業をやっている方ならわかると思うが、さも自分が全ての采配を動かしているような言い方ってのがある。まさにそのタイプだ。

調べていくうちにわかったことは、もともとのベンチャーリンクのビジネスモデルはビジネスマッチング。具体的には信用金庫・地銀などへの紹介での手数料ビジネスだったそうだ。
つまり、創業当初のビジネスアイデアはフランチャイズではないことになる。

これも起業家のみなさんならわかることだが、創業当初のコアビジネスは変わることはない。ピボットしたとしてもコアは残る。ベンチャー・リンクのコアは名簿商売であり、フランチャイズではない。

中小企業のリストはたくさん持っているのが、当初のビジネスの源泉であり、それを利用した加盟店開拓代行という横展開でのビジネスが、フランチャイズだったのである。

さも、代表の小林さんが発明したかのごとくな書き方ではあるが、これもまた違う。

ベンチャー・リンクの最初のFC本部コンサル事案はサンマルクであり、当時の担当者と担当部長は現在「アセンティアホールディングス」という海外FC展開支援の会社を経営している。

本には、「新規事業には代表自ら現場の音頭を取れ」と書いてあるが、実際は現場に任せっぱなしの可能性がある。

まあ大将が手柄を総取りするというのは今に始まったことではないが、
せめて本に残すときは、もうちょっと等身大になってくれてもよかったなと思う。

歴史は勝者が塗るかえるという点では、これもまた正しいのであるが。

こういうタイプの人にコンサルをお願いすると、
とんでもないアドバイスをするというのは、IT業界でも「あるある話」なので備忘録として、書いておいた。

本にまとめるぐらいの総論なら矛盾はしないが、
神が宿るはずの細部にはボロが出ることだろう。

良い子の皆さんは、気をつけましょう。


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